【バイヤーのコラム】思い出は、おいしい記憶とともに。
商品プランナー 佐藤
新幹線で九州へ向かう道中、富士山がとても綺麗に見えました。
先日祖母が亡くなり、久しぶりに親戚一同が集まる機会がありました。
子どものころは毎年夏になると、家族みんなで訪れていた熊本県にある祖父母の家。
祖父が亡くなってから、祖母は県外の親戚宅の近くへ居を移したこともあり、祖父母の家を訪れるのはまさに17年ぶりでした。
思い出話に花が咲く、車内でのこと
車で市街地から祖父母の家へ向かう道中。車内では、一緒にいた両親や伯父と昔話で盛り上がりました。
「高速道路を降りてすぐ右手のうなぎ屋さんは、おじいちゃんが好きでよくみんなで行ったね〜」
「誕生日のときは、あそこのケーキ屋さんでおばあちゃんに誕生日ケーキを選んでもらったな。甘めのクリームがおいしかったよね」
「そこの市場で買ったおっきなスイカを、井戸水でキンキンに冷やして、みんなで食べたね」
なんだか思い出されるのは、おいしい思い出ばかり。
でも、そのひとつひとつがとても鮮明で、味の特徴まで事細かに思い出すことができるのです。
台湾に長年住んでいた祖父が、年季の入った中華鍋で作ってくれる焼きビーフンが幼い頃から大好きで、今でもたまに無性に食べたくなって作ってみるのですが、記憶の中にあるそれとは比べ物にならない味で。
いつかまた、あの味が食べられないかな…。と17年間思いを馳せています。
17年ぶりに訪れた、思い出の場所は…
よく祖父に連れていってもらった、熊本城の近くは、銀杏が見頃でした。
熊本の街並みは、17年前と変わったところも変わらないところもありましたが、毎年訪れていた祖父母の家は、昨年の震災で全壊してしまい、すっかり変わり果てた姿になっていました。
塀と庭の一部だけが残されて、家のあった場所はがらんとした状態に。ちょうど工事が終わりたてだったそうで、掘り立てのやわらかな土が、一面に広がっていました。
子どもだった頃の私には、とても大きく感じられて、一人では近寄れなかった庭の池は、大人になって見るとなんだかこじんまりと感じられました。
そんな祖父母の家でも思い出されるのは、食べ物の記憶ばかり。
「庭にいた鶏がたまごを生んだ朝は、姉妹でどちらが食べるか大喧嘩。その新鮮なたまごを使ったたまごかけご飯は格別だったな」
「この辺りに縁側があって、みんなで庭に種を飛ばしながらスイカを食べたな」
些細な出来事でも、味覚の記憶が紐づくと、こんなにも鮮明に記憶が蘇るんですね。
力強くも寂しげに残されていた、思い出の味
庭から離れた場所に、ぽつんと大きな柚子の木が残されていて(思い返すと、そこは台所のそばでした)、ちょうどたわわに黄色の果実が実っていました。
雨が降っていたのですが、夢中で実をもぎ取り、東京の自宅に持ち帰りました。
正月には、この柚子の皮をお雑煮やうどんに入れてくれたな…、と祖母との思い出を噛み締めながら、早速皮は細かく刻んで冷凍し、みずみずしい果汁はぎゅっと絞って自家製のポン酢にしました。
鍋のつけダレや、酢の物に…。この冬、新たな「おいしい記憶」がたくさんできそうな予感です。
私にとって食べることは、なによりの楽しみ。だからこそ、より記憶に残りやすいのかもしれませんね。
でも、そんな食いしん坊の性分を誇りに思い、これからも大好きな人たちと一緒に過ごす時間の中で、「おいしい記憶」をたくさん残していけたらしあわせだな…と思ったのでした。
みなさんには、そんな「おいしい記憶」ありますか?
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