【スタッフコラム】家事もアスリートのように。
編集スタッフ 松田
ある日の帰りの電車で、高校生の女の子がちょうど真正面に立っていました。背中には大きくロゴが入ったスポーツバッグ。なんとなく、バレーボール部かな?と推測します。
その子の服装や佇まいが、自分が高校生だった頃にもちょっと似ていたこともあり、ふと当時のことを思い出しました。
***
高校時代、私は短髪で常にジャージ姿のバレーボール少女でした。
練習の厳しさは校内でも有名。朝練や走り込みも、しんどかった。自分がやりたくて始めたバレーボールだったけれど、正直にいえば、練習から逃げ出したいときだって何度もありました。
なんとか乗り越えて迎えた3年の夏。負けたらこれで引退という最後の大会、初戦の相手は県内で優勝を争う強豪校。周りからすると結果は目に見えていたと思いますが、自分たちなりに相手チームを分析し、戦略を練って、本当に勝つ気でいたんです。
だって、あんなに厳しい練習に耐えてきたのだから。勝たなくちゃいけない。勝たなくちゃ、勝たなくちゃ。そんな気持ちでいっぱいでした。
結果は、惨敗。ドラマのような逆転劇は起こらず、それも朝9時開始の第一試合で負けてしまったので、大会が始まって早々に、私たちチームの青春は終了したのです。
あまりにもあっさりとした幕引きに、涙すら出なかったのを覚えています。
その日の午後、大会のベスト8に残った他校のチームから、翌日の決勝トーナメントに向けた、最終調整の練習に付き合ってほしいとお願いされて、練習試合を引き受けることになりました。
さまざまなプレッシャーから解放された身体の、軽いことといったら。
自分のポジションはセッターだったのですが、頭の横にも目がついているのかと思うくらい、ネットの向こうの相手選手の動きがわかり、ブロッカーを惑わすような冴えたトス回し!
それは他のメンバーも同じで、「そんなに飛べたの?」というくらい高い位置から(もはや相手ブロックの上から)、強烈なスパイクを打ち込むエース。レシーブが苦手としていたメンバーさえ、回転レシーブまで決めて、拾えないボールはないというくらい、機敏な動き!
羽が生えたみたい。嘘ではなく本当にそう思いました。
ベスト8のチームに快勝してしまった後、メンバーと一緒に「この力、本番に出したかったよね」と笑いあいました。わたしたちチームに必要だったのは、練習だけでなく、気持ちのコントロールだったのです。
でも、バレーボールってこんなに楽しいんだ!と初めて心から思えて、最高に幸せな時間でした。このまま時間が止まってほしい。そう思うくらいに楽しかった。
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時間を費やして何かに打ち込む経験は、大人になるとなかなかできないもの。もしかしたら、あんな感覚を味わえることは、もうないのかもなぁ。その日の夜更け、ちょっとだけあの時間に戻りたいなんて思いながら、余韻で気持ちが熱くなっていました。
ですが現実、目の前にあったのは、シンクにたまったお皿の山。
普段ならばどんよりとした気持ちで始める皿洗いですが、熱い気持ちが手伝い、気分はさながらアスリート。頭の中では、こんな実況中継が流れる妄想まで。
(見事な手さばきで、山のように積み重なっていた皿たちが、どんどんきれいになっていく!素晴らしい!洗いかごにも、効率的に並べられ、無駄がない!こんなに混沌とした状況下でも、頭が冴え渡っているなんて。フライパンのこびりつきだって決して見逃さない。完璧だ。水滴も一滴残らず拭きあげ、棚に整列されていく。たった短時間で、余裕のあるフィニーッシュ。松田選手、華麗にゴールを決めました〜!)
妄想なので、文章に書いてしまうとすごく恥ずかしいのですが(苦笑)、これが意外にも楽しく、かなり短時間で気分よく皿洗いを終えられました。
子どもの身支度や家の掃除も、あぁ面倒くさいなぁと思ったら、ちょっとアスリートになった気分で、華麗にこなす自分を想像しながら動いてみる。そんな妄想にハマっているこの頃です。
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