【スタッフコラム】石橋を叩くのも、悪くない。
バイヤー 森下
バイヤーになって3年目に突入しました。
さまざまな展示会に行って、新しいものや素敵なものを目にする機会が多いこの職業。
こんな商品があったら当店のお客さまは喜んでくれるだろうな、こんなアイテムがあれば私達らしいと思ってくれそう!など、素敵なものに出会うたびに「こうやって紹介したい!」とポンポンと思いつくのが楽しくて、やりがいがあります。
一方、自分の私生活は?と振り返ってみると、明らかに買い物下手になっていることに気がつきました。
とにかく「石橋をなんどもなんども叩いてしまう」
結婚して夫婦のお財布を共通にしたことから、予算に制限ができたというのも1つの大きな原因なのですが、欲しいものをみつけるたびに、まるでオフィスで商品選定ミーティングをしているかのように、脳内で何人もの「わたし」がいろんな意見を出してくれます。
「どんなときに使う?」
「何に使える?どこで使う?」
「これ以外にほしいものあったっけ?」
いくつも出てくる質問に、私自身が答えます。けれど、いろんな理由をつけて納得をしたと思っても最後に立ちはだかるのが「それ、絶対に必要?」というファイナルクエッション。
自分で勝手に作ったそのハードルを、エイヤー!と乗り越えなければ手にできないというルールを無意識に作ってしまい、今まで諦めたものは数知れず(笑) 昔はそんなことなく、いいと思ったらすぐに買っていたんだけどな……。
そんな状況が続く中、最近久しぶりにそのハードルを乗り越えて我が家にやってきた子がいました。
それは「しょうぶ工房」というところで作られたお皿。あるお店で見たときに、ピーンときて気づいたら自分の中で欲しいスイッチを連打していました。
そうなると私の頭の中は早速ミーティングに向けて働き始めます。
ふむふむ……このお皿は、
・デザインが素敵で、わたし好み
・今我が家には、程よい深さのあるお皿がない。そして持っているお皿との相性も良さそう◎
・予算的にも許容範囲の価格
・一つひとつが1点ものなので、希少性もある
いろんな条件がそろったところで、最後の質問である「それ、絶対に必要?」のラストステージへ。
「・・・・」 (なぜか勇気がでない!)
そこからお店の中を3周まわったり、一旦そのお店をでて別のお店をぐるぐる回ったり。
悩み始めてから約2時間。 「やっぱりほしい!なんか忘れられない」と思い、ついに迎え入れることになりました。
自分の直感をより信じられるように
▲1人ご飯の時や、来客時の大皿サーブとしても大活躍!
たかがお皿1枚、されどお皿1枚。
いつからこんなにも買い物のハードルが高くなってしまったのか……と自分に呆れながらも、そうやって迎え入れた子を見るたびに、やっぱり買ってよかったなと愛着が増します。
よくよく振り返ってみると、なんだかんだ直感に従って買っていることに気がつきました。
いろんな理由を並べたてるけど、その時に感じた魅力を忘れられずにいたから手にする。実は石橋をバンバン叩くことによって、自分の直感を研ぎ澄ませていたのかもしれない。好きなものがより明確になって、それを納得するための手段だったんだ。そんな風に思えてきたんです。
でもそのためにはやっぱり、いろんな想像をして考えることは大切。なんだかちょっと自分のしつこさを少し許すことができました。
まだまだ不器用な買い物が続くと思うけど、このお皿をみて「あー、あんなこと考えてたな」と思い出す日がくる気がします。
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