【ゆるめる香り】前編:もっと深呼吸したくなる。暮らしに香りのアイデアを。
ライター 片田理恵
新しい生活が始まる、春。入社に異動、進級、入学と、大きな節目を迎える季節です。肩に力が入りすぎたり、気持ちばかり先走ってしまったりして、心と体がいつも緊張している……なんて方も多いのではないでしょうか。
そんな心身を気持ちよくゆるめて、自分をラクにしてあげたい。そのためにできることを探していたら、ふと、部屋の隅にあったアロマオイルが目にとまりました。何気なくフタをとって香りをかいでみると、ライムのさわやかな香りがふわりと舞って、なんだかとってもいい心地。思わず目を閉じて余韻を楽しんでしまいました。
そうだ、「いい香り」は、気持ちをやわらげてリフレッシュしてくれるもの。このオイルを買った時だって確かにそう思ったのに、うまい付き合い方がわからないまま時間だけ経ってしまったのです。
香りをもっと身近に、もっと暮らしに取り入れながら、楽しむ。それが私らしい「ゆるめ方」になってくれるかもしれません。
自分らしく香りを楽しむ暮らしをされている方に、お話を聞いてみたい。そんな気持ちで、ライフスタイルコーディネーターで「YORK. 」代表の山藤陽子(やまふじ・ようこ)さんを訪ねました。
香りのデザイナーとして調香を手がけるほか、化粧品や生活雑貨など、天然の香りにこだわったプロダクトの企画・販売も行う山藤さんは、「香りのプロフェッショナル」でありながら、同時に「暮らしを楽しむ生活者」。
それぞれの視点を生かして、日々の暮らしに無理なく、心地よく香りを取り入れるアイデアを教えていただきました。2話完結の前後編でお届けします。
家でいつものように過ごしながら、アロマを楽しむ
山藤さん:
「香りは『心身をゆるめるためのスイッチ』なんです。なぜなら、嗅覚は呼吸とつながっているから。いい香りをかぐと、思わず深呼吸したくなるでしょう? 常日頃から好きな香り、ときめく香りに接していれば、自然と呼吸が深くなり、心も体もリラックスできるんです
だからといって、香りのために手間と時間をかけるのは正直いって難しいですよね。だからこそ、家でいつものように過ごしながらできる方法を知ってほしい。アロマオイルにはディフューザーを使わない楽しみ方も、実はたくさんあるんですよ」
ゆるめるアイデア1
気持ちを切り替えたい時は、拭き掃除ですっきり
なんだか今日は気持ちの切り替えがうまくできないなぁ。そんなモヤモヤをすっきりさせるには、拭き掃除がおすすめです。
山藤さんに教わったのは、布を濡らすバケツの水にアロマオイルを数滴たらして使うこと。拭いた場所から空気中にいい香りが広がって、手を動かしている間はもちろん、掃除を終えたあとも心地よさが続きます。
床全体でなくとも、棚やテーブルをちょっと拭くだけでももちろんOK。たとえばオンライン打ち合わせの前にデスクまわりをさっとひと拭きしておくと、部屋も気持ちもすっきり整います。
ゆるめるアイデア2
よく頑張った日は、お風呂でとっておきのリラックス
一日の仕事を終えてパソコンの電源を落とす。疲れた体にうれしいのはやっぱりお風呂ですよね。
アロマオイルは入浴時にもさまざまな形で活用できますが、山藤さんのおすすめはバスルームの床に数滴たらして熱いシャワーをあてること。香りが下から立ち上って、浴室内をいい香りのアロマミストで満たしてくれます。
香りはしばらく続くので、心地よい空間でマッサージをするのも気持ちよさそう。頑張った自分へのご褒美に、おうちサロン気分を味わってみるのもいいかもしれません。
ゆるめるアイデア3
毎日使う玄関やトイレを、もっと気持ちよく
▲瓶の外蓋と内蓋を取ってそのまま靴箱へ
▲器に入れた重曹に数滴垂らしてトイレへ
アロマオイルを芳香剤として使うことも、もちろんできます。毎日のように使い、かつにおいが気になる場所といえば、玄関の靴箱とトイレの中。山藤さんが実践しているのは、ここにびんをそのまま、あるいは重曹にたらしたものを置いてみるというやり方だそう。
実際に試してみると、扉の開け閉めをするたびにほのかな香りを感じて、とても気分よく過ごせました。またアロマオイルをたらした重曹は、香りが消えたらそのまま洗剤として使えるので非常に便利。少し古くなってしまったオイルの再利用法におすすめです。
山藤さん:
「アロマオイルの選び方に決まりはないので、好きな香りを選んでください。これから新たに購入する人には、使いやすいベーシックな香りのラベンダー、ベルガモット、オレンジの3種がおすすめ。それぞれ単体ではもちろん、2種類ないし3種類をミックスして使うのも楽しいですよ。
今日はオレンジを2滴にベルガモットを1滴というふうに、配合するバランスで香りのニュアンスも違うので、ぜひその日の気分でブレンドしてみてください」
香りは「ながら」で楽しめる
拭き掃除、入浴、芳香剤。山藤さんが提案してくれた「ゆるめるアイデア」に、新鮮な刺激を受けた私たち。アロマを焚いて香りを楽しむための時間を作り出す余裕なんてない!と思い込んでいた気持ちが、嘘のように軽くなりました。
明日の後編ではうってかわって、今度は精油を使う以外のやり方で香りを楽しむアイデアをご紹介。山藤さんが実際に使っているお気に入りのアイテムをたっぷり見せていただきます。
(つづく)
【写真】濱津和貴
もくじ
山藤陽子(やまふじ・ようこ)
YORK.代表。1本の精油との出会いから「プロダクトはただのモノではなく、人生を変えるきっかけをもたらしてくれる」ことを実感。モノと人をつなぐ仕事を志す。オーガニックブランドで働いたのちに独立し、南青山にコンセプトストア「HEIGHTS」をオープン。今春、オリジナルのパフュームを発売予定。写真は愛猫のモカフラペチーノ・ウィズ・ホイップと。
http://york-tokyo.com
ライター 片田理恵
編集者、ライター。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。暮らし、食、子育て、地域などをテーマに取材・執筆に取り組む。
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