【クラシコムのしごと】雑貨にアパレル、オフィス内装まで? CC室のスタッフに密着しました
編集スタッフ 吉野
オリジナルブランドの雑貨、クラシ手帳、ギフトラッピング。これらのデザインには、いつでも一貫した「北欧、暮らしの道具店らしさ」があることを大切にしています。
その「らしさ」を作る大きな役割を担っているのが、コーポレートクリエイティブ室(CC室)。北欧、暮らしの道具店やコーポレート関連の、デザイン領域を担当しています。
▼現在、デザイナーを募集しています。ご興味のある方はぜひこちらをご覧ください。(応募締め切り:2月8日9時)
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▲左から、CC室デザイナーの佐藤(マネージャー)、野村、鈴木。現在は産休者1人を含む、6人のデザイナーが在籍するグループです
オリジナル商品のデザインからWEB・アプリの商品関連バナー、読みものや映像コンテンツのビジュアル制作、ロゴ制作……と多岐に渡り、近年は「チャポンと行こう!」公開収録や試着会イベントの会場デザインにも関わるように。
一昨年クラシコムが上場してからはIR資料デザインも担当し、今年の春に移転する新オフィス内装も手がけるようになりました。
年々携わる仕事の幅は増えつつ、限られた人数や時間での業務はハードそうに見えますが……? 普段から意識していることや、領域が広がっていく仕事への向き合い方について、今回はスタッフ3人に話を聞きました。
オフィスに当店らしさを出すとしたら?
野村:
「新オフィスのデザインについては、壁、床、といった『パーツの状態』のサンプルを見ながらひとつずつ決めていきました。でもそれが全て組み合わさった実物は完成まで見られないことが、苦戦したポイントでしたね。
例えば花瓶のような、今までデザインしていた雑貨類は『完成した状態』のサンプルを作れるので、微調整しながらデザインすることができます。でも建築はそうはいかなくて。
『実際に完成して初めて、決めたことが正解だったのか分かる』という状況にはなかなか慣れません。最後まで、ずっとソワソワし続けることになりそうです(笑)」
完成した状態を実際に見ることができない中で、決めることがたくさん。何か道標になるものが必要そうだと感じました。
佐藤:
「始めのころは、はっきりと言葉にできるような道標ではなかったけれど、最初から一貫して考えているのは『クラシコムはこんな会社なんです』ということを伝えられる空間にしよう、ということ。
スタッフの柔らかな印象は、きっと会社の外から見てもそう感じる方が多いと思うのですが、共通点はそれだけではないと思っています」
佐藤:
「例えば時間や人数が限られていたとしても健全に仕事ができるよう、みんな効率よく動ける方法を常に探っていますよね。
そうやって、しなやかであろうとする『強さ』のようなものも同時に感じているんです。できる限り残業をしないスタイルをずっと貫くことができているのも、その強さからきているように思います。
そんなスタッフたちが過ごすオフィスという空間からも、柔らかさや強さが伝わるようにしたい。そう考えていたら、自ずと選ぶものも決まっていきました」
▲「間取りは、効率的に動けるように」「全体的な色のベースは洗練された雰囲気の白やグレー。そこに木材や北欧ブルーのカーペットで柔らかさや当店らしさを足したくて……」とこだわりがたくさん詰まっています(新オフィスの詳しい試行錯誤は、後日コンテンツでご紹介を予定しています!)
お店のメッセージを、デザインに落とし込む
クラシコムのデザイナーとして働いていく中で感じるやりがいは、どんなことですか。
鈴木:
「お店全体としてのメッセージを、デザインする商品に落とし込めることでしょうか。
スタッフは普段から、今お客さまに何を伝えたいかや、お客さまの反応から感じたことを話したり、聞き合う時間が多いなと思います。それを自分ならどんな仕事に、どう落とし込めるか、全員が真摯に考えているんですよね。だから取り扱う商品やコンテンツも、その背景を反映したものになっています。
CC室では、それがデザインになる。そうやって繋がっていくのがすごく新鮮で、面白さを感じているところです」
▲毎年つくる「クラシ手帳」のデザインやカラーも、手帳を通して感じていただきたい気持ちや、お店の世界観を反映しながら制作しています
▲昨年秋にリニューアルしたギフトパッケージは、お店の商品ラインナップの広がりや場所としての変化に一層フィットするよう、トーンや仕様を一新しました
佐藤:
「あとはデザインする対象の幅が広いことも、特徴であり、やりがいに繋がっていることのひとつだと感じています。
今回お話ししたオフィスもそうですが、担当する案件はほとんど毎回『みんなが初めて』の状態。だからこそ難しいことも多いのですが、会社の成長とともに幅色く新しい仕事に携われるのは、やっぱり楽しいです」
▲「花瓶をデザインしていたと思ったら、今度はオフィス。同時に新たな雑貨のデザインや、お店のサイトに掲載するバナーも作っています」と野村
スタッフの半分以上が産休、時短勤務のグループで
新しいオフィスの話から、細かく慎重に、時間をかけて進んでいったことが伝わります。でも実は、CC室は産休・育休中や時短勤務をしているスタッフの人数が半分以上を占めるグループです。
佐藤:
「CC室以外のグループも、常に誰かが産休や育休に入っていますよね。一見大変な状態のようですが、実は会社全体にとって大切なことなのではと考えているんです」
▲野村、鈴木も、産育休を経て復帰しました
佐藤:
「普段どれだけ効率化したいなと思っていたとしても、そのとき思いつくことや実践できることは限られていると感じています。
でも何か大きなきっかけがあって、本当にどうにかしなければならない状況になったら。今までのやり方を効率化するべきなのか、そのままの方がいいのかを見直すことができる、いい機会ですよね。
産育休も、そのきっかけになると思っています。会社全体がこれに向き合っていることも、クラシコムが健やかでいられる理由のひとつかもしれません」
鈴木:
「時間や人数は限られていますが、それでもより良いデザインができる方法がどこかにあるはずと考えて、ここ数年で様々なことを試してきました。
事務系の細かい仕事は担当者を割り振ることで、やりとりを複雑にせずすっきりとさせたり、フォーマットを作成して他のグループに分散したり。
一つひとつは些細なことですが、いざ探してみるとスムーズに進められることが少しずつ見つかっていきました。初めからそうしていなかったことが不思議に感じるほど改善されたものもあって、いつも学びの連続です」
鈴木:
「今試しているのは、オリジナルアイテムのデザイン仕様書を細かいところまで完璧に作ろうとするのではなく、『どうしたいのか』を伝えることに重きを置いて、あえて余白を残した状態で相手に共有すること。
最初から完璧なものを作ろうとすると時間もかかりますし、せっかく考えても素材や技術的な面から再現できないことも多くて。取引先のメーカーさんにもノウハウがあるので、こちらで最初からディテールを詰めるより『どんな印象にしたいか』『ここはスッキリさせたい』などデザインの方向性を共有したほうが、よりイメージに近いものができるのではと考えています。
よいものを作るには効率だけではなく時に回り道が必要なこともありますが、程よい加減を探し続けていきたいですね」
***
CC室のスタッフがデザインしたものから、今までなんとなく感じていた「当店らしさ」。
それは働き方について模索したり、お客さまのことを知ろうとしたりする中でデザインされたものだからこそ、感じていたことなのかもしれません。
次回はどんなチームが登場するのでしょう。楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。
▼現在、コーポレートクリエイティブ室のデザイナーを募集しています。ご興味のある方はぜひこちらをご覧ください。(応募締め切り:2月8日9時)
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【写真】市原慶子(9枚目)
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