◇◆第3回 北欧、暮らしの道具店の開店秘話その3◆◇ヴィンテージ商品とビジネス
クラシコム代表 青木
(前回までのあらすじ)
自分たちが本当にスキで、向いていることを仕事にすることに決めた佐藤とアニ。
佐藤が少し以前に出かけた北欧の地から何かを輸入して販売する事業が出来ないかと
模索する中で、佐藤が元々スキだったヴィンテージの雑貨類を扱うことを思いつき。。。
(第3回)
だんだん熱さを増す「クラシコムこれからどうするよ?会議」
その中で、好きなことで向いていることをやるという漠然とした方向が決まり、
僕は次は形のあるものをやり取りする、確かな商売がしたいという元々考えていたことを
思い出しました。
それで僕は佐藤に
「なにか北欧で仕入れて日本で売れるような、魅力的な商品には
出会わなかった?」
と聞いてみました。
佐藤はうーんとうなってしばらく黙って考えていましたが
「調べてみないとわからないけれど、北欧のヴィンテージ食器と
かキッチンウェアなんかは日本でも人気があるし、私も好きだか
らある程度目が利くし、出来るかも。。。」
と、言い始めました。
ヴィンテージか。。。それはビジネスの観点から見ても面白いかも。
と思いました。
なにかお店を始めるにしても、普通まずは商品を沢山そろえない
といけません。なぜなら普通の現行商品であれば、少ししか商品
の無いところでお客様はお買い物をしてくれることはあまり期待
できません。
だっていろいろな商品を楽しく見て、選んで買うのがお買い物の
醍醐味ですよね。
だけどヴィンテージ商品のようなコレクション性の強い商品なら
たとえ商品がひとつしかなくても、その商品を探しているお客様
がおられれば、買っていただける可能性もあるんじゃないか?
そう思いました。
これはすなわち会社に残された少ないお金で買えるだけの仕入れを
して、小さく商いを始められることを意味しています。
これは僕らには好都合でした。なんせもう資本金も大分使ってし
まっていて、あまりお金が無かったのです。
もうひとつはインターネットで販売する商品としては一般に「ブ
ランド物」が販売しやすい商品といわれていたことです。
多くの方が最初からメーカー名やデザイナー名商品名などを知っ
ていて、そうした名前を検索して商品を探されるので、その
キーワードに絞ってSEO(検索エンジン最適化対策)をすること
で、効果が得やすいことが理由です。
きっと北欧のヴィンテージ商品についても同じ事が言えるんじゃ
ないか?そう思いました。
そして僕らがお店をやるとしたら路面店を出すようなお金は無い
ので、ものすごい僻地でお店を開くか、インターネット上にお店
を出すかのどちらかだろうから、これは非常にありがたい商品特
性だと感じました。
そこで僕は
「よしすぐにストックホルムに行こう。今はどうやって仕入れる
か、どうやって売るか、全然見えないけれど、行けば何とかなる
し、仕入れちゃえばきっと何とかなる!」
と佐藤に言いました。
佐藤はそのころ早くもう一度ストックホルムに遊びに行きたくて
しょうがない頃でしたので、自分がポロッと言った事をまさか
ホントにすぐ仕事として取り組むことになるとは、とびっくり
してましたが、嬉々として手配を始め、結局その数週間後に社運
をかけたストックホルム買い付け旅行に出発する段取りとなりま
した!
もしかしたら、これがクラシコム最初で最後の社員旅行で終わってしまうかも。
そんな不安はありましたが、その頃の僕らには失うものなんて何にも無かった
ので、今思うとアホか?と思うほど能天気にストックホルム行きを楽しみに
していたのでした。
(次回に続きます。)
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