【きっかけシネマVol.07】なにかを信じて日々奮闘する人に観てほしい。「バードマン」
ライター 新田まるむ
文 ライター新田まるむ
今日は最近の映画!『バードマン』
信じれば、空も飛べるかも!?
先日友人に「これってどんな映画?」と聞かれたとき、私はとっさに「マイケル・キートンがブリーフ1枚でニューヨークを歩く映画!」と答えてしまいました。
「なんじゃそれ?」友人は言いました。無理もありません。
でも大丈夫。そんな予想外の驚きに満ちたこの映画を信じてください。ブリーフ1枚で歩くキートンは、一度の人生、何かを信じて懸命に歩く私たちそのもの、きっと希望がもらえる映画です。
皆さんのなかには、このマイケル・キートンという俳優が初代「バットマン」役だったことを覚えておられる方もいらっしゃるかもしれません。
まさにこの現実そのままを皮肉るように映画の主人公リーガンも、かつてアクションヒーロー”バードマン”を演じて久しく、今は知る人も少ないハリウッド俳優という設定なのです。
誰しもの願望。愛されたいということ。
彼にとって大事なことは、人々から注目され、認められ、愛されていると感じること。
今や落ち目の俳優であるリーガンが、過去の栄光を取りもどすため舞台に挑む姿は必死そのものです。
でも状況は逆風だらけで何ひとつうまくいきません。プレビューは失態つづきだし、批評家からは門前払い。若い役者にも押され気味のリーガンは、初日を控え次第に追いつめられていきます。
そんな彼の背後でささやき続けるのが“バードマン”です。どこかバットマンのようなこの”バードマン”は、妥協と信念の間で揺れるリーガンの分身。
ささやきは励ましなのか誘惑なのか、すべては現実なのか妄想なのか。
超能力を使い空を飛ぶリーガンは、観ている観客の解釈など無用であるかのような一途さで“本当の人生”を追求しているのです。
自分の本当の人生を信じて。
ニューヨークをブリーフ1枚で歩くリーガンには、たとえ人から否定されても、自分を信じてたどり着かなければならない場所があります。
年老い、身体はたるみ、僅かに残ったキャリアにしがみつくリーガンの姿は、何かを信じて一途であればあるほど愚かさと紙一重になる私たち人間の姿そのものという気がしてなりません。
小さなことでも、私たちは何かを信じて日々奮闘しているはず。
仕事で、人間関係で、子育てで、こうすればより良くなるんじゃないか、とか、やっぱり諦めきれないことがあるのは何かを信じて希望を持っているからではないでしょうか。
不安と自信の間で奮闘し続けるすべての人に、きっと希望を持ち直させてくれる「きっかけシネマ」です。
今日の「きっかけシネマ」情報
『バードマン』(2014年)
【監督】
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
【キャスト】
マイケル・キートン
エドワード・ノートン
エマ・ストーン
ナオミ・ワッツ
ザック・ガリフィナーキス
【ストーリー】
主人公の俳優リーガンは、今や落ち目のハリウッド俳優。過去の栄光を取り戻すべく、再起をかけてブロードウェイの舞台に挑戦するが…。全編ワンカットかと錯覚するようなカメラワークで、現実と妄想を自在に行き来する映像は見事。リーガンの心情を終始アントニオ・サンチェスによるドラムが表現しセンスが光る。第87回アカデミー作品賞受賞作品。(監督、脚本、撮影賞も受賞)
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