【フィットする暮らし】浜島直子さん 第4話:イライラしても、うまくいかなくても、母であることは楽しい。
ライター 片田理恵
写真 岩田貴樹
シリーズ「フィットする暮らしのつくり方」vol.13は、「はまじ」こと、モデルの浜島直子(はまじま なおこ)さんにお話を伺っています。
最終話である今回のテーマは「母」。
子育てに待ち受けるさまざまな壁を乗り越えるにはどうすればいいの?と悩むすべてのお母さんに、 “はまじ流” の理性の保ち方、イライラを引きずらずに切り替える方法を教えてもらいました。
第4話:イライラしても、うまくいかなくても、
母であることは楽しい。
母であることの苦労や喜びは、なかなかひと言で言い表すことができないものです。
朝から晩まで目の回るような忙しさ、なのに自分のことはちっともできないもどかしさ。次から次へとやることを増やしてくれる我が子は世界一かわいいけれど、時にちょっぴり憎らしい存在。
そんな相反するふたつの状況や感情に引き裂かれて、ついイライラしてしまうことも当然、ありますよね。
でも「それははまじも同じ」と聞いたら、ちょっと肩の力が抜ける気がしませんか?
イラッとすると思い出す言葉「それは本当にそんなに怒ること?」
浜島さん:
「イライラすること、もちろんありますよ。
せっかく作った離乳食をぜんぜん食べないとか、『抱っこ、抱っこ』とずっと言われて自分のことがあまりに何もできないとか、しらすごはんをぶちまけられてしらすが絨毯にめりこんでるのを見たときとか(笑)」
浜島さんにはそんなとき、思い出すようにしている言葉があります。それが「それは本当にそんなに怒ること?」というフレーズ。
浜島さん:
「レストランか居酒屋のトイレに貼ってあった言葉なんですよね。
私はそうやって自分に問いかけることで、ワンクッション置いて冷静に状況を見るようにしています。
そうすると感情的にならずに対処できる。しらすも拾えばいいか、って」
インスタグラムは、育児で悩んだときの「心の支え」にも
それでも気持ちが収まらないときは、SNSを使って同じ悩みを持つお母さんたちとつながるようにしているそう。
インスタグラムで子育ての悩みを吐露すると、「うちも同じ」「もっとひどかった」などと次々にコメントやメッセージが届きます。
浜島さん:
「子育て中って孤独に陥りがちじゃないですか。
だからSNSで社会とつながることで、自分の理性を保つことが出来るんじゃないかなって思うんです。
たとえば『息子が野菜を食べてくれない』って書いたら『うちも同じです』ってメッセージをたくさんもらえて。食べない事実は変わらないんですけど、私の気持ちはすごく楽になるし、じゃあどうすれば食べるかなって前向きに考えられる。
見えない手でみんなで肩を組んでいるような安心感があります」
公園で遊んだり散歩をしたり、ベビーカーを押して外へ出かけるのもまた然り。
外出先でお母さん同士の横のつながりができたり、お店や街中で声をかけてもらったりすることで「ひとりじゃない」という心強さを感じられるといいます。
上の2枚の写真は浜島さん愛用のマザーズバッグ3点。神楽坂にある『La kagu』で購入したオレンジとイエローのポシェットに財布とスマホを入れて肩にかけ、MARKS&WEBの白いトートかHervé Chapelier(エルベシャプリエ)の黒いリュックに必要な荷物を入れれば準備はOK。
オムツに着替え、水筒、おやつ、おもちゃなど、子どもの持ち物が多くてもラクラク入り、ベビーカーの荷台に積んだりもできるのでオススメだそう。
“今のはまじ” にフィットする3つのもの
モデル、妻、そして母。
インタビューの最後は、そんなさまざまな顔を持つ “今のはまじ” にフィットするものを3つ教えてもらいました。
(1)夫婦で楽しむコーヒーブレイク
その1つめがコーヒー。妊娠前はほとんど飲まなかったそうですが、今は毎日、夫婦でコーヒータイムを楽しんでいます。
浜島さん:
「カズちゃんはもともと好きで飲んでたんです。
少し前に授乳が終わって、淹れてくれたコーヒーを一緒に飲むようになりました。それがだんだん習慣になってきて『こんなにおいしいんだ』って。
今は息子が昼寝をすると、どちらかがいそいそと支度を始めるようになりましたね(笑)」
飲むのはハンドドリップで淹れるホットコーヒー。豆は徳島・アアルトコーヒーのものがお気に入りです。原画展のために限定で販売した「しろ缶」も発見。
(2)寝かしつけた後の、わずかな読書タイム
2つめは本。もともと読書が大好きな浜島さん、出産以降なかなか本を読む時間がとれないことは目下悩みのひとつだそう。
ベッドに入って寝るまでのわずかな間でも必ず本を手に取り、「自分へのご褒美時間」を楽しんでいます。
浜島さん:
「今読んでいるのは向田邦子さんの『無名仮名人名簿』(文藝春秋、1980年)。『しろ』を出版してくれたミルブックスの藤原さんにすすめられました。
その次は小泉今日子さんの『黄色いマンション 黒い猫』(スイッチパブリッシング、2016年)を読む予定。これも藤原さんが持ってきてくれたはまじ用の課題図書です(笑)」
(3)母になる前からずっと大好きなワンピース
最近お気に入りというワンピース3着。左からarchi、nest Robe、YAECAで購入。軽やかさのなかに凛とした存在感を感じる、素敵なものばかりです。
3つめはワンピース。「夏はワンピースしか着ない!!」というくらい大好きなアイテムだそう。授乳期は着られなかったため、ようやく解禁になった今は思いっきり着こなしを楽しんでいます。
浜島さん:
「とはいえ、子どもと一緒だと着られないんですよね。
白いものは特に汚れやすいし、スカートだと公園で走り回れないし、襟ぐりが広いものはかがんだときが気になるし。
だから着るのは仕事に行くときが多いかな。身につけるだけでテンションが上がって楽しくなっちゃうんです」
取材当日に着用していたのはARTS&SCIENCEの真っ白なコットンワンピース。
空気をはらんでふわりと広がる裾、しっとりと柔らかな素材感がとっても着心地のよさそうな一枚でした。
母という自分の人生を心から楽しみたい
子育てが始まる前とは何もかもが違う「母」としての暮らし。
ああしたい、こうじゃないともがきながらも少しずつゆっくりと歩を進める現在の日々を、浜島さんは、私たちが魅了されるあの素敵な笑顔で楽しんでいました。
以前よりも強く「常に実直でありたいと思うようになった」という言葉の背景にあるのは、息子さんに自らの目でしっかりと世の中を見つめ、感じてほしいという母心。
そのためには自分自身もまた人生を心から楽しみ、その姿を示していく必要があるのだと考え、実践しているように見えました。
どんなにステージが変わっても、やっぱり素敵な 「はまじ」 。
「はまじのようになりたい」から一歩進んで、「私は私らしくなりたい」と思えたら、彼女の笑顔の秘密に少しだけ近づけるような気がします。
(おわり)
もくじ
モデル、タレント 浜島直子
愛称「はまじ」。北海道出身。高校在学中にスカウトされ、18歳でモデルデビュー。LEE専属モデル、NHK総合「あさイチ」、 TBS「暮らしのレシピ」、TBS「世界ふしぎ発見!」ミステリーハンターなど、幅広く活躍。近著に夫・アベカズヒロ氏との共著『しろ』(ミルブックス)がある。
ライター 片田理恵
編集者、ライター。大学卒業後、出版社勤務と出産と移住を経てフリー。執筆媒体は「nice things」「ナチュママ」「リンネル」「はるまち」「DOTPLACE」「あてら」など。クラシコムではリトルプレス「オトナのおしゃべりノオト」も担当。
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