【人生は木のように】後編:ゆっくり、人と出会いながら。「ふたりで半人前って僕たちよく言うんです」(須山実さん・須山佐喜世さん)
【連載】あの人の暮らしにある「北欧」のこと。no.11:インゲヤード・ローマンのグラス

池田さんの家では、食事とお酒はセットです。
子どもはすっかり大きくなり、社会人になりました。食べ盛りの時期を過ぎたいまは、それぞれのタイミングで軽い食事をとることがほとんどです。
ボリュームのあるサラダをメインに、ワインを少し。デンマークのカフェやレストランで食べたサラダがお手本です。
そしてここに欠かせないのが、インゲヤード・ローマンのワイングラス。気取らずに使えて、でもすこしの特別さも感じられる、お気に入りのグラスです。
まだ子どもが小さかったころのことです。池田さんはワイングラスを探していました。
日常的に使うものだから、繊細すぎるつくりでは困ります。洗うたびに気をつかうようでは出番が少なく、子どもとの食卓にも出せません。かといって脚のないタンブラーで飲むのは味気なく、やはりワイングラスとしてのシルエットも大切にしたいもの。
そんなときインテリアショップで、ぴたりと理想通りのワイングラスを見つけました。持ってみると、ほどよい厚みで手になじみます。
細すぎない脚は安定感があり、子どもとの暮らしにも無理なく使えそう。なにより、吹きガラス特有の揺らぐようなやさしい質感や、デザインの美しさにはハッとするものがありました。
それは、ずっと憧れていたスウェーデンの陶芸家でありガラスデザイナー、インゲヤード・ローマンの作品でした。
あれから15年以上が経ち、すっかり生活の一部となったワイングラス。日々の食卓はもちろんのこと、家族で出かけるキャンプやピクニックにも気兼ねなく持っていくことができました。
天気のいい日には、サンドイッチ片手に公園でワイン。それが叶うのも、このデザインだからこそです。
今日は、たっぷりのリーフに自家製ツナとビーツを和えたサラダ。ケッパーとオイルでシンプルに味を整え、仕上げのチーズがアクセントです。どっしりとした黒パンとパテを添えたらできあがり。
あとはいつものグラスにワインを少々。今日も一日、お疲れさまでした。

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Text : Akari Fujisawa
Photo: Ayumi Yamamoto
池田 宏実(いけだ ひろみ)
料理人。川崎市中央卸売市場北部市場内にある〈調理室池田〉を営む。2018年にオープンした店は、夫である講平さんが全体のディレクションと2階ギャラリーのアンティークの買い付けを、宏実さんが1階カフェを受け持つ。
調理室池田 住所:
川崎市宮前区水沢1-1-1 川崎市中央卸売市場 北部市場関連棟45
Instagram:
@ikeprox
HP:
https://chourishitsu.tumblr.com/
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