【ご機嫌をつくるモノ】おいしい和食生活を作る、3つのキッチン道具。
編集スタッフ 二本柳
おいしい和食を作るために、欠かせない台所道具。
これさえあれば、暮らしを心地よくしてくれる。明日がちょっと楽しみになる。
そんな大切なモノはありますか?
毎日を支えてくれる愛用品に着目した連載 「ご機嫌をつくるモノ」 vol.15は、薬膳料理家の山田奈美さんにご登場いただきます。
山田さんは以前にも、特集 『平日の夜にしたいこと』 へご登場いただき、離乳食や幼児食のレシピを紹介してくださいました。
味覚が繊細な子どもでも美味しく食べられるように、と山田さんが作る料理は、どれもシンプルな味付けの 「和食」 がベース。
凝った調味料を使わなくても、調理法しだいで素材の旨味は十分に濃縮されることを、私もこの取材を通して改めて実感しました。
今回は、そんな山田さんが日々愛用する台所道具を3つお聞きしたいと思います。
おいしい和食で家族も毎日ごきげんに! そのために欠かせない道具とは……?
おいしい和食を作るための
台所道具3つ
檜のせいろ
旨味が凝縮されるから、何でもよく蒸します。
山田さん:
「せいろは竹や杉で作られたもの、産地もいろいろですが、我が家では国産ひのきのものを愛用しています。
日本の職人さんが作った 『檜(ひのき)』 のものだと、お値段は少々はりますが、そのぶん丈夫で長持ちしますし、接着剤などを使っていないので安心です。
『せいろ台』というものをセットで使うのもおすすめ。底の部分が焦げたりせず、様々なサイズの鍋で使えるので便利ですよ。
蒸すという調理法は、素材そのものの旨味が凝縮されるので調味料が最小限で済むんです。季節の食材をおいしく食べるために、ぜひ取り入れてみてください」
「長谷園」の土鍋
炊飯器をやめて、3食土鍋ごはんに。
山田さん:
「もう20年くらい愛用しているのが、伊賀焼 『長谷園』 のごはん炊き用の土鍋です。
この土鍋は内釜がついているのが特徴で、火加減を調整しなくても、中火のまま16〜18分で炊けてしまいます。そして何より、とても美味しいのです!
本当に便利なので、以前キャンピングカーで20日間ほど旅に出ていたときも、この土鍋を持参したほどでした。
現在は 『かまどさん』 という商品名で販売されているので、私が愛用しているものとは見た目が違うのですが、毎日のごはんを炊くのに欠かせない存在になること間違いなしです」
すり鉢とすりこぎ
白和えや、くるみなど…… 和食に欠かない道具です。
山田さん:
「このセットは、和食には欠かせないアイテム。炒りごまやくるみを摺ったり、豆腐をつぶして白和えにしたり…… ほぼ毎日出番があります。
すり鉢は、山只華陶苑(やまただかとうえん)の加藤さんが作る 『わら灰 八寸』 というもの。
目立てがうずまきになった 『波紋櫛目』 が特長で、一般的なすり鉢は摺っていると食材がだんだん上に押し上げられてしまいますが、これは自然に底に落ちていくんです。摩擦熱が少なくなり、香り高く摺ることができるそうですよ。
すりこぎの方は料理研究家の辰巳芳子さんが考案されたもので、力を入れずに摺れる優れもの!
桜の材が使われていて、水をよくはじき、カビたり傷んだりしませんし、汚れもこびりつきません。もう15年ぐらい使っていますが、そんなに使っているように見えないぐらいきれいで、本当にいい素材です」
四季の食材を、シンプルな調理法で。
20代の頃は、編集・ライターとして忙しく働いていたという山田さん。不規則な生活で食生活も乱れがちになり、不安定な体調に悩まされることも多かったと言います。
その頃、薬膳の師匠でもある武鈴子 (たけ りんこ) さんに出会い 「和食こそ日本人にとっての薬膳」 という言葉を聞いてから、それまでの食生活を見直すようになったとか。
山田さん:
「武先生から影響を受けて、和食のすばらしさに改めて気がつきました。意識的に和食を取り入れるようになってから、ずっと続いていた不調も改善されていきました」
さらにお子さんが生まれると、素材そのものを厳選して選ぶように。すると自然と調理法もシンプルになっていったそうです。
山田さん:
「日本には四季があって、季節に合った食材があります。その自然の恵みを最大限に生かしていただくのが、和食の醍醐味だと思うんです。
旬の食材は特別に手を加えなくても、そのままで味が濃く、力強いですしね。
たとえば、たけのこや生の落花生、むかご、山椒の実、生桜えびなど、出回るのはほんの短い期間ですが、その時期を逃さずに食卓へ出す、というのがとても楽しみであり、幸せなことだと思います」
四季折々の食材をシンプルな調理法で味わう。それは和食ならではの魅力であり、とびきり贅沢なごちそうですね。
これから季節は冬から春へ。美味しい旬の野菜もたくさん出てきます。
山田さんにご紹介いただいた道具を使って、私も和食生活を始めたくなりました。
山田 奈美
食養研究家。「食べごと研究所」 主宰。神奈川県葉山の自宅 「古民家1681」 にて 「離乳食と子どもごはん教室」 「発酵教室」 などを開催。人気を集めている。著書に 『つよい体をつくる離乳食と子どもごはん』(主婦と生活社)、『はじめる、続ける。 ぬか漬けの基本』(グラフィック社) など。http://tabegoto.com/
▽山田さんの書籍はこちらからご覧いただけます。
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