【ノルウェー日記】郷にいれば、郷にしたがえということで、スキーをはじめました。
ライター 桒原さやか
「ノルウェー人はスキーを履いて生まれてくる」
こんな言葉を聞いたことがありますでしょうか?ノルウェーの人たちのことを例えるときに、よく北欧ではこんな風に表現されるのです。
はじめて聞いたときは、そうは言ってもねぇ……と思っていたのですが、ここに住む期間が長くなればなるほど、本当のことなんじゃないかと思えてきました。
道路でもバスの中でも、イキイキとした顔でスキー道具を運ぶ人たちがいるのは日常風景。テレビをつければ、クロスカントリースキーの世界選手権。スーパーにだってスキーグッズが所狭しと並んでいるのです。
おそらくこのことを語らなくては、ノルウェーのことを語れないんじゃないかと思うほど。今日はそんなスキーのお話です。
おどろくべきスキーの効能。
「なんでスキーをやらないの?」と数名の友人から言われ、それならば……と、重い腰をあげたのは1月のおわりごろでした。
試しにレンタルをしてみたところ、あまりの気持ちよさとおもしろさに、夫婦揃ってどっぷりはまり。なんとその翌日には、スポーツ用品店へとかけこみ、道具一式そろえていました。
そんなわけで、今では週に2、3度ほど、夫とふたりでスキーに出かけるようになりました。
そこまで惹きつけられる、スキーの魅力ってなんなんでしょう?
改めてこのコラムを書くにあたり考えてみました。
まずはなんと言っても「ノルウェーの大自然が全身で味わえること」
冬の時期に自然を味わいつくそうと思ったら、スキーを超えるものはないんじゃないかと思うほどです。
ちょっと足をとめて、山の景色をみつつ、スーーハーッと大きな深呼吸。これは何にも変えられない贅沢な時間だなと思います。
そしてもうひとつは「気持ちよさと達成感」
家にかえってくると、全身が汗びっしょり。運動したな〜ということを、わかりやすく実感できます。スキーは水泳と同じくらい、よい全身運動なのだそうです。
そして最後は、わたしの個人的な意見ですが「辛い時に止まれないこと」でしょうか。
スキーをしていて一番辛いのは、なんといっても坂道を登るとき。でも、坂を登っているときに、疲れて足を止めてしまうと、スルルーとそのまま下へと滑り落ちていってしまうのです。(登り方がヘタだというのもありますが)
とにかく早く登りきってしまわないと、止まれない。休憩ができない。
といわけで、怠け者のわたしにピッタリなスポーツだと、つくづく思います。笑
スキーをはじめてから、嬉しいオマケもありました。
すれ違うときに「こんにちは〜」と、一言の挨拶だけかわすご近所さんがいました。
ところが、わたしがスキーをかついで、山へむかうのを見かけた瞬間、顔の表情がパッと明るくなり話しかけられるようになったのです。
それからというもの「昨日はスキーをしたか?」「あそこの山にはいったのか」と、会うたびに世間話をするようになりました。
実は日本人に似ていてシャイなノルウェー人。スキーにはそんな人たちのこころを開いてくれる力があるのですね。
まさに郷にいれば、郷にしたがえ。
スキーを始めてから良いことが、わたしのまわりでたくさん起こっています。
スキーに夢中な夫の後ろ姿。日に日にノルウェー人に近づいているような気がします。笑
ライター 桑原さやか
『北欧、暮らしの道具店』で、お客さま係として6年間働いていた元スタッフ。旅が好きで、冬の旅行で訪れたノルウェーの北極圏にある町、トロムソに一目惚れ。スウェーデン人の夫と共に、2016年6月より移住をはじめている。
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