【店長コラム】世の「お父さん」について考えた、たった5分間の出来事。

店長 佐藤 店長 佐藤

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「この光景を見ることができて良かった」。

街を歩いているとき、カフェでお茶をしているとき、偶然立ち会ったその光景に幸せや考えるキッカケをもらうことってありませんか?

つい先日、わたしもそんな体験をしました。

それは、ある日曜日の夕方4時頃でした。

いつものように一週間分の食材の買い出しをしたあと「一杯飲んで帰りたいな」と思い、近所のカフェバーに立ち寄ったときのことです。

買い物袋をドサッとおろし、冷えた白ワインを一杯だけ。

「うー、サイコー」と思いながら本のページをめくっていると、店内に1歳くらいの男の子を抱っこ紐で抱えたお父さんが入ってきました。

席に着くなりそのお父さんは、メニューに目を通さずに慣れた様子でドイツビールを注文します。

「ヴァイエンシュテファンをちょうだい!」

注文したビールを待っている間、

「なあ、お前も一杯やるだろ?」と抱っこ紐で抱えたままの子どもに話しかけ、リュックサックから水筒を取り出してお茶を飲ませます。

次に聞こえてきたのは

「おいおい、お前、もう飲んじゃったのかよー。父ちゃんはまだだぜ!」というお父さんのなんとも嬉しそうな声。

その後、お父さん自身も運ばれてきたドイツビールを、それはそれは美味しそうにグビグビっと飲み干し、再びリュックサックを背負いお会計へと出て行きました。

この親子が入店してから退店するまで、およそ5分ほどの、あっという間の出来事でした。

なんて良いものを見せてもらったのだ。

わたしはそこからグルグルと頭のなかで想像を繰り広げました。

あのお父さんは、もしかしたら今日、家で待っている家族に時間をあげるために、父子で出かけていたのかな。

ふたりだけで行動したあと、お父さんもビールを一杯飲んでから家に帰りたくなったのかな。自分を労うようにして。

たった”5分”の光景のなかに、いろんな人のいろんな人生が垣間見えたような気がして、しみじみとしてしまったのでした。

決してよい面ばかりが表に出るわけではない人の人生だけれども、わたしが立ち会った”5分”には良いものばかりが見えました。

どうしても自分本位に世界を見てしまいがちなことを自戒しつつ、しばし世の「お父さん」に想いを馳せ、「お母さんだけでなく、お父さんにだって本当にいろいろあるはず」という当たり前すぎる事実にあらためて気づくことになります。

最近の自分のなかに、そういう優しい目線はミリ単位にまで減っていたような気がする。家族に、もっとこうしてほしいだったり、自分もこのくらいやっているという気持ちばかりが幅を広げていたかもしれない。いかん、いかん。

再び席を立って、買い物袋を両手に下げ直す頃には、行き道とは少し違う心の状態を手に入れていました。

 

 

 


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