COLUMN
【ノルウェー日記】カーテンは閉めないのが当たりまえ？北欧の家事情をレポートします。
ライター 桒原さやか
いつもこのデスクに座って、うーんと悩みながらコラムを書いています。
北欧に住んでおおよそ一年経ちました。
今住んでいるのは、一軒家の一階部分。二階には大家さんのご夫婦が住んでいます。
わたしが住む地域ではアパートが少ないこともあり、家の一部をアパートとして貸し出す家庭が多いのです。
とはいっても、キッチンやトイレ、お風呂もすべて別々になっているので、プライベートなスペースはちゃんと確保されています。
実際に北欧の家に住んでみて、日本とはちがうなぁ……と新しい発見がいくつかありました。
北欧の家庭に習って、買い足したキャンドルたち。
カーテンは閉めないのが当たり前？
外を歩いていると、カーテンがしまっている家はほとんど見かけません。テーブルで食事をしていたり、テレビを見ていたり。それぞれの暮らしぶりが窓からチラリと垣間みえます。
そんなわけで、デスクにすわって作業をしていると、ご近所さんと目が合うなんてこともしばしば。
ちょっと気になることもありますが、カーテンを開けていると外の景色も家の一部になるので、部屋が広く感じますし、光もたくさん入ってきて気持ちいいです。
自分の時間をつくるために「食洗機と乾燥機」は必須アイテム。
ノルウェーではちいさなアパートにも食洗機や乾燥機がついています。わたしは今まで「あったら嬉しいけれど、なくても困らない」ぐらいの意識だったのですが、こちらでは必須の家電なんですね。
まいにち使っているうちに「なんで今まで使っていなかったんだろう……」と思うほど。洗濯や洗い物をするとき、そこに向かうまでの気持ちがすごくラクになりました。
北欧の人たちの「機械にまかせるところはまかせて、自分の時間をつくる」という考え方、学ぶことが多いです。
シャワーだけでは、やっぱりさみしい。
日本にあるけれど、ノルウェーにはないモノもいくつかあります。そのひとつが、お風呂です。
ボックスタイプのシャワールームが基本で、バスタブや洗い場がないことがほとんど。これに慣れるのは、まだまだ時間がかかりそうです……。
バスタブも恋しいけれど、お風呂のイスも恋しいなぁ。日本のお風呂はただ体を洗うだけじゃなくて、リラックスできる場所なんだと、当たり前のことに改めて気づいたのでした。
寒い日は、無性にお風呂が恋しいです。
家中あたたかいって、気持ちいい♪
電気パネルと床暖房のおかげで、トイレもシャワールームも、どこの部屋も一日中あたたかいノルウェー。
朝起きた瞬間、家に帰ってきた瞬間から、家があたたまっているって幸せですね〜。
はじめは電気代が大変なことになるのではと心配したのですが、近くに大きな水力発電所があるおかげで、一日中暖房を使っていてもそこまで高くなくホッとしました。
外は寒いですが、家の中に一歩はいるとぬくぬく天国です。
北欧の人たちは、ちょうどいいを知っている？
北欧の家に一年住んでみた感想は、ストレスを感じない家だなぁということ。（贅沢を言うならお風呂があればさらに嬉しいですが……）
家の中があたたかいこと、乾燥機があることも理由のひとつですが、もっと小さなことで居心地のよさを感じる瞬間がたくさんあるのです。
今住んでいる家は、家具やキッチン用品や食器まで一通りすべてそろっている物件。居心地のよさを感じるのは、例えばこんなときです。
「これくらい収納スペースがあると片付けやすいなぁ」
「大きい鍋が一つと小さい鍋二つ、フライパン大小一つずつ。これだけあれば困らないかも」
こんな風にちょっとしたところがちゃんと考えられていて、ここが気になるというポイントがあまりないのです。
モノは多くないけれど、必要なものがちゃんとそろっている。それは家具においても、食器においても、ぜんぶに当てはまっている気がしました。家の中で過ごす時間が長い北欧の人たちは、「ちょうどいい」の感覚を自然と身につけているのかもしれません。
この居心地のよさの理由、もっと追求しなくては！
ライター 桑原さやか
『北欧、暮らしの道具店』で、お客さま係として6年間働いていた元スタッフ。旅が好きで、冬の旅行で訪れたノルウェーの北極圏にある町、トロムソに一目惚れ。スウェーデン人の夫と共に、2016年6月より移住をはじめている。
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