【1/5午前10時まで】一緒のご注文で送料無料に!対象アイテムはこちら >>

【スタッフコラム】大人のホームシック

【スタッフコラム】大人のホームシック

編集スタッフ 壽山

なんか、実家に帰りたいなあ……

そういえばもう2年は帰省していないと気がついて、無性にふるさとが恋しくなっていたとある休日のこと。年に1度の誕生日を口実に、かねてから行きたかったお茶のイベントに参加しました。

それは約2時間かけてコース料理のように、全国のおいしいお茶とつくりたての和菓子をゆっくり味わう。大人のための、ただただ贅沢なお茶の会です。

そこで最初に出されたお茶が、なんと、たまたま故郷・宮崎の茶葉でした。

お茶の香りも旨味も、すべてが懐かしくて。じっくり味わいながら、生まれ育った町のことや、毎朝お茶を淹れてくれた両親に思いを馳せていたら……注がれた2煎めに、スッと茶柱が立ったんです。

ふるさとのお茶を飲めただけでも幸せなのに、度重なるうれしい出来事に、心がはずみました。

さらに続いて出たほうじ茶も紅茶も、偶然にもふるさとの茶葉。帰りたくても帰れない欲求が、1杯、また1杯と、お茶を飲むごとに満たされていきます。

不思議な感覚のなかでお茶を楽しんでいると、お茶に合わせたお菓子にも、わたしの地元特有の柑橘「へべず」が使われていたんです。(へべずとは、カボスのような酸っぱい果物です)

それは小さく切った和梨と洋梨を、絹ごし豆腐とヨーグルト、きび砂糖で和えたもので、仕上げに「へべす」の果汁を絞ったひと皿でした。

「へべす」といえば、毎年秋になると母がその果汁を製氷機で凍らせたものを宅急便で送ってくれて。それを醤油で溶かして鍋を食べるのがわが家の秋の習慣です。まさかこんなところで、こんな洒落たアレンジで再会するなんて。懐かしいやら嬉しいやら、とにかく胸がいっぱいになりました。

お茶の会を主催している方は、わたしの故郷とは、縁もゆかりもない方です。このタイミングで宮崎のものづくしになったのは、たまたまなんだそう。

そう聞いて、改めて「今日来てよかったなあ」と、しあわせな時間を思い返しつつ、里ごころを胸のおくにしまって電車で帰りました。

感想を送る