【スタッフコラム】あのとき買ってよかった!13年来のキッチンの相棒。
お客様係 渡邉
旅先でお土産を買うのが、とてもとても苦手です。
その土地に興味のない人がもらったら、
「……エッ?」
となってしまうような民芸品やド派手な靴下。ここでしか買えない、と思うと衝動買いに拍車がかかってしまうのです。
ところが帰宅後、いざ渡そうと思ったらなんだか急にこっぱずかしくなり、結局お土産自体なかったことにしてしまう。これは自分へのお土産でもよくあることで、旅の道中ワクワク浮かれていた自分を突きつけられるような、なんとも言えない気持ちに……。
とはいえ一度は惚れた身、すぐに捨てる気にもなれず、そっとクローゼットの奥にしまいこんでいます。
そんな中でも、時間が経ってから「あのとき買っておいてよかった!」と思えるようになるものもあって、特にここ最近のお気に入りが、このキッチンペーパーホルダー。
大学の卒業旅行で行ったチェコのおもちゃ屋さんで見つけたこの子。本当は木のおもちゃを探して、ガイドブック片手にお店に入ったのですが、一瞬で心を掴まれました。
「わざわざチェコまで来てキッチンペーパーホルダーなんて買う必要ないよ、いつ使うかわからないし、かさばるし」と心の中で買わない理由を並べるも、どうにも目をそらせなくなって、えいっ!と連れ帰ってきました。
*********
あれからもう13年。結局帰国してすぐに一人暮らしを初めてからずっと使ってはいるものの、当時はせっかく買ったしとりあえず、という感じでした。
シンプルですっきりかっこいいインテリアに憧れては、子どもじみたこういうものを買っちゃうところから変えないとだめなんだろうなあ、と憂いたことも。
ところが。約1年前に息子の離乳食が始まってからというもの、妙〜にこの子が視界に入って来るのです。
「いつも頑張っていること、ちゃんとみてるよ〜。毎日おつかれさま!」と言ってくれているような気がして。クイっと上がりきった口角を真似てニカッと笑顔を作ってみると、私の気持ちも自然と上向きになります。
この子が見てくれている、応援してくれている。雑貨相手に大げさだしちょっと都合がよすぎるけれど、そう思うだけで気分があがるのも事実。特に出産してから、身の回りのものに対してこんな風に思うことが増えました。
雑貨ひとつでこんなにも気持ちが変わるんですね。たかが雑貨、されど雑貨。買った当時は、まさか13年も経ってからこんなに励まされることになろうとは、夢にも思っていなかったです。
当時一緒に旅行した友人も今は二児の母。今も時折連絡をくれる彼女と、そういえばその旅行中、ホテルのすぐ近くにあるというスーパーを探して夜の雪道を1時間ひたすら歩き続けたっけ。
海外旅行も当分おあずけになりそうな今だからこそ、そんな思い出も詰まったこの子が余計に愛おしく感じるのかもしれません。
衝動買い、バンザイ!チェコから一緒に来てくれてありがとうよ〜。
▲朝起きたら頭にふきんが。どうやら夫の仕業、すっかり日本に馴染んでいます。
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