【ケの日のこと】「寝落ちとの闘い」に終止符をうちました。

「家族と一年誌『家族』」編集長 中村暁野


第18話:「子供時間」のススメ


 

夜の8時に布団に入る生活を始めて1年ちょっと。一昔前だったら夕ご飯を食べていた、そんな時間に眠りにつく日がくるなんて想像もしていませんでした。

7歳の長女と、1歳の長男。2人はタイプが全然違うのですが、唯一共通しているのは、眠りが浅いということです。小さなお子さんを育てていらっしゃるおかあさんのSNSで「子供寝た!今から大人時間〜」という投稿を見るたびに、いいなぁ……と。わたしの場合、8時にふとんに入って、子供達が完全に寝付くのが8時半。そこから布団を抜け出してみても、9時半頃にはわたしの不在を察知した下の子が泣き出してしまいます。自由に過ごせる「大人時間」は約1時間。それはだいたい水切りカゴの中のお皿を拭いて、食器棚に戻して、娘の学校のお知らせを確認していたら終了くらいの時間なのです。

それでも上の子の時はなんとか「大人時間」を確保しようと四苦八苦していました。泣いて起きてもまた寝かしつけて抜け出してみたり、早めに寝た後夜中の3時に起きる生活にしてみたり。まれに成功することはあってもほとんどの場合上手くいかず、そのたびに起きてしまう娘は悪くないと分かりつつも、熟睡する子を持つおかあさんが羨ましい……と比べてしまう。

▲読めないまま溜まっていく本たち。カウチでのんびり読書できる日を夢見ています

そんな日々の終わりは、何かの策が成功したわけでもなんでもなく、ただただ娘の成長とともに訪れました。5歳を過ぎた頃、一旦寝付けばわたしがいなくても起きることがなくなった娘。晴れて甘いものをちょっと食べたり、夫と2人で話せるようになったり。そんな時間を夜にもてるようになったのも束の間、その後生まれた息子も同じように眠りが浅く、再びわたしは「大人時間」ロスに陥ったのでした……。

でも、この状況も二度目となれば諦めがつきました。無駄なあがきはしない、ともう子供と一緒に寝てしまうことに決めたのです。寝かしつけで寝落ちと闘う、というのはわたしにとって、子育ての地味に辛いことだったので、その闘いからの解放は思っていた以上にわたしを楽にしてくれました。

子供の寝息と温度を感じながら、一緒に朝までたっぷり眠る。こんな日々は5年やそこらで終わってしまうのです。そうすれば、映画だって本だって、じっくり見たり読んだりできる日がくる。そう思えば、夫に「ちょっと寝すぎなんじゃないの?」と呆れられようとも怯みません。あと数年、8時に寝てしまう「子供時間」に浸るケの日を続けよう、と思っています。

 

【写真】中村暁野

中村暁野(なかむら あきの)

家族と一年誌『家族』編集長。Popoyansのnon名義で音楽活動も行う。7歳の長女、1歳の長男を育てる二児の母。現在は『家族』2号の取材を進めている。2017年3月に一家で神奈川県と山梨県の山間の町へ移住した。http://kazoku-magazine.com

 


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