【お坊さんのお悩み相談室】第2回:早起きが苦手。ギリギリまでベッドから出れません。
早起きできない・苦手だという人は多いのではないでしょうか。早く起きる習慣のためには、早く寝ればいいのです。こんなふうに言うと、「それができたら苦労しませんよ」と返されてしまいそうですね。でも、ぜひ一日の終りのことを思い返してみてください。生活習慣は「なんとなく」では改善しないものだからこそ、色んな方法を試してみてくださいね。
編集スタッフ 松浦
家事や子育て、日々の仕事。私たちのくらしには、小さなことから大きなことまで「悩み」がつきものです。
連載「お坊さんに聞く、くらしの悩み相談室」は、日々のモヤモヤを、お坊さんに答えていただく新連載。
クラシコムのオフィスに「くらしのお悩み箱」なるものを設置し、スタッフのくらしの悩みを集めました。
お答えいただくのは、著書『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)なども人気の、浅草・湯島山緑泉寺 僧侶の青江覚峰さん。優しい笑顔が印象的な、3児の父でもあります。
とにかく朝が苦手です。目覚ましが鳴っても、ギリギリまでベッドから出れません。朝早起きできたら…… と、やりたいことが前夜に浮かんでも、そんな考えすら嘘のように、起きられないんです。(スタッフM)
皆さまのご想像どおり、私はけっこう早起きです。夜明け前に起きるほどではありませんが、毎朝決まった時間にきちっと起きるという意味では、早起き問題で苦労したことはありません。秘訣は簡単。早く起きるためには、早く寝ればいいのです。
こんなふうに言うと、「それができたら苦労しませんよ」と返されてしまいそうですね。でも、ぜひ一日の終りのことを思い返してみてください。
ついダラダラとテレビを見てしまう、ベッドの中でスマホをいじってしまうなど、寝る前の過ごし方を具体的に振り返ってみると良いかもしれません。「早く寝る」ために削れる時間が、きっと見つかるはずです。
時間を見直すときに大切なのは、逆算です。まず目標とする起床時刻を定め、そこからベストな睡眠時間を計算し就寝時刻を決めます。そのためには、食事やお風呂を何時までに済ませればよいか。帰宅時刻は何時が適当か。それには何時までに会社を出ればいいのか。それを実行するためには、その日の仕事の段取りも考えておくとよいでしょう。
けれど、そうは言っても。分かってはいても。なかなか思うように自分を律することができないのが私たち人間です。
一つ、仏教の言葉をご紹介しましょう。「一日一生(いちにちいっしょう)」。一日を一生に見立て、朝に生まれ(目覚め)、夜に一生を終える(就寝)という考え方です。
明日がある、明後日があると思えば一日くらいダラダラと過ごすことになんの疑問も持たないかもしれません。けれど、明日の朝に目覚めることはないのだと思えば、残された時間をどのように過ごすか、自ずと真剣にならざるを得ません。自分にとって本当に大切なことや、やらなければいけないこと、どうしても片付けておきたいことがしぼられ、無駄な行為は退けられます。
そのような心境に意識的に自分を追い込む。生活習慣は「なんとなく」では改善しないものだからこそ、そんな方法も効果的です。
一日一日、一時一時にするべきことを、するべきタイミングできちんと片付ける。抱えている仕事を片付け、体に良いものを適量摂り入れ、体を清め、余計な刺激を退け、整った部屋で静かに目を閉じる。
理想をいえば、心の中からも身の回りからも余分なものを取り除き、心配事などないようにしておくのが、安心して眠りにつく秘訣です。早起きのはじめの一歩はそこから始まるのです。
青江覚峰
もくじ
僧侶 青江覚峰
浄土真宗東本願寺派 湯島山緑泉寺住職。米国カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。「暗闇ごはん」代表。超宗派の僧侶によるウェブサイト「彼岸寺」創設メンバー。
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