【スタッフコラム】台湾に行ってきました

編集スタッフ 津田

仕事で台北に行ってきた。

台北では、ほとんど英語が通じない。旅先で、英語が通じないのは不便だなと、最初は思ったが、これはこれでなかなか面白いものだ。

たとえば空港からタクシーに乗るとき。行き先のホテルを「プリーズ ゴートゥー ……」と告げても、「?」という顔をされてしまう。

Googleマップを見せても、住所がアルファベットで表記されているから「??」のまま。

ガイドブックは持たずに来てしまったので、スマホ以外に見せられるものがない。

どうしようかと考えて、Googleマップを参考に、目的地近くの通りの名前をノートに大きく書き写し、それを見せたら「OK!」と笑顔。

走り出したタクシーの後部座席に背をあずけ、思わず口元がゆるむ。

行きたいところへ行けることより、「伝わったんだ!」とうれしさを噛み締めていた気がする。

同じような話は、屋台に行ったときにもあった。

午前中用事があるエリアの近くで、ローカルな朝ごはんが食べたいと思い、探してみると「涼麺」のお店が見つかった。

涼麺は、冷たい麺の上に、ゴマだれがかかっていて、細切りにしたきゅうり・おろしニンニク(たっぷり)がのっているものだ。なかなか美味しそうである。

営業時間は夜9時から朝9時まで。

夜遅くに仕事が終わった人や、夜遊びした若者が、疲れた身体を癒すべく、ここの涼麺を〆に食べに来るのかもしれない。期待が高まり、行くことに決めた。

翌朝8時半ごろに、一緒に出張していたスタッフ(バイヤー加藤とお客さま係市原)と行ってみると、ローカルの人たちで賑わっている。きっと美味しいんだ!と、さらに期待が高まる。

ちょうど3人で掛けられる席がなくて、店先で立っていると、お客さんが気をきかせて、スペースを空けて席を作ってくれた。「シェイシェイ!」と感謝を告げて、席につく。大きなテーブルに相席だ。

メニューがないから、オーダーは身振り手振りである。向かいに座っているおじさんの食べているものを見たり、知っている単語を並べたりして、涼麺3つと目玉焼き3つを注文。店員のおばちゃんから「ミソスープ?」と聞かれ、これはおすすめなのかなと思い、味噌汁1つも追加した。

ほどなく、出来立ての料理が運ばれてくる。店員のおばちゃんも、向かいのおじちゃんも、混ぜる動作をしたり、テーブルに置いてある調味料を渡してくれたり、いろいろと食べ方を教えようとしてくれる。

彼らのジェスチャーを頼りに、目玉焼きにソースをかけて、おじさんがやっていたように麺にのせて、がしがし混ぜて食べる。

おいしい! ニンニクが効いてて、ラー油は花椒が香る。暑い国の料理だ。食欲が刺激されて、夢中でさらに混ぜて食べる。箸休めに味噌汁を。日本のよりも甘めで優しい。刺激的な涼麺との相性もバッチリだ。

途中で向かいのおじさんと目が合うと「うむ」と言わんばかりに深く頷いてくれた。私も「おいしいです」と目だけで答える。目力は強めにした。きっと通じた、と信じている。

台湾の人は、私たちと言葉の壁はあっても、気持ちの壁がないように感じた。フレンドリーで親切で、笑顔。英語が通じなくても、不便でも、それを超えて通じるものがある気がした。

台湾から帰ってきたばかりだが、あのごはんと人に会いに、既にまた行きたくなっている自分がいる。

 


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