【バイヤーのコラム】父と私と、赤いニットの思い出
二人姉妹の末っ子だった私は、幼い頃は姉からの「おさがり」を身につけていました。
新品の服や靴を着ている姉のことが羨ましくて、「どうして私はお古ばっかり…」と不満に感じていたことを思い出します。
今となっては、当時の写真を見ながら家族で「この服は、お姉ちゃんには似合ってたけど、私には全然似合わなかったね〜」なんて話をするきっかけにもなる、いい思い出です。
思いがけない、父からの「おさがり」
今年の年明けに、「少し小さくて最近着てないから、着る?」と父。そんな父の手元には見覚えのある赤いニットが握られていました。
それは、数年前に2人で買い物に出かけたときに、父が購入していたもの。
赤い糸の中に、茶色やオレンジの糸も混ざった深みのある色合いで、父にしては少し派手な印象でしたが、「もうすぐ還暦だから、赤いものを集めようと思ってるんだよね(笑)」と理由をつけながら、いそいそとレジへ進む父の姿を思い出しました。
当時から、そのニットの絶妙な色合いに心惹かれていたこともあって、その時のことは記憶に残っていた私。
そういえば、このニット着てるのあんまり見たことないな…。と思っていると、少し照れくさそうに、「実は買った時からちょっと小さかったんだよね…」と父。
小さいかもしれないと薄々気づいていながらも、どうしてもそのニットが欲しかったのか、私と久しぶりに買い物に来た記念に買ったのかは定かではありませんが、そんな父がなんだかかわいく思えたのでした。
普段から色ものを身につける機会があまりない私には、赤いニットは少し勇気がいるアイテムではあったし、サイズも私にとっては大きいものでしたが、当時の思い出と一緒に父から譲り受けることに。
初めて袖を通した日は、着慣れない色になんだかそわそわしましたが、「赤い服着るなんて珍しいね〜」と言われるたびに、「これ実は、父からのおさがりなんです…!」と少し得意気に答えている自分がいたりして、すっかり愛着がわいてきています。(父も、私がこのニットを着ていると知るとうれしそうにしているようです)
幼い頃はちょっと不満だった「おさがり」。でも、大切な人の思い出も一緒に受け継ぐことができると理解できた今は、「おさがり」も悪くないと思えるようになりました。
これから先も、袖を通すたびに思い出すであろう父との思い出と一緒に、この赤いニットを大切にしていきたいなと思った、今年のはじまりの出来事でした。
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