【メイク迷子を卒業したくて】第1話:43歳のいま、始めたい。店長佐藤がメイクと向き合いたいと思ったワケ

商品プランナー 斉木

どうしてメイクだけ、こんなにも迷子になるんだろう?

「何が自分に似合うのかわからない。だからメイクアイテムが選べないし、選んでもどう使ったらいいのかわからない」

ある日、店長佐藤がそんな悩みをこぼしました。インテリアや雑貨、洋服なら自分の好きなものがピンとくるのに、メイクだけはいつまで経っても迷子のまま。

毎朝メイクをするときや、百貨店の化粧品コーナーに立ち寄ったとき、なんの手応えも掴めないままそれらと向き合い続けていることに、いつも居心地の悪さを感じてきたといいます。

でも、もしかしたらメイクだって、雑貨や洋服と同じように、もっと自分らしく楽しめるのかもしれない。

今年44歳になる佐藤がそう思うようになったきっかけは、同い年で、ともにひとりの息子を育てる母でもある、ビューティライター・AYANAさんとの出会いでした。

同年代のふたりが、メイクに始まり、年齢の重ね方から、どんなふうに人と向き合いたいかに至るまで、じっくりと語り合った3時間をお届けします。

 

正直でウソがない。同い年の彼女に出会って

美容にまつわるコラムやエッセイ、雑誌やwebでの取材執筆、ときにはメーカーとの商品開発からブランディングまで、AYANAさんの仕事は多岐に渡ります。

AYANAさんと佐藤は、共通の友人である写真家・中川正子さんの紹介で出会いました。メイクや顔に関わることはコンプレックスとも深く関係してくるもの。だから、腹を割って話したいと思えるひとがなかなかいなかったと話す佐藤。しかしAYANAさんには初めて会ったその日から、不思議と打ち明けられたといいます。「正直でウソがない。それに、『言葉の人だ!』とも感じました。私が知らない世界をちゃんと言葉で説明してくれる人だ」と。

初対面からこんなに好きだと思える同年代の人にはなかなか出会えない。AYANAさんともっとじっくり話をすれば、長年のメイク迷子を卒業する糸口が見つかるかもしれない。今回の対談は、そんな佐藤のラブコールから始まりました。

 

40歳、あたらしい髪型に挑戦してみたら

▲佐藤宅では、メイク道具はひとまとめにカゴ(右)に入れて、リビングの一角に。

AYANAさん:
「以前お会いした時も、メイクがどうにもわからなくて……とおっしゃってましたよね。佐藤さんが、メイクと向き合いたいと思うようになったのはいつ頃からなんですか?」

店長佐藤:
「20代でメイクをするようになってからずっと苦手意識はあったんですが、もっと自分らしくしたい!と切実に思うようになったのは、ほんの最近なんです。

きっかけは、40歳になるちょっと前にショートヘアにしたことかもしれません。

それまで、切っても肩にかかるボブくらい。ショートだけは絶対に似合わないと思っていたんです。

その頃まだ息子も保育園に通っていて、こまめに美容院に行かなければいけないショートは、自分が選ぶべきではない髪型だとも思っていました。

でも、思い切ってカットしてみたら、驚くほど自分にフィットしたんです。見た目というよりも、性格や気持ちに、というのかな。もう一生ショートだと思うくらい、はじめて自分らしい髪型を手に入れたと」

店長佐藤:
「そうしたら、それまでなんとなくで選んできた洋服やアクセサリーも、もっと自分に似合うものを見つけたいという欲が出てきたんです。それからの数年は、ずっとトライ&エラーの繰り返しでしたね。

わたし、できることなら自分が心から『好きだ』と思えるものを選べる人でいたいという気持ちが強いんだと思います。30代の後半くらいまではインテリアや雑貨がその対象でした。

それが子育ても少しだけ落ち着いたタイミングで、ファッションや髪型、見た目に関することにも目が向いてきたというか。

遅咲きなんですが40歳を超えてからそういう気持ちが出てきました。そして今、メイクを自分にフィットさせたいとようやく思えるようになったんです

 

始めるのに “遅すぎる” なんてないから

AYANAさん:
「40代で、今からメイクとちゃんと向き合いたいというその姿勢が、同年代としてとてもうれしいです。

若い頃はある意味メイクどうこうではなく、『若いから』ということでいろんなことがカバーできてしまいますよね。実際はその時にはその時の悩みがあって、そんなふうに言われたら怒っていたんでしょうけど(笑)

でも年齢を重ねるとより切実な悩みも増えるし、そもそも顔ってコンプレックスがあらわれやすい場所でもある。そのハードルを超えて、今始めたいというのがとてもいいなと」

店長佐藤:
「尊敬している50代の方が、会うたびどんどんきれいになっていくなと思っていたんです。表情もいきいきしていて。

ある日そう伝えたら、『実はメイクを勉強しに行ってるの』とおっしゃって。その表情が忘れられなくて、そういう先輩がいるって希望だなぁって思ったんですよね。始めるのに遅すぎることなんてないんだって。

今43歳。これから始めたら、40代を通してわたしもメイクがすごく好きになって、変われるかもしれない。そんなふうにワクワクしたんです」

 

メイクは自分を好きになるためのツール

店長佐藤:
「でも、興味はあっても拠り所にしたいと思うようなメディアや雑誌が見つからなくて。

実際にやってみないと何もわからないから、数ヶ月に一度、勇気を振り絞って “恥をかく前提” で化粧品売り場に行くんです。まずどこのブランドに行ったらいいかわからなくて右往左往、コスメカウンターに座っても販売員さんからの質問にうまく答えられずパニック、たまに新しいアイテムを買って帰っても自分ではうまくつけられない……。いつも失敗と落胆の連続です。

そんなことばかりなんですが、それでも『メイクってきっともっと楽しいもののはずだ』という微かな予感はあるんですよね」

AYANAさん:
「なるほど……メイクがすごく難しくて、ハードルの高いものに感じられているのかもしれないですね。

わたし、メイクは自分に対して『いろいろあるけど、悪くないじゃん』と優しい目を向けられるようにするためのひとつのツールだと思うんです。

その人の性格やかもし出す雰囲気、表情、いろいろなものが合わさって『顔』はできていますよね。メイクだけでその人の顔が出来上がっているわけじゃないんです。

家具や雑貨、いろいろな要素を合わせてインテリアを自分の心地いい見た目にしつらえるように、メイクは自分自身の性格やこういう雰囲気でいたいなというイメージを形づくるためのひとつの要素。料理でいうスパイスのようなものだと捉えたら、また向き合い方も変わってくるのではないでしょうか?」

 

自分の好きな雰囲気をメイクでまとえる、という自信

AYANAさん:
「以前、目の見えない方が自分で化粧をする『ブラインドメイク』という技術を見せてもらったことがあるんです。みなさんメイクをした自分を鏡で見ることはできません。でも、メイクをすると外に出かけたいとおっしゃるようになって、表情も明るく、笑顔が増えるんです。

わたしは、メイクって外見だけでなく、内面も変えると思っています。

誰もが、自分の好きなものに囲まれて生きていたいじゃないですか。メイクで自分の好きな空気感や雰囲気をまとえるって、自信になりますよね。その自信が、他人からどう見えるかだけじゃなく、ものの見方や考え方、立ち振る舞いなどもポジティブな方向へ変えてくれると信じています」

好きな家具や雑貨をそろえてインテリアを心地よく整えるように、自分らしいメイクアイテムを揃えて好きな雰囲気をまとう。そう思えたら、毎朝鏡を覗く視線も変わっていきそうです。

続く第2話では、「じゃあわたしが好きな空気感やメイクってどんなものだろう?」と、もう一歩踏み込んで考えるためのヒントに迫ります。

(つづく)

 

【写真】市原慶子


もくじ

 

AYANA

ビューティライター。コラム、エッセイ、取材執筆、ブランドカタログなど、美容を切り口とした執筆業。過去に携わった化粧品メーカーにおける商品企画開発・店舗開発等の経験を活かし、ブランディング、商品開発などにも関わる。instagram:@tw0lipswithfang  http://www.ayana.tokyo/


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