【お茶の間会議】「成長しなければ」と、自分を追い込んでしまうことってありますか?

スタッフ 筒井


お茶の間会議のテーマ
「成長したい」という気持ちとの向き合い方


 

私はたぶん、特に仕事において、成長したいと思う気持ちが強いです。

自分の変化を楽しめているときと、成長しなければというプレッシャーに追い立てられて余裕をなくしているときがあります。

「成長したい」という気持ちに、他の人はどう向き合っているんだろう?

いい大人だからこそ周りに聞きづらいテーマについて、ときに真面目にときに楽しく語り合う、クラシコムのお茶の間会議で聞いてみることにしました。

 

本日の参加者はこちら

(写真左手から時計まわりに)

編集スタッフ 小林(30歳)

入社2年目。夫とふたり暮らし。なにごとにも全力投球な彼女の姿勢に、自分との共通点を感じています。

本人曰く「そもそも成長とは?という迷路で永遠に遭難している」とのこと。

お客さま係 市原(32歳)

入社2年目。3姉妹の次女。いつも穏やかで、難しい状況でも焦っている姿を見たことがありません。私からは、肩の力を抜いて成長と上手に付き合えている人に見えています。

本人曰く「成長というワードに無頓着な気がする」とのこと。

広告プランナー 中村(36歳)

入社4年目。6歳の息子、3歳の娘がいる2児のパパ。気負わず自分にちょうどよいペースで成長しようとしている彼を、こっそりうらやましく思っていました。

本人曰く「痛みがあるのは成長している証拠」とのこと。

「成長しなければ」と思うほど、しんどくなる?

筒井:
実はここ半年ほど、仕事の幅が広がって、新しいチャレンジが続いているんです。

少しは成長できているかなと実感できるときもあれば、「もっと成長しないと」という不安で頭がいっぱいになってしんどいときもあって。

そんな状況なので、成長との付き合い方について他の人にも聞いてみたくて、今日みなさんをお呼びしました。

小林:
もがいている心境、私も心当たりがあります。成長したい気持ちとの付き合い方ですよね……

私の中にはその気持ちに、2種類あるんです。

3人:
2種類?

小林:
一つ目は、今日より明日の自分がより良くなっていったらいいなという純粋な欲求です。

二つ目は、強迫観念みたいな、成長しなければという不安。人に迷惑をかけたくない、自立した人でありたいという考えからそう思ってしまうんです。

もっと成長したいと素直に思えているときはいいのですが、「成長しなければ」という不安が上回るとバランスを崩して苦しくなる気がしています。

筒井:
その状況、私にも覚えがあります。小林さんはどんなときにバランスを崩しやすいですか?

小林:
新しいことに挑戦し始めたときですね。

親しみがある分野では楽しくやれるのですが、新しいことだと「ちゃんとやらなきゃ→初めてだから失敗する→できない自分は成長すべき」という焦りのループに入ってしまうときがあります。

筒井:
なるほど。私もそのループに入っている気がしてきました。

「成長しなければ」と、思うことがないかも……

筒井:
市原さんは焦りのループに入ることはありますか?

市原:
二人とは違って、私は「成長しなければ」と思ったことがないかもしれないと、興味深く話を聞いていました。でも、成長することを諦めているわけではないんですよ。

筒井:
なんと!私にとっては新しい考え方です。

市原:
私は、遠くの目標を目指してもがくということはあまりなくて。

手を抜かずに目の前のことに集中して一歩ずつ進めば、その先には良い未来があると思っているからかもしれないです。

中村:
それ、とてもわかります。僕も同じ考え方です。

筒井:
私もそう思えるようになりたいです、とっても。

今一生懸命やっていれば、将来の自分はきっと良い方へ変化しているはずだと信じられるのはなぜですか?

市原:
なんででしょうかね。今まで目の前のことに真摯に向き合って、結果として得たものは自分を裏切らなかったという経験からかもしれません。

筒井:
過去の経験がそうだったからか……そう考えるようになったきっかけは他にありますか?

市原:
きっかけかぁ、そうですね。以前幼稚園の職員をしていた頃、トータルで1000人くらいの子供たちと接する中で「三つ子の魂百まで」ってほんとうにそうだなぁと体感したんです。

大人になればなるほど、人は本質的にそうそう変わらないから、苦手な分野で無理に成長しようとするより、得意なことで貢献した方が、私にとっては心地いいなって。

もちろん苦手な領域でも任されたら精一杯やりますし、その中で努力して身につけられることはきっとあるけど、私の場合はそんなに多くはないとも思っています。

▲黙り込む私。

筒井:
得意な範囲でやればいい、か……

「納得です」と言いたいところなのですが、咀嚼するにはちょっとシンキングタイムが必要そうです。

 

成果を気にしないほうが、成長できる?

中村:
話を聞いていて、成長することとうまくやろうとすることがごっちゃになっているように感じました。

筒井:
うっ……そうかもしれないです。

中村:
僕にとって、成長とはうまくやるというよりも、できないことができるようになることなので、その最中は失敗して当然と思ってやっています。

筒井:
失敗して当然?

中村:
そうです。失敗しても別に関係ないやと開き直っているわけではないのですが、成果をあまり気にしすぎないようにしているというか。

怖がらずに新しいことにチャレンジすることを大事にしたいと思っているんです。

小林・筒井:
す……すごーーーい。

そもそも自分に期待しすぎなのかも?

筒井:
中村さんは、たとえ失敗したとしてもそこから学んで変われるはずだから、何かにトライできていたらOKって思っているんですね。

そう思えたらいいなぁ。

中村:
僕は、そもそも物事はスムーズに進まないし、うまくいかないのが普通と思っているのですが、筒井さんはどうですか?

筒井:
私は、どうだろう。

うまくやれるはずだって自分に期待し過ぎているのかもしれないです。

市原:
ふふふ、筒井さんらしいですね。

筒井:
中村さんは今まで、できない自分に納得できなかったり、自分に過度に期待しちゃったりすることはなかったんですか?

中村:
もちろんたくさんありますよ。実は、変わったきっかけは明確にあるんです。

筒井:
え、知りたいです。

中村:
僕が失敗続きで悩んでいたとき、前職の先輩に「仕事なんて知識と経験だから」と声をかけてもらったことがありました。

そのときは、「自分はできない」と、漠然と不安だったんです。でも、「自分には◯◯の知識がまだないんだ」「自分は△△をやったことがないだけだ」と思えば、これからやればいいことがはっきりして安心しました。

筒井:
なるほど、これからやればいいことをはっきりさせるのか。私はうまくいかないと、毎回自分の能力を疑って思考停止している気が……

中村:
もちろんそう思いたくなるときもありますよ。そんなときは「ま〜た、いい経験しちゃってるな〜」と言ってみるといいかもしれません。

筒井:
はい!その言葉、うまくいかないときのおまじないにします。

▲真剣におまじないをメモ

 

肩に入った力を抜くためには?

筒井:
小林さんは、うまくいかないときに工夫していることはありますか?

小林:
工夫か……なるべく誰かと話すようにしていますかね。

筒井:
誰かと話す?

小林:
私の場合、うまくいかないときは、自分を責めて視野が狭くなっていることが多いです。だから、チームのマネージャーや夫など、冷静に全体を見てくれるような人と話すようにしています。

自分の感じていることを言葉にしていると、だんだんと客観的になれて、私ったらなんて小さいことにこだわっていたんだろう、ちょっとバカみたいだったなって、肩の力が抜けてくるんです。

筒井:
なんでこんなことにこだわっていたんだろうと思う気持ち、わかります。

小林:
私、学生時代はテニス部だったのですが、練習中コーチからいつも「力が入り過ぎている」と言われていました。何かに力んで視野が狭くなるのは、筋金入りなのかも。

そういう自分の特性はもう変わらないから、誰かと話して気を抜いて、また力が入るの繰り返しをするしかないのかなぁと思っています。

筒井:
でも、そういう話をできる場所や相手をもっておいて、自分の考えがほぐれることを楽しめるっていいですよね。

私も今日のおしゃべりで、肩の力が抜けてきている感じがしています。

もし私がまた「成長しなければ」思考にとらわれていたら、3人を呼び出して「それも経験だよ」って言ってもらってもいいですか?

小林:
もちろん、こちらこそお願いします。おやつを片手に、またしゃべりましょう。

▲その後も話がつきず、おしゃべりが続きました。

新しいことにチャレンジしているとき、なんだかうまくいかないとき、今までは「乗り越えるために成長しなきゃ」とひとり心細く、プレッシャーに苦しんでいました。

でも、そういう不器用な向き合い方自体も、自分の特徴の一つなのかもしれません。

20代の頃と違って、日々劇的に変化を感じられるような年齢ではなくなってきているからこそ、成長への焦りも失敗も自分が変化するための経験だなぁとチャーミングにとらえたい。そう思ったお茶の間会議でした。

 

(つづく)

お茶の間会議で取り上げてもらいたいテーマがあれば、ぜひこちらからご意見お寄せください

▼思いつきから始まった「お茶の間」プロローグ
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