【お坊さんのお悩み相談室】第22回:一度でも「無駄かも」と思うと、モチベーションが下がってしまいます。
編集スタッフ 岡本
家事や子育て、日々の仕事。私たちのくらしには、小さなことから大きなことまで「悩み」がつきものです。
「お坊さんに聞く、くらしのお悩み相談室」は、仕事や子育てなど、日々のモヤモヤを、お坊さんに答えていただく連載。 クラシコムのオフィスに「くらしのお悩み箱」なるものを設置し、スタッフのくらしの悩みを集めました。
お答えいただくのは、著書『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)なども人気の、浅草・湯島山緑泉寺 僧侶の青江覚峰さん。青江さん自身も、3児の父として、子育てにも奮闘中ということもあり、お坊さん目線、そしてひとりの親目線でお話ししていただきます。
一度でも「これ意味ある?無駄かも」と思ってしまうと、途端にやる気が下がってしまいます。例えば、「ジムに行こう!」と思い立ちしばらく通ってみたものの、運動後にお腹がすいてきて夜遅い時間にご飯を食べる。「あれ? 運動した意味ないかも」と、やる気が削がれて結局行かなくなってしまうんです。
日常の些細なことだけれど、ちょっと頑張らないといけないようなシーンでよくあります。どうしたらモチベーションを維持できますか?(スタッフH)
何かに取り組んでいれば、「これ、意味ある?」と感じてしまうのはわりとよくあることかもしれませんね。意味、あるのでしょうか。ないのでしょうか。
未来のことはわかりませんから、いくら考えても、誰にも答の出せるものではありません。
ジム通いの例で言えば、たとえ運動後の食欲に負けてしまったとしても、意外にも運動の効果がちゃんと現れて、理想の体型に近づけるかもしれません。あるいは消費と摂取のバランスが悪く、やはり期待していた結果には至らないかもしれません。どうなるかは、誰にもわかりません。
そうなんです。「先のことは誰にもわからない」。これだけは確実に言えることです。
でも、生きている以上、やる気が出ようが出まいが、常に選択と決断を繰り返しながら、前に進んでいくしかありません。こんなの無駄かな、意味ないかな、と迷いながらでも歩みを進めるしかないのです。
そして、そうやって進んだ先に、かならず未来が訪れます。どんな未来かはわかりません。ただ、こうしたい、こうなりたい、と思い描くイメージがあるのなら、そのためにできることをこなしていかなくてはなりません。
スタイルを良くしたいと思うなら、食事や運動の工夫を続ける必要があります。こんなに苦労してまでダイエットをするつもりはないよ、こんなにお金をかける気はないよ、というならやめていいでしょう。でも、目的がブレないのなら、遠回りしてもいい、一休みしてもいい、細く、くねった道のりであっても、歩みを止めるわけにはいかないのです。
もちろん、方向転換をしたっていいんです。これは無駄だ、意味がないと判断できるなら、スパッと見切りをつけて頭を切り替えたほうがいいでしょう。切り替えた先に、夢中になれるものがあるかもしれません。
ただ、どんなことであっても、先が見えない以上必ず不安はついて回るもの。そんなときは、眼の前の不安や迷いから少しだけ目線を遠くして、自分がどんな未来を思い描いてるのかを見つめてみるといいでしょう。
青江覚峰
僧侶 青江覚峰
浄土真宗東本願寺派 湯島山緑泉寺住職。米国カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。「暗闇ごはん」代表。超宗派の僧侶によるウェブサイト「彼岸寺」創設メンバー
▼これまでの連載はこちらから
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