【スタッフコラム】お茶の香りに夢中です。

編集スタッフ 鈴木

最近、気になっているものがあります。ズバリ、中国茶。

中国や台湾出身の学生時代の友人達が、お宅にお邪魔するたびにお茶でもてなしてくれるのです。

注ぎ口のないカップのような茶器、一口サイズの小さな飲杯。器を温めてからお湯を捨て、お茶を注ぐ滑らかな手つき。どうやら所作に決まりがあるようで、日本の茶道を思い浮かべて身構えた私に友人がひとこと。「リラックスしてお茶を楽しむのが茶藝だよ」。

音楽をかけ、時には冗談に笑いながらお茶の美味しさと香りを楽しむ幸福感に、瞬く間に虜になってしまいました。

中国茶と一口に言っても、白、黄、青……、と製造工程によって種類に色の名前がついているそうで、どうやら同じ茶葉でも1煎目か2煎目かでも全然味が変わってくるらしい。飲んでみると、香料はないはずなのに甘みやミルク感を感じるものもあり、烏龍茶とプーアール茶、くらいにしか味を分別してこなかった私は大いに常識を覆されました。

そして醍醐味はなんといってもその香り。

友人が淹れてくれるお茶では、淹れる前の茶葉の香り、お茶を注いだ後に残った茶葉の香り、そして淹れたお茶の香り、と、何度も香りを味わう手順があり、その度にどんな香りがするか話して共有するのです。

「どんな香りがする?」

そう聞かれて思い浮かべたのは、お花の香り、イチゴの香り、草原の香り、そして時には一面の麦畑、台湾の廟、裸足で歩く夏休みの廊下。

この香りはなんだろう?と考えているうちに、奥の奥にある記憶の引き出しを引っ張り出され、思いもよらぬ情景を描いている脳内に自分でもびっくり。なによりも、お茶ってこんなに豊かで様々な香りがしたなんて!

美味しいお茶で体を温めながらも香りを友人と共有する時間が、なんとも贅沢で豊かだなあとしみじみ思い、ついつい長居をしてしまうのでした。

そんなこんなで先日、出かけた先で飲杯が売られているのを見つけ、思わず購入してしまいました。

コップさえ揃えればあの香りが再現できるのでは、という安直な考えからでしたが、持ち合わせの急須と茶葉でいつもとかわらずにお茶を淹れてみてびっくり。ほんとうに、飲杯ひとつでいつものお茶が友人の淹れてくれるお茶のように香るようになったではありませんか!

もしや道具ではなく自分の心持ち?いや、でもきっと緻密に設計されているに違いない……。「お茶」という文化に思いを馳せ一服。友人にお茶を淹れてもらったときの幸せな気持ちが、自宅で一人で飲んでいる飲杯からも香ってくるようでした。

こだわらずに淹れたお茶でもこんなに香るようにしてくれた飲杯に敬意を抱きつつ、奥の深そうな中国茶の世界が気になっている昨今です。

 


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