【雑貨のはなしをしよう】お花のことで悩んだら。〈リューズガラス〉のフラワーベース
渡辺平日
仕事柄、友人から雑貨の相談をよく受けます。だいたいは頭の引き出しをガッと開けて答えますが、もちろん、即答できないこともあります。特に悩ましいのが花瓶。花瓶をチョイスするのってかなり難しいです。
個人的な意見ですが、花瓶はインテリアとしてだけではなく、道具としての役割を持っているように思います。つまり、「デザイン性と機能性を同時に求められる」ことが、その難しさに繋がっているのではないでしょうか?
……えーと、冒頭からずいぶんカタい話になってしまいました。そんなわけでいつも迷ってしまうけど、「これはまず間違いないね」と言えるアイテムもちゃんとあります。今回はそのなかから、オールマイティーに活躍してくれる一本を紹介しましょう。
シンプル。でも、ひとつとして同じものはない
こちらはリユースしたガラスを使った〈リューズガラス〉シリーズのフラワーベースです。溶けたガラスを竿ですくい取り、型に押し入れ、息を吹き込みながら成形する「型吹き」と呼ばれる手法で作られています。
ガラス雑貨は冷たい印象になりがちですが、人の手が多分に加わっているためか、このアイテムからはどこか柔らかいものを感じます。花をふんわりとまとめつつ、空間にしっかりと馴染んでくれるので、とっても使いやすいです。
形状や色合いに個体差があるのも特徴……というのはよく聞く表現です。しかし、これはほんとうにそうとしか言いようがありません。
以前、インテリアショップで働いていたときのこと。この花瓶を一度に20個ほど検品したのですが、わずかに形が違ったり色が薄かったりと、ひとつとして同じものはありませんでした。
同じものをいくつでも入手できるこの時代に、もしかしたらそれは一種の不便なのかもしれません。だけど、いや、だからこそ。「ひとつとして同じものがないこと」に僕は強い魅力を感じます。
「花のある生活」をグッと身近に
さて。花瓶自体の特徴としては、背が高く、口が広いことが挙げられます。
高さは約26cm。存在感を発揮しつつ、けっして目立ちすぎない絶妙なサイズ感です。上の方が程よくすぼんでいるので、扱いが難しい枝物もきっちりまとめてくれます。
開口部は約11cmもあり、大ぶりな花束もしっかりと受けとめてくれます。小まめに洗うものだから、手を入れて洗浄しやすいのも嬉しい。僕は手が大きいのでほんとうに助かってます。使いやすく、しかも手入れしやすいこの花瓶。「お花はむずかしい」と感じているすべての人におすすめしたいですね。
そうそう。雑貨を入れやすいことも大きなメリットです。たとえばフェアリーライトを入れこんでクリスマスの飾りつけにするのはどうでしょうか? テラリウムを楽しむのも素敵だと思います。
そういえば以前、なぜ「リユース」ではなく「リューズ」なのかと思い、展示会のときに質問したことがあります。話によると最初は「リユースガラス」と呼んでいたそうですが、より言いやすく「リューズガラス」と呼ぶようになり、そのままシリーズ名として定着したのだとか。
リユースがリューズ。なんだかあだ名みたいでかわいいですね。こういう背景を知ると、ますます愛着がわいてきます。これからもお花のことで困ったときはよろしくね。
……話にパッと花が咲いてきたところですが、今回はこのあたりで。次の雑貨のはなしでお会いしましょう。
本日登場したアイテム
【イラスト】イチハラ マコ
【写真】クラシコム
渡辺平日
日用品愛好家。海の見える小さな町で生まれ育ちました。毎日が平日のつもりで、日夜せっせと文章を書いています。趣味は町歩きと物件探しと民話収集。そういう話題が耳に入ると、反応して振り返ります。主な寄稿先は『LaLa Begin』『和樂web』『goodroom journal』など。Twitterアカウントは@wtnbhijt。
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