【雑貨のはなしをしよう】いそがしい朝にも、のんびりしたい夜にも。〈セラミック板焼き網〉があれば
渡辺平日
僕の朝はおいしいトーストからはじまります。だから、生活するうえでトースターは絶対に欠かせません。なのに家電を選ぶのが苦手で……これまで何回も失敗してきました。
特に印象に残っているのは、天面に鉄板がついていて、パンと一緒に食材も加熱できるのが売りというトースター。「これは掘り出し物!」と飛びついたものの、目玉焼きはくっ付くしパンは焦げるしで、なんともいえない気持ちになりました(フォローするわけではないけど、使いこなせば便利だったのかもしれません)。
そうこうしているうちにBALMUDAやAladdinが高性能のトースターを発売。ほしいなあ。でも、まだ買ったばかりだし、さすがに買い替えるのはむずかしそうだ。
……そんなある日。雑誌で「パンを焼き網で焼こう」という特集を読み、「これだ!」と購入したらみごとに大正解。そとはサックサク、なかはモッチモチのトーストを食べながら、思わずニコニコしてしまいました(ちなみに、トースターはグラタン専用機となり、その後も長く活躍してくれました)。
おいしいトーストをさらにおいしく。みっつのコツを伝授します
どうして「サクモチ」になるのかも調べまして。その秘密は「水分」にありました。
一般的なトースターはパンを上下からジワジワと温めていきます。そのあいだに水気が抜け、カサカサとした食感になってしまうのです。
一方、セラミック板焼き網ならば、表面を短時間で焼きあげることができます。おかげで水分がしっかりと残り、モッチモチになるというわけです。トースターと比べると手間はかかりますが、自分で様子を見ながらパンを焼くのって、不思議な充足感があってなかなか楽しいものですよ。
▲忙しい生活のなかで、ささやかだけど確かな充足感を得る……。それはとても大事なことだと僕は考えています。
ふつうに焼いても感動の味になりますが、もっとおいしく食べるために、僕はさらに研究を続けました。そこで得た「みっつのコツ」をみなさんにもシェアしたいと思います。
まずは基本から。より短い時間で焼きあげるため、パンを載せるまえに網を15秒ほど温めましょう。食材が網にくっつきにくくなるメリットもあります。
次に、焼く直前に霧吹きでパンを湿らせましょう。こうすればもっと柔らかくなりますよ。くれぐれも水をかけすぎないようご注意くださいね。
最後のコツ。「ゆっくりパンを食べていたら、裏側がシワシワになっていた……」。そんな経験はありませんか? それを防ぐため、トーストは木製の皿に載せるようにしましょう。木が余分な水気を吸い取ってくれるので、最後までおいしくいただけます。
これらのコツを意識すれば、だれでも至高のトーストを作れるようになります。すてきなパン・ライフをお送りくださいね。
「朝限定」にするのはもったいない
▲おつまみづくりにも重宝。さいきんは冷凍食品の焼き鳥を炙って食べるのにハマっています。
と、話はまだ終わりません。実はですね、それ以外のシーンでも大活躍してくれるんです。
たとえば、休日のお昼ごはん。「ゆっくりしたいから、今日はレトルトのカレーですまそうかな……」。そんなときは、冷蔵庫にあるナスやオクラを焼いてみましょう。あっという間に体にやさしい野菜カレーのできあがりです。
たとえば、仕事終わりの晩酌タイム。「疲れちゃったし、おつまみはなしでいいか……」。そんなときは、ウインナーやタラコ、さつま揚げなんかをサッと炙れば、お酒のアテがすぐに完成します。
いそがしいときも、のんびりしたいときも。セラミック板焼き網は頼もしい味方になってくれますよ。
▲小サイズは食パンがぴったり乗るくらいの大きさ。ちょっとしたスペースにも置きやすいです。大サイズは食パンとおかずが一緒に焼けるサイズ感。一度にたくさん作りたい人や、短時間で調理したい方はこちらがおすすめ。
このアイテムに出会ってから、青果店に行くのが楽しみになったり、買ったことすらなかった練り物を吟味するようになったりと、生活にちょっとした変化がありました。
こんなに小さな道具が、こんなにも影響を与えてくれるなんて。やっぱり雑貨って楽しいなあと思います。……さて、今回はこのあたりで。次の「雑貨のはなし」でお会いしましょう。
本日登場したアイテム
【イラスト】イチハラ マコ
【写真】クラシコム
渡辺平日
日用品愛好家。海の見える小さな町で生まれ育ちました。毎日が平日のつもりで、日夜せっせと文章を書いています。趣味は町歩きと物件探しと民話収集。そういう話題が耳に入ると、反応して振り返ります。主な寄稿先は『LaLa Begin』『和樂web』『goodroom journal』など。Twitterアカウントは@wtnbhijt。
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