【スタッフコラム】暮らしの工夫を重ねたい
編集スタッフ 中村
我が家の電子レンジには、オーブン機能がありません。
特段問題があるわけではないのですが、作りたいと思う美味しそうなレシピには高確率で「180度のオーブンで30分」などと表記があり、そのたびに肩を落としていました。
とある休日の朝、Twitterを眺めていると「トースターでできるクッキー」レシピが話題になっていました。オーブンを持っていない私にとって、トースターでお菓子が作れるだなんて夢のような話。
すぐさまベッドから抜け出し、キッチンで作業開始。小麦粉、バター、砂糖というシンプルな材料であっという間に生地が完成し、気がつけばトースターのダイヤルをひねっていました。
「本当にトースターで作ることができるのであろうか?」
レシピを吟味せずに作り始めてしまったことに気がつきます……
不安を覚えつつも、焼き上がるのをじっと待つことおよそ3分。トースターを開けると、ふんわりとバターのいい香りが広がり、思い通りのサクッとしたクッキーが完成したのです。
場所によって違う焼き色や、不揃いな形もなんだか愛おしい。
「前にもこんなことあったかも」
クッキーを食べながら、ふと思い出したことがありました。
今の家に引っ越してきたばかりのこと。Netflixで映画やドラマを見る機会が増えたことをきっかけに、プロジェクターが欲しくなりました。
どれを買おうかと、妄想ばかりが先行していきましたが、そもそも映せるような壁がないことが判明。諦めようと思っていたところ、
「天井ならば……!」
と思いつき、今に至ります。ベッドの真上の天井に映すことで、ソファーで見るより贅沢な気分に。
ケトルもそうでした。食器棚を見るたびに気になっていた、馴染まない白色の電子ケトル。なかなか欲しいデザインに出会うことができず、鬱々としていたとき。
「そもそも電気ケトルである必要ってあるのだろうか」
要は、湯が沸けばいいのである。一番の問題点である「デザイン」ばかりに目がいっていましたが、用途を見直してみると選択肢が大きく広がりました。
結果的に、シンプルなデザインのやかんを手に入れることが出来、機能面でも電子ケトルと大差なく使うことができています。
クッキーをきっかけに、いかに日常生活の中で固定概念に縛られているのかと気づかされました。視点、考え方を少し変えてみるだけで諦めずに済むことなんて山ほどあるのだと。
定番もいいけれど、ほんの少し立ち止まって「私ならどうする?どうしたい?」と私なりの暮らしの工夫を重ねていきたいと思います。
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