【靴の夏じまい】第1話:お気に入りサンダル、来年のためのカンタンお手入れ法
編集スタッフ 田中
シーズン終わり、サンダルはどうお手入れしたらいい?
まだ暑さの残る日々ですが、最近の気がかりは、いま活躍中のサンダルや靴のこと。そのうち履かなくなって靴箱にしまい、次の夏までそのまま……というのが、私・田中の毎年の流れ。
勇気を出して買った革のサンダル、このままでいいのかな? 長く履きたいからきちんとお手入れをしたい。そう思い始めたこともあり、靴修理のプロ「ミスターミニット」を訪ねました!
駅やデパート、ショッピングモールなどで見かけるミスターミニット。靴だけでなく、バッグや時計修理も受けてくださる頼もしいサービスがたくさんあります。
今回は、サンダルとスニーカーのお手入れを前後編でご紹介。自宅でできる方法やお店へ修理に出したほうがいい判断基準などをPR担当の長嶺(ながみね)さんに教わりました。
長嶺さん:
「ご家庭に革靴用のグッズがあれば、十分お手入れできます。汚れをきちんと落とせば、来年の夏も心地よく履けます」
第1話では、本革サンダルとその他のものに分けてお手入れ方法をご紹介します!
本革サンダルのお手入れ
簡単3ステップ
用意するもの
・ブラシ2本(なければ1本でOK)
・ウエス(綿の古布) 2枚ほど
・クリーナー(今回はムースタイプ)
・靴クリーム(保湿用を選ぶ)
・マスキングテープ(あればでOK)
※一部写真にうつっていないものもあります。
STEP1. 外側の汚れをかるく落とす
長嶺さん:
「まずはブラシでホコリや汚れを落とします。ブラシが1本しかない場合は、STEP3の靴クリーム用にして、汚れ落としはウエスでも構いません。
靴底の汚れもきれいにしましょう。水で濡らして固く絞ったウエスで十分落ちます」
STEP2. クリーナーで汚れをきれいに
長嶺さん:
「次に、クリーナーを革部分に塗ってウエスで拭き取りましょう。ムースだと一箇所にベタッと付かず使いやすいですが、いろんなタイプが出ているのでお手持ちのもので結構です。
中敷きがビニール製ならクリーナーを使って汚れを落としましょう。革の場合は、マスキングテープなどの粘着性が弱いもので、ポンポンとやさしく叩くようにして汚れを取ります。アッパーの革と違い、強い力で押し付けると表面の加工が剥がれることもあるので注意してください」
STEP3. ブラシで靴クリームを塗り込む
長嶺さん:
「靴クリームは、米粒3粒くらいの少ない量でOKです。革靴にのせるとこんな感じ。これをウエスで全体に伸ばします。今回は無色(ニュートラル)を使いました」
長嶺さん:
「靴クリームをのばしたら、ブラシでさらに塗り込みます。手早く動かしながら、力強く刷り込むと、革のなかにクリームが浸透していきます。
革の色が剥げてしまったら、色が付いているタイプの靴クリームを選びましょう。靴屋さん、または靴修理の店に靴を持っていくと適した色を選んでもらえます」
▲まだあまり使っていない革サンダルですが、お手入れ後(左)はこのツヤ!
合皮・ビニール製・アウトドア用は
汚れ落としだけで変わる!
次に革製以外のサンダルのお手入れ法です。革ではないため、今回は靴クリームは不要。ステップは1つだけ! 簡単です。
ブラシとクリーナーで汚れを落とす
長嶺さん:
「用意するものや手順は、基本的に革製サンダルと同じです。
最初に、アッパーやソールなど外側の汚れを、ブラシかウエスを使って落とします。靴底は水で濡らして固く絞ったウエスで。
次に、クリーナーでさらに汚れを落とします。中敷がビニール製ならクリーナーで、革だったらマスキングテープを使いましょう」
最終ステップは保管。「湿気をこもらせない」のがポイント
長嶺さん:
「サンダルのお手入れには、『来年の夏までの保管』も入ります。割と長く靴箱にしまうので、大敵は『湿気』です! 秋、冬、春はまだしも、梅雨の湿気でカビが生えてしまうことも。
お手入れ後は、袋や箱にいれずに靴箱に置くのが一番です。月に一回か二回は靴箱の扉を開けっ放しにする日をつくって、通気性をよくするといいでしょう」
中敷の汗や、カビはどうする?
サンダルの疑問を解決!
お手入れの他にも、夏特有の悩みやカビが生えたときは?など、当店スタッフから集まった疑問に答えてもらいました。
Q.汗が蒸れ、においが出るのが気になります
A. 同じ靴を毎日はかず、乾燥させればOK
長嶺さん:
「足の裏やつま先は、毎日コップ一杯分の汗をかくと言われています。本来なら汗は無臭なんですが、臭う理由は汗が乾ききっていないのに、また履いて汗をかいて雑菌が繁殖するから。
毎日同じ靴ははかず、せめて1日おきが理想です。乾かすときは、玄関のたたきかベランダに一晩おくのがおすすめ」
Q.アウトドアで、酷使した後は?
A.水洗いしてから陰干しだけでも十分!
長嶺さん:
「水に濡れてもいい素材ならば、ざっと水洗いで汚れを落として陰干ししておくだけでOKです。ベルトが壊れるなど破損があれば、靴修理にご相談ください。意外と直るものが多いんです。ミスターミニットではできうる限り補修を承ります」
Q.かかとが斜めにすれてきたら、もう寿命?
A.靴修理へ出せば、きれいに直ります
長嶺さん:
「かかと修理であれば、ほとんどが交換して直せます。ヒール部分は、木製に見えるものでもプラスチックの土台に革を巻きつけたものが多いので、その破れや破損であれば修理できます。
また、中敷も交換できるんです。次の写真のようにビニール製ではがせそうであれば可能です。ただ、底に圧着されている一体型のインソール*は難しいため、購入店に相談してみてください」
*一体型のインソール……ビルケンシュトックなどのブランド
Q.革製サンダルの雨とカビ対策は?
A.風通しのよいところで陰干しor修理へ
長嶺さん:
「雨に濡れたら、乾いた布でやさしく押さえながら拭き取ること。こすらないのがポイントです。その後は陰干ししてください。
また、梅雨があけ、いざサンダルを履こうとしたらカビが生えていたというのはよくあるご相談です。革の表面についたカビを取り除くだけでは不十分。中に深く根付いたカビの元は家庭ではなかなか除去できませんので、靴修理に出すのがおすすめです。
特殊な乾燥機にかけてカビを根絶し、長持ちにも繋がるのでぜひお店へご相談ください。
カビが生えた靴がひとつでもあったら、できれば靴箱からすべての靴を出して一度アルコール除菌シートなどで棚板を拭き掃除すると、他の靴にカビがうつるのを防げます」
来年も気持ちよく履くために
サンダルのお手入れって、革靴とは違うと思い込んでいましたが、実際は同じでいいですし、手順も簡単でしたね。
手持ちのお手入れグッズと、秋から春にかけて通気性に気をつけるだけで十分だとわかったことで、肩の荷がおりた気がします。
次の第2話では、スニーカーのお手入れについてお届け。意外なアイテムで復活する技をご紹介します。
(つづく)
【写真】木村文平
もくじ
長嶺 素義
ミニット・アジア・パシフィック株式会社にてPR担当。もともとアパレルメーカーに所属していたが、靴修理の現場に飛び込む。店頭で修理の現場を担当した後、本社にてPR担当。各地の店舗に赴き、いま必要とされている靴修理のニーズなどを巧みに汲みとり、サービス内容に生かしている。
HP内のミスターミニット公式ブログでは、さまざまなサービスやイベントの告知をしています。
→https://www.minit.co.jp/blog/
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