【スタッフコラム】ここでの暮らしを忘れない
お客様係 西野
このコラムを出すころ、わたしはちょうど引越しが終わり、新しい街での暮らしがはじまっています。
今は40平米のコンパクトな家で、寝室の半分以上を全面ピンク色の段ボールが占め、週末に引き渡し予定の家具などに囲まれて、落ち着こうにも落ち着かない日々を過ごしています。
実家を出てから5度目の引越しとなる次はきっと、自分の人生においてそれなりに長く住むことになるでしょう。6度目の引越しは、自分の人生のどんな節目でやってくるのか、全く想像つきません。
これだという物件にようやく出会い引越しが決まったときは、うれしい反面、6年間過ごしたこの街に対する寂しさが溢れてきて、よく近くの飲食店にごはんを食べに行き、「また来ればいいんだから!」と思えるようになりました。
ところが「あと残り◯日」とカウントダウンするにつれて、この家に対する愛着がズブズブと溢れてしまい、とてつもなくセンチメンタルな気分に。
この家に住む決め手のひとつだった、キッチンの明るさ。
狭くても気持ちいい空間がいいという願いを叶えてくれたのは、きっとこの高い天井のつくり。
いつの間にか生活音になった、隣に住んでいる方の足音と家の鍵についている(であろう)キーホルダーの音。
そして最後の約半年間、窓側にデスクを置いて毎日仕事をしているときに聞いていた、家の隣の学校の子どもたちの声。
こんなふとしたシーンすべてが自分の暮らしのピースとなっていた毎日。この家で過ごせてよかった。いつの日かこの家に誰かが住んだときも、楽しい暮らしになったらいいねなんて思ってしまうのだから、このセンチメンタルさは重症です。
完全に後ろ髪引かれモードの私の背中を押してくれたのが、新居のお隣に住む小さなふたりの姉妹。先日ようやくタイミングがあって挨拶できたとき、もじもじしながらニコッと笑ってくれた瞬間を見逃しませんでした。もしかするとこれは、きっと仲良くなれる予感です。
この先、どんな暮らしが、どんな人との出会いが待っているのだろう。そう思うと、ようやく少し前向きな気持ちで荷物整理ができるのです。
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