【スタッフコラム】はじめてだらけのキャンプ
11月のはじめ、生まれて初めてキャンプに行きました。
誰にとっての“はじめて”かといいますと、夫、私、そして息子。そう、私たち家族全員にとっての初体験でした。
にもかかわらず、経験者に同行をお願いするとか、アドバイスを求めることなどせずに当日を迎えてしまいました。
何でも「まあやってみたらなんとかなるだろう」と楽観視してしまうのは私の悪いところ……(反省です)。
幸いにも、道具をすべてレンタルできる初心者に優しいキャンプ場だったのでなんとかはなったのですが、また行きたいか?と問われると即答できないくらいには大変な2泊3日でした。
壁も床も……いつもある「あたりまえ」が全部ない
キャンプ場にたどり着いて気づいたのは、「寝床がない」という至極当然のことでした。
リビングもキッチンも寝室も自分たちでこしらえないといけない。「それがキャンプだよ!」と叱られそうですが、深く考えずに来てしまった私たちはその時点で直面し、しばし放心。
山は夜の訪れも早く、薄闇がすぐそこまで来ていたので、慌ててランタンの火を灯します。
「車中泊あるかも……」とつぶやきながらどうにかテントを組み立て終え、夕食準備に取り掛かるころにはあたりは真っ暗闇。手元がよく見えない中では、野菜を洗うのも切るのも一苦労でした。
夫と息子ががんばって起こしてくれた焚き火を囲み、何とか出来上がった参鶏湯スープがお腹に流れ込んできたとき、その温かさに心底ほっとして、ちょっぴり涙ぐんだほどです(笑)
疲れ果ててしまい、その日は早々に就寝。寝袋にくるまることすら手こずりながら、息子が風邪を引かないようブランケットをぐるぐる巻きにして眠りにつきました。
底冷えするテントの中で、スイッチひとつで明かりが灯りすぐに暖まる部屋を思い浮かべては、いつもどれだけ恵まれているのかを痛感する夜となりました。
最低限の暮らしが教えてくれたこと
▲必死だったためキャンプ中の写真がほぼありません(笑)帰路につく前に、ようやくゆっくり朝さんぽ
浅い眠りを繰り返し、ようやく朝。でも朝日を浴びて、近くの温泉施設で芯から温まったらすっかり生き返りました。
タープをしっかり張り直し、昨晩急ごしらえしたリビングスペースを整える。キッチン周りも動きやすいよう導線を作って。快適さを目指してあちこち夢中で動かしているうちに、巣作り本能なのでしょうか?元気がもりもり湧いてきました。
お塩とわさびだけで食べるお肉も、炭火の中で放っておいただけの焼き芋も格別の美味しさです。食材を食べきるために、残り野菜でカレーもこしらえて。足りないものはたくさんあるけれど、あるものを工夫して使い切るってなんて気持ちがいいんでしょう。
会話が止まれば、聞こえるのは風の通る音や、木の葉が落ちる音だけ。今を過ごすためのシンプルな行動に集中していると、不思議と余計なことが思い浮かばず思考もクリアになっていくようでした。
あぁこれがキャンプの醍醐味ってやつ?と少しだけわかった気になったりして。心の余裕が生まれたころにまた真っ暗な夜が来て、今度はやや穏やかな心持ちで眠りにつくことができました。
* * *
こうして終えたはじめてのキャンプ体験で、いつも身の回りにあったはずの暮らしが急にはっきりとした輪郭を帯びたような感覚をおぼえました。
火も、寝床も、食べ物もすべての始末を綺麗に見届ける。最低限のものでやりくりすることで、本当にやるべきこと、心地よいことだけが残る。それが自分が目指したい暮らし方のヒントになっている気がしたんです。
また行きたいか?と問われれば躊躇してしまうけれど、もう一度あの感覚を味わってみたい気もするから不思議です。
でも今度は身の丈にあった寝床付きのコテージで、もう少し暖かい季節に挑戦しようかな、と思っています。
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