【インテリアの楽しみ方】第2話:家じかんに飽きたときのプチ模様がえ

ライター 長谷川未緒

アンティークセレクトショップ「REFACTORY antiques」店主・渡邉優太さんに、古道具を取り入れて、自分らしいインテリアを楽しむ方法について伺っている本シリーズ。第1話では、お店を訪問し、古道具の選び方や、使い方のヒントなどを聞きました。

つづく第2話では、ご自宅を訪ね、気分転換にもなる部屋のプチ模様替えの方法や、お気に入りスペースの作り方などを拝見します。

第1話

 

植物を迎えて、インテリアをリフレッシュ

ご自宅はお店から徒歩圏内の静かな住宅街にある2階建ての一軒家です。築40年ほどの賃貸で、少しずつ修繕やリフォームを行ってきました。

渡邉さん:
「暮らしはじめて10年くらい経ちます。躯体(建物の構造)を変えるのは大変なので、好きなコーナーを作ったり、DIYしたりして、工夫しています」

最初に見せてくれたのは、リビング奥のサンルームです。自然光が燦々と降り注ぎ、植物がなんとも幸せそう。

インテリアにマンネリを感じたら、まずはちいさな鉢植えをひとつ迎えてみる。すると、生活感がある中にも、ほっとできるスペース作りに役立ちます。

渡邉さん:
「植物を置くときは、高低差をつけてリズムを作ると、ディスプレイしやすいと思います。切り花を買って飾ることもあるけれど、庭のものを切って置くことも多いです」

▲植物のお世話の方法は、詳しい人や買ったお店に聞きながら、少しずつ覚えたのだとか。

隣にキッチンがあるので、植物を眺めながら朝ごはんを食べたり、お茶を飲んだりしやすいように、L字型の動く棚受けに古材を据え、折りたためるカウンターを作り、雰囲気に似合う古いスツールも置きました。

渡邉さん:
「朝、ここにいると、気持ちよく1日をはじめられます」

渡邉さんにとって、植物と触れ合う時間は、気分転換と同時に、インスピレーションの源にもなっています。

 

リセットできる、お気に入りコーナーの作り方

渡邉さん:
「家で過ごす時間を快適にするには、僕にとってのサンルームのように、『自分に帰る』ための場所が必要だと思います。それはお気に入りの雑貨や家具でも作れるのではないでしょうか。

家は暮らすための場所なので、生活感はあっていい。そういう中で、好きなものだけを1か所に集めてディスプレイする台を用意したり、こだわって選んだ椅子やテーブルを置くコーナーを設けたり。

カフェのように、ちょっと喧騒から離れることのできる場所が家の中にあると、精神的な安息が生まれると思います」


▲コーヒーフィルターは、ワイヤーを折り曲げて作ったお手製のホルダーに入れて。

たとえば趣味を楽しむちいさなコーナーを部屋の中に作るのもおすすめ。渡邉さん宅には、リビングの窓際にコーヒーコーナーがありました。

渡邉さん:
「もともとサンルームに置いていたコーヒーミルをこちらに移動し、壁にフックをつけ、好きなコーヒーの道具を集めた場所を作りました。気持ちの良い窓際でコーヒー豆を挽く時間は、ほんのひとときでも、気分転換になります」

 

テーブルの向きを変えるだけでも、気分を一新できる

リビングに置いたこのテーブルでは、食事もすれば、打ち合わせや仕事もするそう。オンラインでミーティングを行うときなどは、テーブルの配置を変えて、オフィス仕様にすることもあると言います。

テーブルの下に敷かれたラグの端を持ち、収納棚が背になるよう、さっと方向転換して見せてくれました。

▲壁面には、自作の格子状の収納棚があり、アートブックや雑誌、雑貨などが飾られていました。

渡邉さん:
「ラグは部屋のアクセントにもなりますし、厚手で丈夫なものなら、家具を移動するときにも重宝します。

生活のしやすさはちょっとしたことで変わりますから、家具の配置は決めつけすぎないほうが自由度が高くて好きです。

僕は大掃除のときに、家具をぜんぶ庭に出すことがあります。掃除が楽になりますし、戻すときに配置を見直すいい機会になるからです」

家具を買い換えたり、がらっと模様替えしたりするのは大変ですが、テーブルの位置を変えるだけでも、ずいぶん印象が変わります。

渡邉さん:
「大物家具を動かしたりするのは難しいかもしれませんが、オブジェを置く場所を変えるとか、そういうちいさなことでも、気分が変わりますよ」

 

プロの家具選びのポイントは?


▲ダイニングテーブルとは別に、窓辺には丸テーブルと椅子が。古道具のちゃぶ台の短い脚を取り外し、アイアンの脚をつけたお気に入り。

渡邊さんはもの選びにおいても、いろいろな使い方ができることをポイントにしています。

渡邉さん:
「マガジンラックがついたサイドテーブルは、ダイニングテーブルをさっと片付けたいときに、やりかけの仕事の資料やコーヒートレーなどを置く、補助テーブルとしてよく使っています。

それだけでなく、ロッキングチェアの脇に置けばコーヒーテーブルに、丸テーブルのほうで食事をするときには、食材を置くワゴン的な使い方もしています」

インテリア全体が、何風と決められない、自由なムードに溢れていて、渡邉さんの個性に触れた気がしました。

渡邉さん:
「自分にとってのニュートラルは常に意識しています。古道具の存在がきらっと光ってアクセントになるほうがうれしいと感じる人もいると思いますが、僕はそこにあって意識しないようなものを選ぶことが多いです。

たとえば、リビングのロッキングチェアには、洋風を中和するようなシンプルなフットレストを合わせるなど、なに風となりすぎないようにバランスを取っています」

家具の選び方や配置の仕方を少し工夫するだけで、目先が変わり、家にいる時間が豊かなものになりそうです。

続く第3話では、間接照明や雑貨、季節のしつらえなど、もっと家を好きになるインテリアのアイデアを伺います。

(つづく)

 

【写真】MEGUMI

 

もくじ

 

渡邉優太

大学卒業後、「ザ・コンランショップ」やインテリア内装業、古道具の修理等を経て、2012年アンティークセレクトショップ「REFACTORY antiques」をオープン。国内外から古道具を買い付け、修理、販売をするほか、個人宅や店舗、施設等のリフォームや空間デザインなども行う。Instagram(@refactory_antiques)。3/3~3/16「新宿0丁目商店街 LE TEMPS」(新宿伊勢丹本館1F)参加、3/27〜28、4/17〜18「森と湖のマルシェ」(飯能メッツァヴィレッジ)参加

 

ライター 長谷川未緒

東京外国語大学卒。出版社勤務を経て、フリーランスに。おもに、暮らしまわりの雑誌、書籍のほか、児童書の編集・執筆を手がける。リトルプレス[UCAUCA]の編集も。ともに暮らす2匹の猫のおなかに、もふっと顔をうずめるのが好き。


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