【スタッフコラム】かわいい思い出のパワー
編集スタッフ 青木
頭の中にはいくつかの引き出しがある。
お気に入りの引き出しには「かわいい思い出」というタイトルがついていて、そういえば……と自分で開けることもあれば、何かのきっかけで勝手にポンっと開くこともある。
どちらの場合も中身を確認したあとはキラキラした気持ちになって、幸福値がアップする。
とある週末、ぬいぐるみと目が合った瞬間に引き出しの中からかわいい思い出が飛び出してきた。
パソコンのモニター越しに編集チームのみんなとおしゃべりしていた時のことです。
背景にお互いの家族がチラリと映り込む時間帯だったので、おそらく飲み会だったんじゃないだろうか。
同僚の3才の娘さんが、パソコンに向かってうさぎのぬいぐるみを見せてくれました。無言で。
「わぁ、かわいいお友だち」と言ったら、だいじにしているお友だちのみんなをせっせと運んで見せてくれるんですね、ひきつづき無言で。
彼女に「私にも、お友だちがいるんだ」と言って、サルとネコとチーターを紹介しました。
お互いに無言で、好きなものを見せ合ってただただニコニコ。ほんの数分、もしくは数十秒の出来事です。
けれど受け取ったときめきと情報量の豊かさから、いつもより時間がゆっくりに感じられました。
今思えばあれは、大事なものが似ている2人の、ぬいぐるみを愛するものどうしの、完璧なコミュニケーションだったんじゃないだろうか。
あの時はただかわいいなと思ったけれど、久々に思い出した今は、大事なものを躊躇なく見せてくれた彼女の姿に勇気と元気をもらっている。なんというか、1人じゃないと思えるのだ。
こんな感じで「かわいい思い出」は反芻するうちに味わいを増し、時間をこえて力をくれることがあります。
頭の引き出しには「嬉しくない記憶」の段もあって、なんで今?というタイミングで開いてどんよりした気分になることもあるけれど、できることなら思い出して嬉しくなるようなことを多めに集めていきたい。
そのことは今日や今を大事にしたいと思う気持ちに直結していて、少し先の未来にいる自分を助けてくれるような気がする。
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