【スタッフコラム】先生に感謝を込めて

バイヤー 小西

「きっと大きくなったら、先生のこと忘れちゃうんだろうな」

卒園間近、楽しそうにじゃれあっている子供たちを見守りながら、担任の先生がぽつりと言ったのが忘れられません。

通った園は小規模保育所だったため、3歳で転園することになっていました。

確かに3歳までの記憶って、大人になってしまうとなかなか、というか、私は全く思い出せないのです。

いつも明るく、子供と同じ目線で向き合ってくれるその先生は、子供たちからの人気が高く、私もその姿を、密かにお手本にしていました。

妹ができて、急にお姉さんになってしまった娘の気持ちをフォローしてくださったのも先生。

新米ママで、ちょっとしたことでもあたふたする私は、あらゆる場面で助けてもらいました。

娘も先生が大好き。転園してからも、会えるかもしれないからと、先生が通りそうな、駅から園までの道を通るのが、新たな通園ルートになったほどでした。

私たち親子にとって、感謝するしかない先生が、寂しそうだったのが、とても悲しかったのです。

 

私の両親も共働きで、幼いころは保育園へ通っていました。お迎えは遅めで、いちばん最後になることも。

でも不思議と寂しかったという記憶はなくて、先生と二人で、季節ごとに変わるホールの飾りつけをしたり、掲示板におたよりを貼り付けたりと、お手伝いできる特別感がうれしかったです。

他にも、クリスマスにサンタさんが来てくれて興奮したことや、お昼寝前に読んでもらった『おしいれのぼうけん』が怖くて眠れず、先生が添い寝してくれたこと。

園庭に咲くサルビアの先っぽをとっては蜜を吸っていたし、給食にでてくる動物型のチーズがお気に入りでした。

気づけば、保育園でのできごとばかり思い出されます。

園に入る前(3歳くらい)や、家庭での記憶のほうがずっと曖昧なくらい。

 

さて、娘の場合はどうでしょうか。

やっぱり大きくなったら忘れてしまうのかもしれません。

覚えていても、それを伝えられないかもしれないです。

でも、たくさんの愛情を注いでくれたこと、様々な経験をもらったことは、娘の成長の一部であることに間違いありません。

私は覚えてますよー!と叫びたいくらいですが(母じゃダメですよね……)

この春、6歳になった娘は本当の卒園を迎えます。

今は、出産し退職された先生。一緒に過ごした子供たちのことを、どこかで思い出してくれていたらうれしいなと思います。

 


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