【年をとるって、いいもの】79歳で始めた、あたらしい仕事。「call」スタッフ・小畑滋子さんのパワーの秘けつ
編集スタッフ 奥村
何かをあたらしく始めるのは、いつだって勇気がいるもの。
年を重ねて尚更に、いろいろな理由を並べては、挑戦することに臆病になっている自分がいます。
そんな時に知ったのが、ファッションブランド、minä perhonen(ミナ ペルホネン)が営むお店「call」で働く85歳のスタッフ・小畑滋子(おばた しげこ)さん。
彼女がショップ店員の仕事を始めたのは、79歳の時のこと。雑誌で見かけた求人に、思い切って応募してみたのが始まりだといいます。
彼女の背中を押したのは、どんな動機だったのでしょうか。
昔からずっと、洋服が大好きでした。
小畑さん:
「わたしが若い頃は、既製品のお洋服が今より多くなかったので、洋服作りが自然なことでした。
子供の頃から、やっぱり洋服が好きだったんです。母の着物をほどいてスカートを作ったり、綿のワンピースを縫ったり……好きが高じて、洋裁学校に通うようになりました」
その後、結婚後、友人に誘われたのをきっかけに洋裁教室の講師の道へ。教えることにも楽しさを感じ、気づけば25年も続けてきたといいます。
小畑さん:
「デパートの中にある洋裁教室に勤めていたので、お仕事の後は、そのデパートで(洋服の)ショッピングをするのが楽しくて。
そこで上質なブランドの、仕立てのいいお洋服に触れることができたのは、今の仕事にも生きているかもしれません」
諦める前に、いちどトライしてみたらいい。
小畑さん:
「ある雑誌で『call』のスタッフ募集の記事を見つけたんです。『100歳でも、心身ともに健康なら大歓迎』というお話だったので、応募してみようかと思いました。
そのとき79歳で、できるのかどうかはやっぱり悩みました。でも、最初から諦めるより、トライしてみたらいいじゃないですか。ダメだったら、そこで諦めればいいわけだから。
あの時勇気を出してみてよかったと、今はすごく思っています」
callで働き始めて5年半。接客の仕事ははじめての経験だったからこそ、日々学ぶことも多いそう。
お客さまとの距離感を意識しながら、コーディネートをおすすめするなど、少しずつ自分なりのやり方を探していくのが楽しいと、小畑さんは話します。
似合うものは変わっても、服が好きな気持ちは変わらない
プライベートでも、おしゃれが好きなのは昔と変わらないまま。年齢と共に変化する自分に合うものを、次第と選ぶようになったそうです。
小畑さん:
「昔と比べて、似合うものが限られるようになってきたなとは感じます。トライできるお洋服の幅も、狭まってきてしまいました。
だからって『着るものはいつもどうでもいいわ』とは思わない。楽しむ気持ちは変わらずに持っていたいんです。
たとえばロング丈のスカートは、今のわたしには危なくて着られない。だから代わりに、動きやすいデニムなどのパンツスタイルを楽しんでいます」
着ることが好きな気持ち。年を重ねても変わらないその芯の部分は、今も小畑さんの中で、キラキラと輝き続けているようです。
年をとるって、いいものです
小畑さん:
「若い方から見れば、79歳って相当な年齢だと思うかもしれません。でも、これで人生終わりっていうわけではないですし、家でじっとしているのは寂しいでしょう?」
もちろん、できないことも沢山出てきますけれど、そんな時はくよくよ考えすぎないで、潔く諦めればいい。
できる範囲で努力して、わたしはわたしなりにベストを尽くそうと。年を重ねるにつれ、昔よりそう思えるようになりました」
だから「年をとるって、いいものです」と笑う小畑さん。
その言葉には、今のわたしを肯定し、そして少しだけ背中を押してくれるようなパワーがありました。
インタビューの最後に書いて頂いた、そんな彼女が大切にしている「想い」とは?
続きは、YouTubeで公開している動画『うんともすんとも日和』でご紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。
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小畑 滋子
東京・青山にあるminä perhonen(ミナ ペルホネン)のショップ「call(コール)」ショップスタッフ。現在は主にヴィンテージ売り場で、洋服や雑貨の販売、接客の仕事に携わる。callの公式Instagram:@call.jp
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