【花と緑を我が家に】01:いちにち1分、愛でてみよう。フラワーショップ店主 布山瞳さんに聞く「グリーンのお手入れ」
ライター 嶌陽子
見るたびに心をほっと和ませてくれる花やグリーン。もっと積極的に家に迎え入れたいけれど、上手に世話できるかどうか、センスよく飾れるかどうか、いまひとつ自信がありません。
そんな時、「普段からどんなふうに花やグリーンと暮らしているんだろう?」と知りたくなる人がいました。フローリストであり、東京・世田谷区にある花と緑のアトリエ「malta」店主の布山瞳(ふやま ひとみ)さんです。
maltaのインスタグラムを見るたびに心惹かれる、はっとする色づかいの花束やナチュラルな雰囲気の店内。布山さん自身は暮らしの中でどのように花やグリーンを楽しんでいるのでしょう?
そこで今回、布山さんのご自宅にお邪魔することに。植物との付き合い方や飾り方、お世話の仕方のコツ、おすすめの道具などを全4回にわたってお届けします。
1回目は布山さんが育てている観葉植物とその楽しみ方を見せてもらいました。
布山さんは夫と小学生の息子と家族3人暮らし。自宅の建て替えに伴い、都内にある集合住宅で仮住まいをしています。
仮住まいといえども、お家には一緒に越してきた植物がたくさん。空間を生かしながら、居心地良くグリーンが置かれていました。
リビングでもまず目を引くのがさまざまな植物。床に置いてある大ぶりなものから吊るしてある小さめのものまで、さまざまな種類の植物があることでリズムが生まれて部屋全体が生き生きとしています。
グリーンの配置のコツ、お手入れ法などを詳しく聞いてみました。
「高低差」を意識するとバランス◎
布山さん:
「グリーンを複数置く場合は、高低差をつけて並べると、こなれた雰囲気になると思います。吊るせない場合は、背の高いものの足元に背の低いものを置くのもおすすめ。
その際、葉の色やかたちが違うものを組み合わせると、見栄えがよくなります。
背の低い植物が2つある場合、1つはスツールの上に置いて高さを出してもいいですね」
▲高低差をつけて並べたカラテア(左)とチランドシア(右)。「グリーンが2つ家にある場合は、全く別々の場所に置くよりもお互い近くに置くと絵になりやすいです」と布山さん。
布山さん:
「植物にとっては適度に陽が当たる場所が基本的には良い位置です。明るすぎず、暗すぎず、カーテン越しの明るいところがちょうどいいくらい。
植物は置かれた環境に順応してきます。一度葉を落としてもまたつける種類もあるので、あまり一喜一憂して頻繁にあちこちに動かしすぎない方がいいですね」
▲寒い時期に一度葉を落とすウンベラータ。暖かくなると再び芽を出す。
▲浴室に置いたモンステラ(上)とアンスリウムの鉢。「光と風通しがあれば、浴室でも鉢植えを置いて楽しめることも。我が家でも実験中です」
観葉植物の葉っぱをもっと楽しむには
▲ハンギングタイプの花瓶をマグネットフックに吊るして。
さまざまな鉢植えが並んでいる中、花瓶に生けられた葉っぱがありました。
布山さん:
「鉢で育てているモンステラの葉を切って、水に生けているんです。もうこれは3〜4ヶ月もっています。水替えもそれほどこまめにしなくても大丈夫」
▲キッチンでもフィロデンドロンの葉を水に生けて 。
布山さん:
「葉が伸びてきた時に剪定したものを生けてもいいし、『ここに少し緑がほしいな』と思った時にちょっと切って生けても。鉢植えよりもお世話がずっとラクなので、おすすめの楽しみ方です。
茎から根が出てくるので、数ヶ月楽しんだあと再び土の中に植えるとまた育つと思いますよ」
お手入れのコツは「毎日愛でる」こと
水やりや、霧吹きで葉っぱに水をやる“葉水”など、タイミングが難しそうに思えるグリーンのお手入れ。布山さんは普段、どうしているのでしょう?
布山さん:
「葉水は毎日ではなく、気が向いたらしています。
季節によっても乾燥の度合いは全然違いますよね。夏場は湿気が多いのでそんなに頻繁にしなくても大丈夫だけれど、冬は部屋の空気が乾いているので頻度は多くなります」
布山さん:
「水やりは、土を触ってみて乾いていたらたっぷりあげます。触ってみないと乾燥具合が分からないので……。表面が乾いていても中はまだかなり湿っていることもあるので、私はけっこう中まで手を入れて確かめます。
水やりや葉水の頻度が気になる方も多いと思うのですが、季節や置かれている環境によって本当にさまざまなんです。
だからよく観察したり触ったりすることが、頻度を知る一番の近道。葉っぱをちょんちょんって触ったり土に手を入れたり、かかる時間は合計1〜2分。そうやって毎日 “植物を愛でる” 習慣が身につけば、お手入れのタイミングも少しずつ分かってくる気がします」
布山さん:
「植物は生き物だから、日々変化します。毎日見ていると、新しい葉っぱが生えてきたのを発見して嬉しくなったりすることも。そうやってグリーンを愛でることを楽しんでいけたらいいですよね。
もちろん、元気がなくなってしまったり、枯れてしまったり、うまくいかないことは私にもあります。でも失敗したらまた試してみればいい。あまり身構えず、気楽に植物と付き合っていってほしいなと思います」
飾るものというより、一緒に暮らしていく仲間。そんな気持ちで付き合っていければ、グリーンを育てる喜びもさらに大きなものになりそう。布山さんの話を聞きながら、そんなことを思いました。
次回は切り花の飾り方や生け方のコツなどについてお届けします。
【写真】メグミ
もくじ
布山瞳(ふやま ひとみ)
フローリスト。花と緑のアトリエ『malta』店主。撮影、店舗装飾、ウェディング装飾なども手掛ける。季節感や色彩、素材の調和を大切に、暮らしを豊かにする提案をしている。Instagram:@maisonmalta
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