【クラシコムのしごと】みんなにとってフィットする組織であるために。まだ見ぬ誰かとの “繋がりしろ” をつくる仕事

編集スタッフ 藤波

開店15年目を迎えた「北欧、暮らしの道具店」。

徐々にスタッフも、チームも、新しいお客さまも増えてきたこともあり、あらためて当店で働くスタッフの現場を、不定期の連載「クラシコムのしごと」でお届けしています。

今回は、クラシコムという組織全体を支えている、人事企画室の2人に話を聞きました。

 

人事企画室の2人に集まってもらいました

人事 金(きむ)/ 写真左
2020年入社。前職までは教育関連の会社で人事業務と事業側のマネジメントを半々くらいに経験していた。当店との最初の出会いは、8、9年前。お客さま時代はとにかく商品ページを見るのが大好きで、よく買い物もしていた。

広報 馬居(うまい)/ 写真右
2021年入社。前職はネットショップ作成サービスの会社で、クラシコムとは創業時より関わりがあった。2016年にフリーランスになりクラシコムジャーナルの立ち上げに参加。その後入社して現在は広報担当に。

全く別のキャリアを歩んできた2人。クラシコムに入社するきっかけは何かあったのでしょうか?

金:
「入社前から当店での買い物を楽しんでいましたが、クラシコムジャーナルで働き方にまつわる記事を読んだことがきっかけで会社としても興味を持ちました。

更にぐっと惹きつけられたのは『青葉家のテーブル』の映画化だった気がします。ドラマがあること自体は知っていましたが映画?と驚いて、初めてYouTubeを覗いてみたら、ものすごく自分の好きな世界が広がっていて。

んなにも心を揺さぶるコンテンツが存在していたんだ……と衝撃を受けて、クラシコムは色んな可能性を秘めている場所だなと思ったんです。そうして段々と、自分も中から一員として支えられたらいいなという気持ちに変わっていきましたね

馬居:
「私の場合は、前職の取引先として関わりがあったので創業時からクラシコムの存在は知っていたんです。当初からビジネスの仕方が特徴的だったので、『なんだこの会社?』という興味はずっと持っていました。

そんな中で代表の青木と店長の佐藤にインタビューをする機会があったのですが、とにかく2人が今まで関わってきた大人の中で抜群に元気で。それに衝撃を受けてさらにもっと知っていくと、社員もみんな健全で楽しそうに働いていて、ものすごく強い組織だなと思いました。

前職を辞めてフリーになったタイミングで、 “フィットするビジネス、働き方” というテーマでメディアを立ち上げてみようと話があり、縁あってクラシコムジャーナルを担当することになりました」

クラシコムジャーナルはこちらから

 

どんな仕事に取り組んでいますか?

金:
「主に採用と組織開発に関わっています。

採用はイメージしやすいかと思いますが、組織開発は新入社員のオンボーディングだったり、評価制度の運用、給与テーブルの改定など、社員が健やかに働くための土台をつくる業務という感じでしょうか。

あとは、管理部と連携して社員の勤怠や制度まわりなどの労務管理も担当しています」

▲2022年10月にクラシコム初の下着カテゴリーの商品を発売。その際のプレスリリースも馬居が担当しました

馬居:
「クラシコムの取り組みを外部に向けて発信するプレスリリースと、各メディアからの取材の窓口をしています。

広報が発信するものを読んでくださるのは、お客さまだけでなくクラシコムのビジネスや働き方に興味がある方全般、つまり未来の社員やお取引先も含まれているんです。

なので、そういう方たちとの最初の接点を持つ役割かなとは常に思っています。私は人事企画室といいつつ、人事の仕事を直接しているわけではないけれど、発信した記事が採用に繋がったり、その手前でビジネスとして面白がってもらえたらいいなあと日々考えています」

 

 “繋がりしろ” を持ってもらうために

組織の全体を見ながら、社内外問わず色々な人と接する2人。働く中で大切にしていることを聞いてみました。

金:
「採用で大切にしているのは、会社の行動指針でもある3つのバリューです。センシティブ・チャーミング・オルタナティブ、日々みんなが言葉にしているわけではないけれど、大切な価値観として根付いているように感じます。

まずは仕事をする中で自分や周囲が感じていることをセンシティブにキャッチできること、そしてそれをどう取り扱っていくか。

違和感で必要以上に不安になってしまったり、それに飲み込まれてしまうのではなく、丁寧に考えたり、周りとコミュニケーションをとって『こんな風にしたらいいかも』と希望を持ちながら向き合うことができるチャーミングさ。

そして、その積み重ねでより良いアイデアが生まれたり突破口が見出せたり、新しいチャレンジを続けることで、オルタナティブな成果に繋がっていくのだと思います。

そういうバリューを自然と自分のこととして、いいなと思えたり向き合うことができる方と出会えたら嬉しいですし、そういう自分、自分たちで在り続けたいなと思っています」

馬居:
「私は広報なのでもうちょっと広い視点と言いますか。きっと世の中には “センシティブ・チャーミング・オルタナティブ”  という言葉のまま意識している人はそれほど多くないし、私たちのミッションである “フィットする暮らし、つくろう。” という言葉も思い浮かべたことがない人が大半だと思うんです。

クラシコムの取り組みを伝えたいと思ったときに、私たちがやっていることを面白いと思ってくださったり、なんかこの人たち信じられるかも、みたいに思ってくださる方がどこにいるか分からないんですよね。

ですから、大袈裟なことではなくて、私たちの発信に対して『お、また何かやってるぞ』と思ってくれる人が1人でも増えたらいいなあと思うので、『私たちは、私たちのこういうところを面白いと思っています』っていうのをきちんと伝えようとはしています」

金:
「 “繋がりしろ” をいかに色んな方に持ってもらえるか、という感じですよね。

あとは人事として、 “フィットする暮らし” をお客さまに発信していく社員自身が、フィットしているって日々思いながら仕事ができるような環境、組織であることを大切にしたいといつも思っています」

 

人と向き合うことは、自分と向き合うこと

聞き手である私・藤波は、入社5ヶ月目の新人。編集チームに入り日々読みものをつくる中で、取材などではじめて会う方にお話を伺うことの難しさを感じていました。

おそらく社内の誰よりも多くの人と話す機会がある2人に、心がけていることを聞いてみました。

金:
「一つは『正直で在りたい』ということでしょうか。自分が嘘をついていないか、無理をしていないか、よく見せようとしていないか……等身大で誠実さを持って関わりたいと思っています。

とはいえ、コミュニケーションをとった後に、あれでよかったのかな?とモヤモヤしたり反省することも常にありますよ。

どこかでちょっとよく見られたいと思って気負ってしまった? 先入観なく聞けていた? そんな風に自問自答して振り返る毎日です」

馬居:
「私もこれまで、編集や広報はもちろん、全く知らないところから始めた仕事をたくさんさせてもらいました。

だから怖くなってしまうこともありますが、『みんな人だ』というのはいつも自分に言い聞かせていますね。もちろん私も人です。

私には暮らしがあって、私の後ろにはクラシコムがあって事情がある。お仕事でご一緒する相手にも会社があって、暮らしがあって、事情がいっぱいある。

誰かが無理していいわけではなくて、みんな一緒でみんな違う、みんな人間だと思うようにしています。そうするとむやみな期待はせず、相手にも期待させてしまわないよう正直に自分の状況をお伝えできるようになる気がします」

 

クラシコムという組織について、いま思うこと

金:
「過去のうまくいったことをさらりと手放して、 “今” 、お客さまや私たち組織はどうかを解像度高く見て、必要であれば変えていく。そんな組織だなと感じています。

だからこそ、人事としては “フィットする暮らし、つくろう。” というミッションに向けて社員が “今” に注力できるよう、力を発揮する上で阻害要因になるものを減らしていくようなイメージで健やかな組織づくりを心がけています。

よくよく観察して、もし働く中で困りごとが生じているのであれば、その原因ってなんだろう?っていうのを考えて、今できること、将来的にやりたいことを整理しながら一つずつ対処しています。

組織開発と言っても本当に派手さはなくて、地道によくよく観察して、聞いて、少しずつ整える。そんな感じでやっています」

馬居:
「 “フィットする暮らし” を考える上で、 “フィットする仕事” も大事だと思うんです。ただ社員一人ひとりの事情は違うし、会社もどんどん変わっていく。だからこそ、自分と仕事がフィットし続けるためには常に今の状況を見て探らないといけないですよね。

例えば、今クラシコムって子育て中の社員がすごく多くて、私自身もそうなのですが。今自分ができるベストを尽くしながら、柔軟に対応していこうという姿勢を感じます。

子育てに限らず、色々な状況によって “フィットする仕事” も変わっていくと思うのですが、各々が考え続けることで、自分のようなお客さまに向けて『今こういうものがあったら嬉しいんじゃないか』というアイデアも生まれているんだなと思うんです。

そういうところがクラコムらしいなあと思いますね」

金:
「確かに、転職してから『考える』ことが随分鍛えられた気がします。

入社して、さっき話したように健やかに働く上での阻害要因が取り除かれているので、うまくいかなかったときに、言い訳をしたり誰かのせいにしたりとかの要素がどこにもないな、と感じたことがあって。

いつだって自分の未熟さと向き合いながら、次はどうすれば良いかを考え続けている気がします。 “健やか” とはいえ、 “楽” とはまた違った感覚ですね(笑)」

馬居:
「たしかに考え続けることは楽ではないけれど、その先に見えてきたことが、巡り巡って誰かの役に立つってなんとなく思えるのは、ありがたいことです。 “今” に本気で向き合うことで、未来の誰かの希望に繋がると思える。

だからこそ、みんな “今” にフォーカスできるのかもしれないですね」

***

私自身のお客さま時代を思い返すと、どんな人たちがどんなことを考えて働いている会社なのだろうと想像を巡らせていたのですが、今回のインタビューではまさにその裏側を覗いたような感覚でした。

編集スタッフである私は直接的に仕事を一緒にする機会はあまりないものの、不思議と何でも話せてしまう、とっても心強い人事企画室の2人。

大切にしている視点はそれぞれ違いつつも、「変わらないために変わっていくこと」をおそれずに、お客さまやスタッフ、組織全体に自然体で向き合っている姿がとても印象的でした。

次回はどんなチームが登場するでしょうか。楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。

 


もくじ


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