【特別インタビュー】俳優・小島聖さんの、ずっと好きな「おしゃれ」の話。
編集スタッフ 二本柳
シーズンのはじまりにお届けする当店オリジナルボトムス、今年も新作をご紹介する季節がやってきました。
モデルとして出演いただいたのは俳優の小島聖さんです。
昨年に引き続き、私たちの自信作となるボトムスを、さらりと格好よく穿きこなしてくださいました。
一年前のインタビューでは、根っからのおしゃれ好きな一面が印象的だった小島さん。
自分のことをよく知っていて、それゆえ身に纏うものがいつだって「らしい」スタイルになってしまう。センスがいい人の共通点かもしれません。
そんな小島さんが当店のテーパードパンツを私服で自由に着回すならば……どんなスタイルが完成するのでしょうか。
私たちのリクエストに快く応えてくれた小島さんのコーディネートをご紹介します。商品ページはこちら
ベージュのグラデーションでつくる
小島聖さんの定番コーデ
小島さん:
「ボトムスのシルエットがウエストから綺麗に出せるように、シンプルなコーディネートに決めました。
私、ベージュや白が好きで。普段からそんな色ばかり着ています。
ベージュと言っても濃淡があるでしょう?そのグラデーションを纏っているのが好きです」
▲ブラウスは「ドリス・ヴァン・ノッテン」、シューズは「MARTINIANO」
小島さん:
「昨年のボトムスはストレートだったので、よりカジュアルな印象だったけれど、今年はテーパードですね。カジュアルにも、清楚にも、両方の装いに合いそうだなと思いました。
だから白のTシャツも持ってきてみたけれど、大人っぽくシャツで合わせる方が素敵かなって。
首まわりは、程よく開いてるVのデザインを。この歳になると、あまり詰まってるよりも、このくらいの開き具合がかえって上品かなと思うんです。
なにより自分の居心地がいいから」
着こなしのポイントは「自分の居心地」
この日、小島さんの口からよく聞いた「居心地がいい」という言葉。
ファッションが大好きなお母様に育てられ、10代の頃から仕事を始め、人一倍に洋服と触れてきた。そんな小島さんが、今とても大切にしていることが、この「居心地がいい」というモノサシでした。
小島さん:
「ベージュが好きなのも、自分の居心地がいいから。
若い時はもっと斬新な色やデザインも着てみたけれど、結局手元に残ったのが、この色だった。
似合ってるかどうかは分からないです。でも、私にとっては黒や紺よりも、ずっと心地いいです。
居心地がいいって、着心地がいいともちょっと違って……その時の気持ちに服がフィットしてるかどうか?ってこと。
だからヒールよりもスニーカー、ボトムスはデニムが定番でした。でも最近は綺麗なスタイルにも自然と目が向くようになって、幅広のボトムスなども手に取るようになりました。
歳を重ねて見えた景色というか、ここ数年の変化ですね」
そんな小島さんの首もとで、繊細に揺れていたのがゴールドのネックレス。
20代の頃にパリで購入し、長年愛用しているマリーエレーヌ ドゥ タイヤックのものです。
小島さん:
「アクセサリーってあんまり持ってないんです。ピアスも開いてないし、イヤリングもしない、リングもほとんど付けない。
お店で見て『綺麗だな〜』とは思うけれど、見て終わってしまいます。
でもこのネックレスは、付けたままシャワーも浴びちゃうし、ラフに付き合い続けられる。だから私には珍しく、毎日のように身につけていられるものです」
ベージュのグラデーションで合わせていた靴も、上品ながら履き心地の良さそうなフラットシューズ。
そして30代の頃から大切にしているというJ.M. WESTONのローファーも、やはり小島さんが居心地よく1日を過ごすために欠かせないアイテムだとか。
小島さん:
「靴はどうしてもスニーカーばかり履いてしまう……。大人っぽくヒールも試してみたけれど、疲れちゃってダメ。そんな時にパリのお店でこの靴に出合いました。
『あ、ローファーならシックな気分でも、日常でも、どちらでも履ける。すごくいいな』って。足が全然疲れないんです。
大事な一足ですが、靴を自分でメンテナンスするのは得意じゃないので定期的に靴屋さんで綺麗にしてもらっています。
さっきのネックレスも、昨年はじめてクリーニングに出したら見違えるように綺麗に。そうするとまた魅力を増しますよね」
10年以上、なぜか手元に残るものがある
小島さんの愛用品には、10年、20年ずっと手元に残っているものがたくさん。
でも聞けば、大の買い物好きで、日々片付けとの戦いというからびっくりです。
小島さん:
「何もかも大事に残っているわけではないんです。
定期的に断捨離をしてますが、『何年も使ってないから』という理由では手放せないものがあります。
『今』は似合わない、居心地が良くない、そんなものも、流行り廃りのないアイテムは手元に残り、いつかまた出番がやってくる。
私は流行も大好きだけど、10年以上残るのはクラシックなものばかりでした」
小島さん:
「これはTEMBEAのバッグで、10年くらいかな。元々は白だったのですが、だいぶ汚れちゃって全然使ってなかったんです。でも捨てられなくて。
そうしたら花屋さんで、お店で出た花のロスを使って『染め直し』をしてくれるサービスに出合いました。
定期的に募集しているので持っていったら、私もすごく気持ちがよかったし、バッグも息を吹き返して再び愛用するようになりました」
小島さん:
「とくに古い付き合いは、時計かな。左のトッポ・ジージョは、幼少の頃に両親からプレゼントされたもの。
特別にお気に入りだった記憶も残ってないのに、なぜだかずっとアクセサリー入れにしまっていて。幾度もの断捨離を乗り越えてきました。
でも最近、子どもが時計が分かる年齢になったので譲りました。あぁ、子どもが生まれるって、こういう流れが作れるんだなって。最近の発見です。
右のロレックスは、私が生まれた1976年に作られたもの。20代の頃に頂いたもので、今が一番似合う歳になったと思います」
▲この日穿いていたデニム(Levi’s 501)も、なんと20代のお買い物!体型維持のバロメーターになっている
小島さん:
「20代の頃って、いま思えば派手でしたよね。10代から働いていたから自分に投資できるお金も時間もあって、無理をしてでも手に入れたものがたくさん。
当時、背伸びをして買ったものが『今』になってやっとしっくりくるようになりました」
ここから永く付き合いたいのは、自分の中にある「言葉」
何十年も手元に残ってきた愛用品たちのように、小島さんには、大切に付き合い続けたいライフワークがあります。
昨年は3つの舞台に出演し、俳優としても多忙を極める一方で、オリジナルの紙芝居を作り、朗読する活動を続けているのです。
始めたのはコロナ禍。画家の平松麻さんと出合い、平松さんが絵を描き、そこへ小島さんが声をのせることに。 “声と色の実験室” がはじまりました。
小島さん:
「私も麻さんも、元々『言葉』は持っているタイプでした。
でもその言葉を、ダイレクトに人に伝えることが得意な人もいれば、そうでない人もいて。
私たちは自分たちの中にある言葉を『自分の言葉』として人に伝えることは苦手でした。だから麻さんは絵を描いたり、私は舞台に立ったり、何かを介した方が喋りやすかった。
紙芝居も、その一つなんです」
(撮影:黄瀬麻以)
小島さん:
「朗読会のほかにワークショップを開催するのですが、大人のほうが『こんなに紙芝居を楽しめるんだ!』って新鮮な驚きを持ち帰ってくれたりして。
絵を描いて終わり、ではなくて、紙芝居の枠を『舞台』と呼ぶのですが、舞台の中に自分たちの絵が入り、その日だけの『物語の一部』になる。その体験を喜んでくださってるのを見ると、私たちも嬉しいです」
小島さんは日常のあらゆることから言葉を見つけ、メモに残します。
それは子どもの突拍子もない発言、あるいは美術館の作品から感じたこと、その説明にあったフレーズ、本を読んで心の琴線に触れたこと……。言葉を蒐集することが、生まれながらに好きなよう。
そんなふうにして日々集めた言葉を繋ぎ合わせ、画家の平松さんと共有し、ひとつの物語にしていきます。
お二人の “声と色の実験室” の世界、ぜひ体験してみてください。
>>紙芝居について
>>おもいつきの声と色のInstagram
>>YouTubeでもご覧いただけます
自分の中から風が吹くように
最後に、一年ぶりにお会いした小島さんへ、どうしても聞きたかったことを。
昨年1月のインタビューでは「子どもに『ごめん』と思うのをやめた」という抱負を語ってくれました。その力強い言葉が忘れられず、私自身とても勇気をもらったのでした。果たしてこの一年どうでしたか……?
この問いには、気持ちがいいくらいの即答が返ってきました。
「すっごく楽しかった!!」
仕事で忙しくする自分を責めるかわりに、そんな自分を認め、代わりに仕事以外の時間は「子どもと過ごす」を最優先してきた2022年。
自分の時間=仕事の時間ではあったけれど、つまり美術館や映画に行く自分時間なんてなかったけれど……それがいかに堂々と自信に満ちた日々であったかということは、その清々しい佇まいからも感じられました。
小島さん:
「今年は、また新しい言葉をもらったんです。
『自分の中から風を吹かせなくちゃダメよ』って。年末に悩んでいた時に、知り合いに言われました。
今は風の時代だけど、外から風が吹くのを待っていたらダメ。『自分の中から風は起こす』って。なんだか背筋が伸びました。
2023年は、どんどん外に出ようと思っています。自分から外に出て、興味のあるものや人にたくさん触れていきたいです」
小島さんに出演いただいた商品ページでは、2色のテーパードパンツを6つのコーディネートでご紹介しています。
2023年のオリジナルボトムスも、お客様それぞれのスタイルで、自分らしくおしゃれを楽しんでいただけますように。お気に入りの一本になれば嬉しいです。
俳優 小島聖
俳優。1976年3月1日生まれ。東京都出身。1989年にNHK大河ドラマで俳優デビュー。1999年には映画『あつもの』で第54回毎日映画コンクール女優助演賞を受賞。俳優として様々なジャンルの映像・舞台作品に出演する一方、趣味である登山ではバックパックひとつで何日もテント泊をするような一面も。その自然体なライフスタイルや人柄が人々を魅了し続けている。エッセイ『野生のベリージャム』の執筆のほか、画家の平松麻さんと制作・朗読をする紙芝居をライフワークとして活動中。
photo:芹澤信次
hair&make:成田祥子
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