【特別インタビュー】「隠す」はやめた。小島聖さんが考える、大人のおしゃれ。

編集スタッフ 二本柳

新しい季節のはじまりにご紹介している当店オリジナル「春いちボトムス」が、本日から発売となりました。

今年は、その商品ページで俳優の小島聖さんにご出演いただいています。

プライベートでは一児の母として、俳優としては33年のキャリアを積み重ねながら、エッセイの執筆など、活躍の幅を広げている小島さん。

今回そんな小島さんに「春いちボトムスを着ていただきたい!」と思ったのは、小島さんご自身が年齢を重ねるごとに魅力を増し、「今の自分」を輝かせるおしゃれを楽しんでいらっしゃるように感じたから。

その姿はとても気持ちがよく、「お洋服を選ぶって楽しいことだ」と私たちに勇気をくれたからです。

今年の春いちボトムスは、テーパードからストレートにシルエットが生まれ変わりました。

より幅広い年齢や体型にフィットし、本当の意味で「頼れる」ボトムスを目指した結果です。

ボトムスの発売を記念して、新生・春いちボトムスを最高に格好よく着こなしてくださった小島さんに、「今」のおしゃれについて聞いてみました。

 

胸を張って生きるための、おしゃれ。

▲穿き心地の良さをストレッチしながら見せてくれた小島さん

20代の頃から、お洋服が大好きという小島さん。

当時から好みは変わらないけれど、一方で年齢とともに変化したことも。

小島さん:
「太ったり痩せたり、体型も色々な変化がありました。でも若い頃の方が『隠さなきゃ』と重ね着をしてみたり、ふわっとした服で体のラインを消したりしてました。

でも年齢を重ねると、自分のことがよく分かってくるんです。

私の場合は『もう隠すの、やめよう』と思えたことが、年齢とともに起きた一番の変化かな。自然とおしゃれも『削ぎ落とす』方向に変わっていきました」

「今は自分の体をあえて絞めるような服を選んでいて、そうすると心もピシッとするんです。

それだけで勝手に痩せるわけではないけれど(笑)なんとなく “ぽて” っとしなくなるというか。

自分を隠して過ごすよりも、いさぎよく胸を張ろう。その方が気持ちいいって、分かったんです」

「この『春いちボトムス』も、穿き心地はいいし、リラックス感もあるけど、だらしなくならない。

それがいいなって思いました。

私は上半身にコンプレックスがあります。肩幅が広いからボリュームが出てしまうのではないかと。

だからボトムスはいつも細身のものを選んでバランスを取るようにしていて。

これは、私物に比べると太ももに余裕があるけれど、ハイウエストでストンと落ちるからすっきりしていいです」

 

ちょっと崩す、が自分らしい。

「基本的には、ジーンズにTシャツみたいな……そういうスタイルなんです」と、はにかみながら教えてくれた小島さん。

リーバイスの501は昔から大好き。「最近はコンバースの白ばっかり履いてるの」と意外な一面も。

小島さん:
「この春いちボトムスも、私服と合わせるならヘインズの丸首Tシャツを着て、上からローブみたいなものを羽織って……そういうふうにコーディネートするかな。

気持ちをピシッとさせたい時は、ローファーやパンプスと合わせたり、上にシャツを着ても素敵だと思います」

カジュアルなアイテムを愛する一方で、「ドリス・ヴァン・ノッテン」は最も信頼を置くブランドだとか。

小島さん:
「もう20年以上前にドリスの旗艦店*が青山にあったんです。そこに行くのが楽しくて、楽しくて。買わなくても嬉しくって。憧れがあったんです。

それこそ十何年も前に買ったものも色褪せずに着られるし、ドリスの服は素晴らしいんです。

でも全身をブランドで揃えるようなことは私にはできない。ルックで見ると『格好いい〜!』って思うんですけど、私はワンポイント取り入れるくらいが好き。

年齢に関係なく、値段も気にせず、好きなものを自分らしく着こなす人って魅力的だなと思います」

*当時の店は閉店。2009年に現在の旗艦店がオープンしている

 

おしゃれも、子育ても、「隠す」のはやめた。

そんな小島さん、撮影の日はドリス・ヴァン・ノッテンの鮮やかなローブに、カジュアルなスニーカーというスタイルで現場入りしました。

その前週の日も、「自転車で来ました」と、息を整えながら颯爽と現れた小島さんの格好いいこと!

聞けば子どもが生まれても電動自転車は使わずに、それまでずっと愛用してきたマウンテンバイクで買い物もお迎えも済ませてしまう。「車はスライドドアがいいって言われたけど、あんまり関係ないかな」と、あくまで自分軸のスタイルを貫く、パワフルなお母さんです。

小島さん:
「私よりも年上で素敵な女性たちが、周りにたくさんいます。彼女たちを見ていると『40代だから、母親だから』って、そんなことは関係ない。

好きなものを着て、好きなものを使えばいいんだって、心からそう思うんです。

そのほうが楽しいもん。

昔、仲のいいスタイリストさんに、こんなことを言われたんです。

『歳をとると重力に逆らえなかったり、色々な問題がおきてくる。でも悲観する必要はない。顔周りに本物のアクセサリーを輝かせればいいんだ』って。『それが自信になるし、エネルギーになるんだよ』って。

そのスタイリストさんは、あまりお化粧もしないような人で、彼女の言った言葉がずっと頭に残っているんです」

年齢とともに起こる変化を否定するのではなく、隠すわけでもない。小島さんはヘインズのTシャツに本物のジュエリーを合わせる、そんなおしゃれの楽しみを「今」だから知りました。

そんな小島さん、今年2022年から子どもとの向き合い方にも変化があったと言います。

「ごめんって思うのをやめたんですよ。

まだ子どもが小さいのに『働いて、子どもを犠牲にして、時間を取ってあげられなくてごめんね』って、すごく申し訳なく思っていました。

でもあるとき大草直子さんがインタビューに出られていて『別に悪いことをしているわけじゃないんだから、自信を持っていい』って仰っていたのを見て、ハッとしたんです。

そうだ!って。これが『私』だし、子どもと一緒にいるときに自分を誤魔化すのはやめよう、と。そうしたら今年からちょっと楽になりました」

自分を見つめて、自分を知り、それを「好き」になろうと前を向く姿は、どんな時も魅力的。

私たちの目に小島さんが最高に格好いい女性として映っていたのには、やっぱり理由があったのでした。

2022年の「春いちボトムス」も、お客様それぞれのスタイルで、自分らしくおしゃれを楽しんでいただけたら。自分の「好き」を見つけるきっかけの一本になれば、とてもうれしいです。

 

▼春いちボトムス2022はこちら

▼一緒にコーディネートしたい靴下も新発売

 


俳優。1976年3月1日生まれ。東京都出身。1989年にNHK大河ドラマで俳優デビュー。1999年には映画『あつもの』で第54回毎日映画コンクール女優助演賞を受賞。俳優として様々なジャンルの映像・舞台作品に出演する一方、趣味である登山ではバックパックひとつで何日もテント泊をするような一面も。初めてのエッセイ『野生のベリージャム』も、多くの支持を得て、その自然体なライフスタイルや人柄が人々を魅了し続けている。

 

小島聖さんが舞台『ラビット・ホール』に出演します

ピューリッツァー賞戯曲部門の受賞作として注目を集めた、デヴィッド・リンゼイ=アベアー作『ラビット・ホール』の舞台が、KAAT神奈川芸術劇場で上演。かけがえのない息子を事故で亡くし、深い苦しみと悲しみの中にある夫婦を演じるのが小島聖さんと田代万里生さん。同じ痛みを抱えながらも関係がぎくしゃくしてしまう2人と、彼らを取り巻く人々が微妙に変化していく日常をきめ細やかに描いた戯曲です。ぜひ劇場まで足をお運びください。https://www.kaat.jp/d/rabbithole2022

※舞台の公演は2/23(水・祝)~3/6(日)に変更しています。

photo:芹澤信次
stylist:植村美智子
hair&make:成田祥子

黒ノースリーブニットのコーディネート
バングル 4,300円/ランドシヌール(ミディアム・スクエア)

白ニットのコーディネート
メガネ 37,400円/ワンスリーコンパウンド(トリップ ルミネエスト新宿店)

ピンクローブのコーディネート
スニーカー 31,900円/ノヴェスタ(クラインシュタイン)

トリップ ルミネエスト新宿店|03-6380-5156
クラインシュタイン|https://novesta.jp
ミディアム・スクエア|03-5459-0301


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