【かぞくを知りたい】前編:一番近くにいるのに、難しい。家族ひとりひとりを知るためにできること

編集スタッフ 岡本

「今日は保育園でどんなことがあったの?」

この春、年中になった4歳の息子に聞くと、「いろいろ!」とか「ぜんぶたのしかった!」など、毎日お決まりのセリフが返ってきます。

そんなことが続いたある日、「あれ? 私家族のこと、あんまり知らないかも」と、ふと思ったのです。日常的なおしゃべりはもちろんするものの、最近どんなことに心が動いたのか、今困っていることはないか、といった少し深い話をする時間は、子どもとも夫ともしばらく取れていません。

一緒に暮らすひとつのチームとして、相手のことをもう少し知りたい。そんなふうに思っていた時、「かぞくかいぎ」をテーマにした一冊の本と出会いました。

家族で会議をするなんて、考えたこともなかったこれまで。でもその本を読み終えた時から、「かぞくかいぎって面白い! 我が家でもやってみたい」という思いがふつふつと湧いてきました。

そこで、本の著者である、玉居子泰子(たまいこ やすこ)さんにお話を伺うこの特集。家族を知る難しさや面白さ、かぞくかいぎを経て変わったことなどについて、前後編でお届けします。

 

家族で会議、どうして必要なんだろう?

玉居子さんはライターとして活躍しながら、中学二年生の息子と小学六年生の娘を育てるお母さんでもあります。まずは、どうして家族を知るのって難しいのか聞いてみました。

玉居子さん:
「家族って、つい自分の一部のように思ってしまうんですよね。食事も生活リズムも似ていて一緒にいる時間が長いからこそ、『聞かなくても分かる』と思うんだけれど、実際はそれぞれに思いや考えを持つ別の人間。言葉にしないと、なかなか相手には伝わりません。

お互いが『きっと分かっている』と思っているからこそ、忙しい毎日の中で向き合う時間を捻出するのも難しくなります。でも、ちょっとしたことで自分との食い違いを感じて寂しくなったりして。家族って難しいですよね」

お話を聞きながら、頷きが止まりません。私の場合、子どもに対しては特に「こういうところは私と一緒」と思いがちだったなあと気付かされました。

玉居子さん:
「きっとみんな、家族以外の人とはできているはずなんです。自分と相手の考えていることは違う、という前提のもとで物事を考えて、何か伝える時は丁寧に話そうと心がけていますよね。

でもそれが家族のあいだでは抜けやすくて、すれ違いに繋がったり喧嘩のきっかけになってしまったりするのかなあと思います。

だからこそ、「かいぎ」という言葉がポイントになってくるんです。ひとりひとりが一歩引いて家族について考える客観性を持ってみる。家族なんだけれど、その時間だけちょっと違う視点から話せるのが、かぞくかいぎのいいところだなと思っています」

 

かぞくかいぎにルールはありません

玉居子さん:
「かぞくかいぎに正解はないので、それぞれのご家庭のやりやすい方法で大丈夫です。楽しい雰囲気で行ってもらえたらと思うので、わが家で心がけていたポイントをお伝えしますね。

まず場所ですが、リビングや車の中など家族みんながリラックスできる空間がおすすめ。時間帯は夕食後などゆとりを持って過ごせるタイミングだと、ゆったりとした気持ちで向き合えそうです。

お菓子や飲み物があると、小さいお子さんは進んで参加してくれるかも。それと、せっかく開く会議なので、記録を残せるといいですよね。大きめの紙やホワイトボードなどに、みんなの意見を残しておくと変化が見えて面白いですよ」

玉居子さん:
「実は、テーマ選びは工夫したいポイント。今家族が直面している悩みや困りごとをそのままテーマにしてしまうと、うまくいかないことがあるんです。

例えば、家事の負担が多くて大変だと感じているお母さんがいたとして、かぞくかいぎのテーマをそのまま『家事分担について』としてしまうと、普段あまり家事ができていない人は意見しにくくなってしまうかもしれません。

話し合いたいことはそのままに、家族みんなが対等に話し合えるテーマになるよう少し視点を変えてみる。この場合なら、『家族にしてもらって嬉しかったこと発表会!』といった感じでしょうか。

遊び感覚で話せてあっちこっちに脱線しそうなテーマにできると、きっと盛り上がると思いますよ」

初めてのかぞくかいぎなら、「この週末にしたいこと」など、より気負わずに話せるテーマがおすすめだそう。わが家もまずはそこから始めてみたいと思っています。

 

家族のはなしを聞けたら、成功だと思います

玉居子さん:
「ルールも正解もないけれど、私なりに意識していたことがありました。それは、①怒らないこと ②大人が代弁しないこと ③飽きたら終わりにすること ④解決を求めすぎないこと。

例え、子どもが途中でふざけ始めても、意見を言わない人がいても、うんうんと聞き流したり、見守ったり。目的は問題を最短ルートで解決することじゃなくて、家族の話を聞くことなので、その場にいられれば、それでもうOKだと思っています。もしお菓子が食べられて、お父さんお母さんと話せて楽しい! と思ってくれたら、まずは成功じゃないでしょうか」

玉居子さん:
「日常のやり取りでは、つい大人の都合に合うように子どもを誘導してしまうことがありますよね。

例えば、週末のお昼ご飯について話し合うならば、『お寿司がいい』という子どもの意見に対して『この間行ったばかりでしょう』と返すのではなく、『お寿司は美味しいよね。でもこの前行ったから今週は違うのにして、その代わりにパパの誕生日に行くのはどう?』と、落とし所を一緒に見つけていく時間にしてみてはどうでしょうか。

かいぎの時間は短くても大丈夫。1つのテーマにつき大体10〜15分くらいで、それよりも早く誰かが飽きてしまったら終わりにしましょう。家族で話す場は楽しいと思えて、定期的に続けられることを優先してみてください」

玉居子さん:
「かぞくかいぎが煮え切らない雰囲気で終わってしまったという話もよく聞くんです。話してみたら、こんなに考えが違うんだとびっくりすることもあるはず。それをひとつにまとめられなくても、家族の考えを知る時間を持てた、ということが何よりの成果じゃないでしょうか。

もやもやが残るのであればまた次のタイミングで話してもいいし、思わぬところで課題が解消されることもあるかもしれません」

 

家族だから分かるはず、から抜け出してみる

かぞくかいぎをやってみたい。そう思いつつ、真っ先に思い浮かんだのは、夫はどう思うだろうか、ということ。「面白そう!」と乗り気になってくれたら嬉しいけれど、ちょっと予想がつきませんでした。

玉居子さん:
「家族で話し合う時間を作ろうと突然言われたら、少し戸惑われるかもしれないですね。

思春期を迎えていたり、自分のことを話すのが苦手だったり、という人は身構えるかもしれません。そう感じている家族に無理をさせる必要はないと思います。

以前、お母さんと娘さん二人でかぞくかいぎを続けているご家族を取材したことがありました。お父さんは参加しないものの、その場にいて話の行く末を聞いていたり、議事録に目を通したりして、家族を知ることはできる。全員が参加しない、そういうかぞくかいぎの形もありですよね。

ナイーブな悩みなのでれば、まずは一対一で話す時間を挟んだ方がいい場合もあるはず。かぞくかいぎに参加する人の思いを尊重するのも大切かなと思います」

週末にたった10分、家族でおやつを囲みながら、お互いの話に耳を傾けてみる。普段やっているような気もするけれど、子どもの意見も大人の意見も同じように捉えたり、みんなでひとつのテーマについて考えたりすることで、その会話の中身がちょっと違うものになりそうです。

続く第2話では、玉居子さんご自身がかぞくかいぎに出会ったきっかけや、今の家族との関係性についてお話を伺います。

(つづく)

【写真】ニシウラエイコ

 

もくじ

 

玉居子 泰子

1979年、大阪生まれ。二児の母。育児、仕事、福祉など幅広い媒体で記事を執筆するフリーランスの編集者、ライター。自身の家庭での対話を見直したことをきっかけに、数年に渡り家族会議についての取材を重ねる。著書に『子どもから話したくなる「かぞくかいぎ」の秘密(白夜書房)』がある。ホームページはこちら

 


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