【すてきな照明】第3話:木の愛好家。だからランプも、木で作ることにしたんです(パドラーズコーヒー代表・松島大介さん)
編集スタッフ 糸井
椅子を見つけて、テーブルを揃えて、ラグやクッションなどもひととおり探してきて。でもずっと手を伸ばせなかったアイテムが、照明でした。
そもそも私は、照明があることでどういう風に暮らしたいのだろう。照明との付き合い方が上手そうな人たちに話をきき、そこから探してみたいなと思いました。
最後に訪れたのは、PADDLERS COFFEE(パドラーズコーヒー)共同代表の松島大介さんです。
雑貨やうつわが大好き、照明もその延長にあるもの
都内の一軒家に、賃貸で暮らす松島さん。数年前に自宅を自らフルリノベーションしたそうです。
個人的な嗜好も相まって、今では内装の仕事もはじめているのだとか。その人の好きなものがより浮き彫りになる、そんな部屋づくりを手助けしている雰囲気が、この部屋にいるだけで伝わってきます。
松島さん
「古い物が好きなので、家にあるものはヴィンテージばかり。あと、収集癖があって……」
という言葉通り、古着は服屋、食器はレストラン並の量。オブジェなども所狭しと飾られていて、目を泳がせるだけで楽しい部屋ですが、そんな松島さんも大の照明好き。「これはここが良くてね……」と話が尽きない松島さんの、すてきな照明を早速紹介します。
自分で作った、「照明のコップ」
「まずこれは、置き型の小さな照明。小型のLEDランタンと、木製の入れ物に分かれています。
LEDランタンは市販のもの。ぽんっと手で押すと明かりがつく仕組みです。3000円ほどで買えて、明るさも6段階調整可能。しかも、非常用なので2000時間くらい長持ちするんです。
そんないいものが、自分の部屋にも馴染むように、専用の入れ物をつくりました。選んだ素材は、木。僕、身の回りにあるものはなんでも木がいいくらい、とにかく木が好きなんです。
徳島県の木工職人、小石製作所の小石さんに相談。コップのような入れ物は、手触りも抜群です。
コードレスだから、クローゼットや車のなかにも置けて。旅行先のホテルの室内が暗いときも、これで事足ります。紐を通せばキャンプのときに吊るすこともできるんですよ」
▲「自分たちでオリジナルで作ったものを、
器も、ランプになるんじゃないかと思って
「ベッドサイドに垂らしている、小さな照明もお気に入り。陶芸家の友人、ニューヨークのタケダシノさんの器を、照明にして使っています。
食器として使うお皿に穴を開けてもらって、シェードにし、『TOO WOOD』のパートナーの小石さんに頼んで、木のパーツを付けています。夜寝る前の時間に、落ち着く小さな明かりで、お気に入りのものが目に入るようにしたかったんです。プラスチックがみえないように、天井部分も木で覆っているのがこだわりですね」
賃貸でも、手軽に素敵に楽しみたいから
「自作のものばかりなのですが……これも『TOO WOOD』で小石さんと試作した、天井に直付けできるシーリングライトです。
シーリングライト自体はたくさんあるけど、全部が木でできたもので、使いたいものがずっと見つからないでいました。でもきっと素敵だし、ないなら作るしかないなと。
天井って、何気なくも頻繁に目がいく場所なので、つけるなら、自分が好きな素材で、落ち着く色合いのものにしたかったんです」
▲高級感のあるウォールナットが、部屋に重厚感を与える。
「天井から出る配線も見えないようにしていて、取り外しも簡単。カチャッとつけて、くるくるっと回すだけで、誰でも簡単に付けられる。賃貸でも、引越し先でも持っていけます。
木は、ウォールナット(くるみ)を選び、2枚の板を接合。名作照明となると、10万円を超えるものも多いけれど、そこまで無理はできないこともあるじゃないですか。だから、少なくとも半分くらいの予算で作れたらと、機械で作りコストをカット。これも、自分で使ってみて気に入ったので製品化しました」
賃貸でも、好きな照明を諦めない
松島さん
「家具のなかでも、照明はやっぱり好きなアイテム。陰影が美しいだけでなく、機能的ですよね。自分の好きなものをライトアップしてくれたり、暮らしの動線を作ってくれたり、工夫次第でその部屋の雰囲気がガラッと変わります。
自分は収集癖があるし、とにかく色んなものをたくさん買って、所有し、飾ってしまう性分。周りのものともバランスよく接してくれる照明を選びたいので、予算も安心して買えるようなものが性にあっているなと。
それに賃貸暮らしだからといって、諦めたくないこともある。気軽に模様替えもしたいから、照明も取り外しが簡単で、フットワークが軽い状態にしておきたい。そんなものが既製品のなかでうまく見つけられなかったので、作るにまで至ってしまいました(笑)」
▲玄関を入ってすぐの照明。「自宅のリノベーションの設計をしてくれた、
そんな松島さんの、すてきな照明でした。
好みや、暮らし方が異なる三者三様の照明づきあい。まさに、どう過ごしたいかによってそれらはガラリと変わりました。
これまでは「部屋にうまく配置された照明」としか紐解けなかった先輩たちのインテリア。その選び方を知った今、照明との付き合い方が、以前よりわかりそうな気がしています。
単なる陰影だけではなく、どんなスポットにしたいのか考えること。ひとりで静かに過ごすのか家族が集まるのか、周りのインテリアに馴染ませたいのか目立たせたいのか、……いや、まだまだ学ぶことばかりですね……。
取材中はあれもこれもすてきと、目移りしていましたが、でもこれまでと違うのは、その理由をきかれたときに「こう過ごしたいから」となんとなく言えるようになったことでしょうか。早速新しい照明を探しに、夜な夜な雑誌をめくっています。
▲ちなみにこちらのワイングラスホルダーも、賃貸でも設置可能なもの
(おわり)
【写真】木村文平
もくじ
松島大介
PADDLERS COFFEE(パドラーズコーヒー)、姉妹店LOU(ルー)の共同代表。今秋、プロダクトブランド『TOO WOOD』を立ち上げる。高校と大学時代をオレゴン州ポートランドで過ごす。
感想を送る
本日の編集部recommends!
【期間限定】WINTER SALE!
当店オリジナルの雑貨が、最大20%OFF!冬のおうち時間にぴったりのアイテムも揃っていますよ
【数量限定】当店オリジナルコスメの「お得なセット」が登場!
当店人気のリップバームや新作のネイルなど、選べる6種のセットをご用意。クリスマスのギフトにもおすすめですよ
お買い物をしてくださった方全員に「クラシ手帳2025」をプレゼント!
今年のデザインは、鮮やかなグリーンカラー。ささやかに元気をくれるカモミールを描きました。
【動画】夜な夜なキッチン
縫って、編んで、お気に入りの景色を作る(「HININE NOTE 」スタッフ・彩さん)