【クラシコムのしごと】スローガンは、「絶対に怒らない情シス」? 会社のセキュリティを守るチームに密着しました
編集スタッフ 糸井
北欧、暮らしの道具店で働くスタッフの様子をお届けしている不定期連載「クラシコムのしごと」。
今回は、会社のセキュリティ管理や情報システムの設計を担う「情シス」の2人に話を聞きました。
商品開発や仕入れ、コンテンツ制作などさまざまな業務をするスタッフたちが、安心してセキュリティを守り、システムに触れられるようにあらゆる角度から環境を整えている「情シス」チーム。
実は私たちにとっても、二人の仕事内容は未知な部分も多く……。今回は、日々どんな仕事を担当していて、どんなことに気を配りながら仕事をしているのか聞いてみました。
(左から)
中村
入社4年目。今年の夏休みは生まれて初めて石垣島へ。西表島にも足を伸ばし、水牛でのんびり海を渡ったのが一番の思い出。
高尾
入社6年目。今年の夏は家族で市民プールに行って、子どもたちとプカプカと水に浮かんで過ごす日々。
掛け持ちしながらの、チーム運営?
情シスを担当するのは、コーポレートソリューショングループの2人。主に社内の業務効率化やデータ分析を担う部署です。
中村:
「私は入社当初から、お問い合わせや受注・返品交換対応を担当する『カスタマーリレーショングループ』に所属しています。今でも週に4日はお問い合わせへの対応などをしながら、週1日『コーポレートソリューショングループ』のメンバーとして情シスの仕事をしています」
高尾:
「僕は、情シスの仕事以外には物流などの他の業務も担当しています。情シスにまつわる業務については、中村さんと週1回の定例の時間を作り、気になっている案件や進行中のタスクについて話すことで進めているイメージですね。
情報セキュリティの仕事は、入社当初から担当していて。中村さんにも実際は3年前からちょっとずつサポートしてもらっています」
日々、どんな仕事をしているのでしょう?
高尾:
「会社としてのセキュリティ方針を固めてルール化したり、管理したりという大きな業務もありますが、日々の業務はもっと細かいことも多いんです。
例えば、クラシコムでは定期的にスタッフのパソコンを新しいものと交換するのですが、その交換作業の頻度や発注を管理したり。スタッフからの『こういうアプリを使いたいんです』という相談事に、セキュリティ面からチェックしたり。
それ以外の仕事として、社内の業務を効率化する役割も担っています。たとえば今奮闘しているのは、商品の仕入れを担当するMDにグループの業務改善。そこには毎月沢山の請求書を照合する作業があるのですが、業務の見直しやツールの導入によって、スタッフの負担を軽くできないかと模索しています」
中村:
「最近、一区切りがついた業務でいうと、ネットワークセキュリティ強化のために新たなツールを導入したこと。
情シスは年に一回、社内に向けてセキュリティについてのアンケートを実施していて、そこに寄せられた声をきっかけに、日頃から不安や不便に感じていた点を解消しつつ、より安心して業務に取り組んでもらえるようツールを導入しました。これを機に、従来あったルールも守りやすさとセキュリティを両立させる形で見直ししています。
また、実際にスタッフがインストールするときも、できるだけ負担なくスムーズに進められるよう、使い方やルールをわかりやすくまとめ、その後の運用にも目を配っています」
スローガンは、「絶対に怒らない情シス」
働くなかで大切にしていることには、どんなことがあるのでしょうか。
高尾:
「『怒らない情シス』というスローガンをつくっていることですかね。
情シス関連でスタッフが戸惑うことって、導入するべきツールがうまくインストールできないといったパソコン操作であることも多いんです。だからこそ、できる限り『困っていることを相談しやすい雰囲気』を心がけて『なんでもっと早く言ってくれなかったんですか』といったシビアな雰囲気にならないようにしています。
僕らとしても一番避けたいのは、困っていることがあるのに相談してくれないこと。ルールが守りにくかったり、不具合があったり。それだと仕事ができないし、スタッフとしても会社としても行き詰まってしまいますよね」
高尾:
「たとえば新しい社員がクラシコムに入社する際には必ずオリエンテーションがあるのですが、そこで僕ら情シスも会社のセキュリティ説明の時間をもらっています。
『クラシコムではこういうルールがあって、こういうツールを使っています』と伝えつつ、最後に『明日からシステムなどで困ったことがあれば情シスに言ってくださいね』という言葉を欠かさないようにしていて」
中村:
「私も、入社当日にその言葉を言われたことが印象的でした。いちスタッフとして言われて安心でき、ウェルカムな雰囲気を感じたので、自分が情シスの業務をする上でもそうありたいなと思っています。
クラシコムはリモートワークが中心なので、slack(チャットツール)で質問が寄せられることがほとんどです。そんなときも少しでもプレッシャーを減らすことができればと、ほっこりするようなスタンプでリアクションを返したりしています。いつでも気兼ねなく声をかけてもらえるよう、駆け込み寺のような場所に思ってもらえたらいいですよね」
ルールで終わらせず、どこか人間味も感じてもらえたら
中村:
「ただでさえ『情報セキュリティ』という言葉には、かたいイメージを持たれがちだと思うんです。だからこそ、もし分からないことがあれば、すぐに相談できる関係づくりが大切。
そうした関係性を築くことで、セキュリティに関する不安や疑問をため込まず、早期に解決できる環境が整いますし、全体のセキュリティ意識向上にもつながると思っています。
一方で、眺めているだけだと、どの部署がどの業務で困っているのかがわからないこともあるので、アンケートやヒアリングなどを定期的に設け、こちらからも積極的に困ったことがないかを拾い集めるようにしています。そういう自分やチームであり続けたいですね」
高尾:
「相談窓口に相談事が来るのも、結構楽しいんです。やっていくとどんどん勘所が分かっていくというか、パズルを解いているような感覚があるんです。
そのなかで、『すごくわかりやすかった』と感想をもらえると嬉しいですし。このためには、こういうセキュリティが大事なんですと伝えながらも、ただのルールで終わらせず、どこか人間味も感じてもらえたらなと」
高尾:
「会社全体のセキュリティレベルも、客観的な指標に照らしてもかなり高い水準にあります。今後も会社が健やかに成長するためにも、防衛力は不可欠。
とはいえ、セキュリティを強固にしようとしたときに、ルールで縛れば縛るほど安全にはなるけれど、それがあまりに不便だとみんなが守れないルールにしかなりません。そのバランスを見極めて、ここはルールを設けるけれど、ここはツールを導入することでセキュリティを担保しながら利便性も損なわず、というような土台をこれからも作っていきたいですね。
スタッフが安心して業務を進められることで、その先にいるお客さまや株主の皆さまにとっても、頼れる存在になれたらと思っています」
***
私自身、日々の業務にパソコンが不可欠ななか、新しいツールをインストールしたり使用したりするときに躓くことは正直ありました。でも、まずはこのお二人に相談したら大丈夫だ、と落ち着いた経験がたびたびあったことを思い出します。
個々で取り組む日々の業務は違うものの、「スタッフがよりよく働けるために」、そしてそれが「お客さまへのよりよい時間」につながるように奮闘する毎日であるのは一緒なのだなと改めて感じる時間でした。
次回はどんなチームが登場するでしょうか。楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。
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