【スタッフコラム】旅の思い出の残し方
編集スタッフ 齋藤
文・写真 スタッフ齋藤
昔から、旅行へ行く前には念入りに下調べをし、行きたい場所をピックアップしてスケジュールを立てるのが好きだったわたし。
そのスケジュール立てを助け、旅行中の相棒としていたのは、旅に出る前に必ず新調していたノートでした。
学生時代に影響を受けた本から
約10年前、学生だった頃に購入したこの本。モデルのKIKIさんが散歩や旅行で出会った建築を紹介するエッセーです。
ここで綴られる文章と、時折掲載されるKIKIさんのスケッチが大好きでした。
こんなふうに、自分が訪れた場所や好きなディテールを、手を使って記憶に残していきたいなあーと感じたんだと思います。
旅に出る前に用意するノート1冊まるごとが思い出
KIKIさんの本に影響を受け、学生時代から20代は特に、書くことや記憶を残すこと、足跡をつけたいという思いが強かった。
旅に出ることが決まるとまずはノートを用意して、旅のスケジュールを書き、そこで手にしたものを貼り、感じたことを綴っていました。
手を動かしたことが頭の中の思い出として彩りを持って残ることは確かで、ノートは今でも大事にとってあります。
今年の旅の思い出は、ノートではなかった。
とても久しぶりに、祖父母たちのいる静岡に帰省をした今年の夏。犬とも戯れ、夫や息子も一緒に自分が幼い頃に訪れた海へ行きました。
海では、今回の帰省の思い出にと、3つの石を拾って持ち帰ってきました。「それぞれの形と模様が、家族のようだなあ」と気になって。
学生時代のように、念入りにスケジュールを立て、感じたことや気になったことを逐一書き留めることは出来なくなったし、そうしたいという思いも今は薄れたことも事実です。
その地にあったものを思い出として持ち帰りたいと思ったのは今回が初めてでした。
思い出の残し方も、変わるのかもしれない。そう発見してから、また旅に出ることが楽しみになりました。
3つの石は、今は我が家の窓辺に並んで転がっています。
コラムに登場した本
LOVE ARCHITECTURE KIKI TOTO出版 2004-10 |
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