【店長コラム】朝食ビュッフェを楽しみきれないのは、わたしだけ?!
店長 佐藤
家族旅行や出張でホテルに宿泊するたび、楽しみなのが朝ごはん。
チェックインカウンターで「明日のご朝食は3階のレストランにお越しください」なんて言われると、すでにワクワク。
それなのに……実際に朝食の本番がやってくると、毎度なかなか楽しみきれない自分がいて、それが残念になるわけです。
長年の傾向から分析するに、どうもわたしは「ビュッフェスタイル」が苦手らしい。
寂しい気持ちで仲間を探していたら、いました、いました。わたしの実兄であり、一緒にクラシコムという会社を始めた代表の青木です。
それは先日の京都出張のときのこと。同じホテルに宿泊していたんですが、朝食ビュッフェでお互いにお皿を手にしたまま右往左往しているところで鉢合わせました(笑)
心のなかで「あら、あなたも」と。血のつながりって何だか心強いじゃないですか。
「ビュッフェ」に対する苦手意識の底にあるもの。
なぜビュッフェスタイルが苦手なのか。楽しみたいのに楽しみきれないのが悔しいから、せめてその理由くらいは見つけたい。
真っ先に思いついたのは「選択肢が多すぎることに弱い」ということ。
さらに「選択肢が多すぎることに弱い」のは、おそらく「失敗したくない」という気持ちが強いからなんだろうなと思い当たりました。
まずは洋食にするか和食にするか?から始まり、洋食ならどのパンにしよう、卵料理は?パンはこの目の前にあるトースターで一体何分焼けば美味しくなるのかしらん?あらあら、グラノーラもあるじゃない。
まったく”ビュッフェ”ったら、大量の選択肢の中からの細かい判断の連続!
結局、細かい判断の連続に疲れてしまって、オタオタしたまま「とりあえず」とお皿に盛り付けたものをテーブルについて食べることに。でも、オタオタしているなんて恥ずかしいから、スマートぶって珈琲をすすったりして(笑)
悲しい性(さが)です……「わたしもそうですよ!」っていうお仲間がいてくれたら、どれだけ心強いことか。
「選ぶこと」と「選んでもらうこと」どっちが楽しい?!
人はそもそも「自分で選ぶこと」が楽しいのか?それとも、「誰かに選んでもらうこと」が楽しいのか?
なかなか答えの出ない疑問のひとつです。それに答えはきっと、人それぞれなはず。
「選ぶこと」を楽しむためには「失敗をおそれない」心持ちが大事なのだろうし、「選ぶこと」から時おり解放されたいなら「選んでもらうこと」を楽しめばいい。そんなふうに自分にも言い聞かせています。
たとえばビュッフェではなく、コーススタイルの朝食を選択してみるとか。
そして、こういうわたし自身の傾向が、もしかしたらお店の品揃えにも若干影響を与えているかもしれないと、ふと思いました。
「北欧、暮らしの道具店」は新しい商品をリリースするとき、色や柄・カタチ含め、ラインナップがわりと絞りこまれたお店なのではないかと思います。つまり、すでにある程度「選ばれた」状態でお客さまに楽しんでいただこうというスタイルです。
あらゆる選択肢を用意して「お好きなものをどうぞ」というよりは、絞りこまれた選択肢の中で「これ気になる!」という直感的な出合いをしてもらいたい。自分が「よい」と思えたモノを、まっすぐに納得感をもって買える喜びを味わってもらいたい。
だからこそ「あの店が選ぶモノなら信じられる」と一人でも多くの方に認めていただけるように、日々失敗をおそれず「選ぶこと」を続けていかなければとも思うのです。
わたしと同じように選択肢が多すぎることが苦手というタイプの人がいたとして、「このお店なら選んでもらうことを楽しめるなぁ」と感じてもらえる場にできたなら、”ビュッフェ苦手症”を発症した自分を少しくらいは肯定してあげられそうです。
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