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【店長コラム】子供がほかの人の気持ちを想像できた「記念日」。

【店長コラム】子供がほかの人の気持ちを想像できた「記念日」。

店長 佐藤

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「ちょっと!大事な電話中なんだから静かにしてて!」(わたし)

「もう!今、話したいんだから!ねえねえ、聞いてよね!ムキーッ」(息子5歳)

こういう母子のやり取りは、恥ずかしながら日常茶飯事。

大事な話を電話でしているときに限って大きな声で話しかけてきたり、仕事関係のトラブル対応などで急遽自宅でPCひらいて作業しているときなどに「ねえ、ねえ」と話しかけてきたり。

子どもが待てないことは分かっていながらも「ねえ、見てわかるでしょ?このお母さんの只今のテンパリ具合。空気を読んでいただけたらどれだけありがたいか」そう心のなかで呟いてしまうのです(汗)

それがですね、ある日、決して聞き過ごすことのできない印象的な出来事がありました。それは息子を自転車の後ろにのせて、大きな通りを必死の形相で走っていたときのこと……

 

いつものごとく咄嗟に出た「ちょっと待ってて」に対して…

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その日は家族で少し遠方の公園に遊びに出かけようと、自転車を走らせていました。

それなりに体重もある息子を後部座席に乗せ、傾斜のある大通りを走るときなどは特に集中力が必要。よけいなお喋りなんてしていられない、母さん必死です!というタイミングがあります。

そんなタイミングで例のごとく「ねえねえ、あのさ」と後部座席の息子から声が掛かりました。

咄嗟にわたしは「いま集中して自転車こいでるから、ちょっと待っててね」と返したんですね。

すると(ちょっと考えたような間があってから)こんな返答が後ろから再び戻ってきました。

「ぼくもさ、大人になって真剣に工作しているときに子供がワアワア話しかけてきたら嫌だからさ、静かにしててーって思うからさ、ちょっと待とうっと。これで、どう?(ドヤ顔ならぬドヤ声で)」

(工作が大好きなので、恐らく大人になっても工作をしているところを想像してみたのだろうと。「~でさ」を語尾につけるのも息子的に大流行中です、笑)

こ、これは!聞き過ごせない貴重な瞬間をキャッチ!と、わたしは大感動してしまいました。

「今、言えたことの意味、かなりすごいよ!」と。「それって、今の自分じゃない、別の立場の人の気持ちを想像できたってことだから」と、褒めちぎったことは言うまでもありません。

もちろんその日以来これが徹底されているなんてことはなくて、相変わらずのやり取りも多いのですが、それでもこの日は、息子がもしかしたら初めてだったかもしれない他の人の気持ちを想像してみることができた「記念日」だと心に刻みました。

 

 「記念日」と言っても、きっと覚えてはいられないけれど。

こういう「内面の成長」って、なかなか親の記憶にも残しづらいものだなぁと思いました。

あのとき保育園でこんなことがあったんだよなぁとか、家でもこういうことができるようになったんだよなぁとか。そういう出来事は記憶に残りやすかったり、写真で残せたりもするのだけれど、何気ない日に起きた内面の成長についての記憶はわりと流れていってしまうもの。

いつ、どういうことを考えられるようになって、いつ、他人を思いやれるようになったのか。

そういう種類のことはなかなか覚えていられないからこそ、今この瞬間にしっかり成長の喜びを噛みしめておこう。そう強く思いました。

時間が経てば忘れてしまうとしても、毎日のなかには「記念日」と言い聞かせて覚えておきたくなるような「一歩前進」が転がっているのかもしれないですよね。

 

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