【スタッフコラム】心を軽くする僕の習慣は「見上げること」
編集スタッフ 長谷川
▲(たしか)JR御茶ノ水駅のホームから見える大木。しめ縄がある。なんだろう。
街を歩いていると、斜め下を向いている人が増えましたね。スマートフォンを手にしていると、自然と視線が斜め下になるので仕方のないことです。
先日、とある用事で銀座へ行きますと、道端ではスマートフォンを片手に立ち止まる日本人のみなさま(おそらく流行りのゲームに熱中してポケット的なるモンスターを収集している)と、家族や恋人と写真を撮る観光客がたくさんいらっしゃいました。
▲形が連鎖がするビルと、等間隔にのびる電線。バランスが好き。
その最中、ひとり、ぼーっと頭上を見ていたのが、僕です。
どうも時折、意味もなく、ぼーっと視線を上に移すクセがあると知ったのは、つい最近のことでした。
とある銭湯を訪れた帰り道のこと。
「あそこ、へんなこと書いてあるよ!」
ビルの壁に刻まれるは「ON泉 OFF呂」の文字。思いついた人のしたり顔が浮かんでくるようであります。
友人の銭湯仲間に告げると、みんなが一様に「どこどこ?」と驚いている。「なんで見えてないの」とかえって驚いたのですが、なんのことはない、僕だけが風呂あがりのポカリスエットを飲みつつ、友達を待ちながらボケーっと視線を上げていたせいでした。
スマートフォンに見知らぬ写真がある。
▲どこかのビルの天井。やたらと大きいダクト。恐竜の首みたいです。
どう見ても日中の、真っ昼間の、よくわからない時間に撮ったと思しき写真なんですが、場所も何もわからないのです。たとえば、工事現場のクレーンとか、どこかのビルとかが写っている。
たぶん僕にとって、その景色が新鮮だったり、美しかったり、気持ちよかったりしたからシャッターボタンを押したのでしょう。
▲この先端で作業したらさぞ怖いでしょうけど、慣れたら気持ちよさそう。
スマートフォンを手にしていると、自然と視線が斜め下になります。あとは、ツラいことや思い悩んでいることがあるとき、どうも自信が持てないときにも、気の重さにひっぱられるようにして下を向きがちです。
▲フィンランドサウナを体験した時の小屋。木目の揃い具合がキュート。
そういう時間も人生には必要だと思うのですが、そればかりでも心がふさいでいくような気になってしまう。
電車の待ち時間とか、みんなが下を向いている街中とか、ちょっとだけ視線を上げてみると、「いつも同じ」に思っていた景色がちがって見えることがあります。
電車の天井に設置された扇風機がクラシカルで素敵だなーと思ってよく見たら、筆記体で「Toshiba(東芝)」と書かれていました。このロゴもカッコイイじゃないのと愛しくなって、一枚。
気楽にパシャッと斜め上シャッター、オススメです。自分が知らない景色は、なんのことはない、立ち止まって視線を上げるだけでも見えたりするものなんですよね。旅行だけが知らない景色を見るチャンスじゃないんだよなぁと、シャッターボタンを押しながら思うわけです。
ちいさな発見が、ちいさく心をときめかせてくれる。その発見が自分の興味を広げてくれたり、心を軽くしたりしてくれる。そんな気がして、僕は今日もどこかの街中を見上げています。
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