編集スタッフ　岡本

久しぶりのワクワクを連れて

つい先日、大阪へ一泊二日の旅行に行ってきました。

きっかけは夫の誕生日。「大阪に行く」ということだけを伝え、旅の内容については一応サプライズというていでした。

仕事柄、ふだんは休みが合わずなかなか一緒に過ごす時間がないので、思い出に残ることがしたいと思い、スケジュール立てに奮起！

1日目はめいいっぱい遊ぶ日、2日目は大阪グルメを味わう日とテーマを決めて、行程を組んでみました。

朝6時発の新幹線に乗って9時前に大阪へ到着し、開園直前のテーマパークへ。
好きな映画の世界に浸って、早くも気分は最高潮です。

ここまではスケジュール通り。このあとは、何時までにここへ行って、夜ご飯はここで……など残りの時間を想像しながら楽しんでいました。

しかし、お昼ご飯を食べ終わった頃から異変が。

 

自分のペースが保てない、そんなときは？

その日の朝は4時起きだったこともあり、とてつもない睡魔に襲われたのです。

まだ見たい場所もある、お土産も買わなくちゃと頭をめぐるよくばりな気持ちと、思い通りについてこない体にイライラが募ります。

ここでしかできないことや、限られた時間のことを考えると焦る気持ちも高まってきていたその時、

「むりせず休んで、ゆっくりご飯を食べよう。今日できなかったことは次の楽しみにすればいいから」と夫が一言。

自分が計画していたことを、自分のせいでできなくなってしまったふがいなさにうなだれましたが、ここでふっと気持ちに余裕が生まれました。

この2日間を隅から隅まで楽しまなくては！と意気込みすぎていて、相手がどう過ごしたいかについて考えていなかったことに初めて気付きます。

すこしの仮眠をとって夕飯を食べに出かけるときには、当初立てていたスケジュールから目を離してみました。

「夜ご飯はなにが食べたい？」
「……焼肉」

まさかの返答です。
でも聞いてみると、関西でしか食べられない部位があるそうで、店名や場所までもう調べていました。

そのあとも、予定外の2軒目を目指したら、立て続けに閉店していたり、とつぜんの豪雨に見舞われたりとハプニング続き。

それでもふたりで決めたことだからか、マイナスな出来事も笑ってやり過ごすことができました。

2日目も「今日はどう過ごしたい？」の言葉からスタート。

大阪環状線に揺られながら、お互いの行きたい場所や食べたいものを話します。
新幹線の時間ギリギリまで楽しみ、清々しい気持ちで帰路につきました。

今回の旅を迎えるまで、数ヶ月前から考えを巡らせていたけれど、大切なことがすっぽり抜けていたなあと、心地よい新幹線の中でウトウトしながら思い返しました。

貴重な休みだから、楽しませなくては。
めったに行けない場所だから、驚かせなくては。
誕生日だから、頑張らなくては。

そんな前のめりな気持ちばかりで「相手がどう過ごしたいか？」を考えられていなかったなあと。

帰り道、「ごめん」と「ありがとう」を念じながら歩きました

果たせなかったアトラクションやご飯屋さんを思うと心残りはあるけれど、それがあるからこそまた次を楽しみに待てるのだ、これが日々の糧になるのだと、すこしの学びを得ました。

入念に計画を立ててもなかなか思い通りにはいかなくて、それもまた良しと思えるようになったのは、だれかと暮らす醍醐味なのかもしれないと妙に納得した旅でした。

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