【スタッフコラム】13年前に受けた衝撃、ふたたび。
編集スタッフ 岡本
細く長く、続く趣味。
今年の春先は、休日になるたび天気が崩れ、お出かけ気分もすこし落ち込み気味でした。
気づけばお花見も、春服の買い物をすることもなく、季節が変わり始めていた頃、友人と一緒に久しぶりの舞台を観に行くことに。
声をかけられたのが半年ほど前だったこともあり、こんなビックイベントの存在をすっかり忘れていました。
舞台との出会いは中学2年生。
憧れの女優さんが出演すると聞いて、お小遣いを貯めて貯めて、観に行った記憶があります。
(舞台のチケットは中学生にはかなり高価なものでした)
当日は大急ぎで学校から帰り、ワクワクを抑えられずに早足で劇場へ。
開演前の演出か、それともお客さんから発せられる熱気か分かりませんが、湧き立つような舞台独特の空気に、早くも圧倒されたことを覚えています。
その舞台は1,000人近い客席を埋めるほどの人気で、1990年の初演を皮切りに、脚本やキャストを変えながら7年ごとに再演されてきた歴史のある作品。
私が観たのは2004年で、その作品の3回目の公演でした。
当時は予備知識がない状態でしたが、お客さんの表情や耳に入る会話から「この作品がたくさんの人に愛されていること」、「7年ぶりのこの時を多くの人が待っていたこと」を肌で感じました。
一時も目を離すことができず、心臓が早鐘のように鳴り続けたあっという間の2時間半。
客席とこんなに近いのに、明らかに違う世界が存在しているステージ。
他の作品で見る姿とはまったく別人のような、俳優たち。
瞬く間に変わるセット、動きにぴたりと合った音響、劇的なシーンをさらに印象付ける照明。
ここまで人を惹きつけられる技術の数々に、言葉を失いました。
14歳の私には刺激が強く、そのあと3日間ほどは余韻に浸り続け、学校や家でもボーッと過ごしてしまいました。
それからと言うもの、舞台観劇が趣味の一つに。
この作品のように大きな劇場から、同い年くらいの学生が作・演出まで手がける小劇場まで、お小遣いを貯めては足を運び、その度に違った衝撃を受けていました。
13年前ぶりの衝撃。
▲右が13年前、左が今年のパンフレット。紙面からも迫力が伝わります。
友人に誘われるまで、今年がその7年周期の年であることに気付きませんでした。
学生時代に比べ、感動に触れるということに少しだけ無頓着になっていたのかもしれません。
新劇場のこけら落とし作品として上演されることもあり、今回のそれはさらにパワーアップしているとのこと。
日が近づくにつれて、学生時代に感じたようなワクワクが高まっていきます。
劇場に着くと、13年前と同じように興奮した様子のお客さんがずらり。
私自身も、以前見たような大人たちの仲間入りをした気分で、それもまた嬉しくなりました。
新しい劇場は、シーンに合わせて客席が回る仕組みだそう。
さらに前回観たときから、主演の俳優さんが変わっていたことも、私をこれまでと違う心持ちにさせました。
ストーリーは同じとはいえ、劇場も役者さんも違います。
一体どんな風に変わっているのだろう?と、楽しみな気持ちに少しの寂しい気持ちも相まって、想像を膨らませていました。
幕が上がって、数分。そんな不安は吹き飛び、3時間近い上演中、これまた視線も心も奪われっぱなしとなりました。
くるくると回るステージは、物語を、そしてお客さんのテンションを盛り上げ、役者さんたちの素晴らしい演技や殺陣に、つい椅子から背を離して興奮気味に見入ってしまいました。
この劇場だからこそできるセットや音響や照明も、とても効果的で、まさにエンターテイメント!
最後は見事なスタンディングオベーションで、客席全員が割れんばかりの拍手を送っていました。
そしてまた、余韻に浸った私はボーッとした数日間を過ごすことに。
刺激が強いと感じたのは年齢のせいではなく、作品の持つパワーが強かったからだったのかと、今更気づきました。
きっとまた、観たくなる。
今回、やっぱり舞台が好きなことを改めて再認識しました。
そして、舞台友だちのおかげでより楽しいものになっているということも。
だれかと作品を見ることで、同じ瞬間に感動を共有できたり、興奮冷めやらぬ状態でお互いの感想を伝え合うのも、舞台の醍醐味だと思います。
笑ってしまうようなシーンでは思わず顔を見合わせたり、しびれるような殺陣のシーンでは同時に前のめりになってしまったり。
ああ、同じようにこの時間を楽しんでいる、とすごく嬉しくなるんです。
きっと舞台に限ったことでなく、映画などでも感じることかもしれませんね。
家でまったりしたり、旅行に行くことも好きだけれど、舞台でしか感じることができない感動を求めて。
これからも劇場へと、友人とともに足を運び続けます。
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