【スタッフコラム】「暮らし」って楽しい。初心にかえった、はじめての古道具。

編集スタッフ 二本柳

古道具というものは、憧れがありつつも、これまで一度も買ったことがありませんでした。

ヴィンテージでも古民家でもない、一般的なマンションの我が家にどうフィットするのか自信がなくて……どこかハードルの高いものに感じていたんです。

ところが先日、恵比寿にある雑貨屋さんで、あるアンティークの棚を購入しました。

 

接客って奥深い!

▲何をかざろうかな…模索中です

お盆休みの最終日、とくに予定もなかったので恵比寿の雑貨屋さんを訪れました。

あいにくの雨模様だったこともあり、この日は店主さんと私のふたりきり。ラジオの音が心地よく流れる店内で、目にとまった3つの古い棚がありました。

どれも同じフォルムでいながら、でもちょっとずつ違う。「うちに置くならどこかなあ」と空想しながら15分ほど立ち止まっていると、店主の女性が話しかけてくれました。

「私はね、向かって左のが好きですねェ」

私もそれが一番いいと思っていたところ(なんかうれしい!)

「何が好きかってね、底の板がちょっと飛び出ちゃってるでしょう?ものすご〜く格好いいと思って。これが無かったら気にかからなかったと思うんですけどネ」

▲この、ちょんとはみ出てる感じです

「私、模様がえがとーっても好きなんですよ」そう言いながら、空想上の我が家で、棚の模様がえをしてくださりました。

「この高さならソファの肘掛けくらいでしょう? 隣に並べたら、座ってる自分からは見えないけれど、部屋に入ってきたとき棚が目に入りますね。そこにお気に入りの雑貨を少しずつ飾ったら……」

無邪気な笑顔になりながら、
「ヒヒヒ、なかなか格好いいんじゃないかしら? マグカップなんかを置いておくサイドテーブルにもなりますね!」

▲こんな感じかな?と再現してみました

この棚が家にあったら、とっても幸せなんじゃないか?

店主さんと話しているうちに、そんな予感がして、古道具が家の雰囲気にフィットするかどうかなんて大した問題じゃないように感じてきました。

そして結局、そのアンティークの棚を家まで持って帰ることにしました。「お気に入りを奪うようで申し訳ない……」なんて気持ちすら抱きながら。

 

「暮らし」が好き。シンプルだけど大切なことに、気付かせてくれた。

その店主さんは、本当に雑貨が好きで、日々の暮らしを愛していて、このお店が宝物なのでしょう。

私の暮らしも、棚ひとつでちょっとだけ良くなるのかもしれない。そんな嬉しい予感を持てたのは、暮らしを心底愛する店主さんのおかげだと思います。

「北欧、暮らしの道具店」でお買い物をしたり、読みものを読んでくださるお客様が、このときの私と同じような気持ちになってくれたら嬉しいな。だって「暮らし」は、やっぱりとても楽しいから。

そんなことを思いながら、重たい棚を両手で抱えて(自分で持って帰ることにしてしまったんです!)、首で傘を支えながら恵比寿駅に戻ったのでした。

 

 


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