【バイヤーのコラム】「なんのためにやってるの?」に答えられないこと。
バイヤー 山根
「手段が目的化してない?」というツッコミを、無意識に恐れているような気がします。
なんのためにやってるの?と聞かれて、ハッと気づく。もしかしたら自分ががんばっていることは、目的に向かえていないことなのでは……?
そんな思いに至ったら、ショックです。だから「手段は、手段」「目的が大事」と強く思うようにしていました。
ところが、あることをきっかけに強く思い過ぎなくてもいいのでは?と考えるようになったんです。
特集「弱腰のリーダーシップ」より(写真:木村文平)
きっかけは先日公開された特集「弱腰のリーダーシップ」です。
「知らないふりをする」「何を言われたら一番嬉しいかを発掘する」など、記事につづられたレストラン「LIFE」相場さんのリーダーシップの心がけ。これを読んで、大きくうなづきました。
僕はチームワークというものが昔から好きです。日頃友人には不義理にすることが多いのですが、こと仕事・協働となるとコミュニケーションに熱が入ります。
自分の中にいろんなチームワーク像・リーダーシップ像のストックがありまして、この特集に描かれていたものは理想の形のひとつ。
「こんなふうに飲食店の店長ができたら、きっと楽しそうだなぁ」
相場さんへの多分の尊敬の念とともにそんな勝手な妄想も浮かんできたのですが、そのときふと気が付きました。
僕は僕の好きなチームワークを味わいたいから仕事をしているんだ!と。
これまで自分が取り組んできたこと……例えばジャムを作る仕事、バンドをすること、カスタマーチームで働いたこと。どれも目的は違いますが、充実感を感じる瞬間は同じでした。苦しいと思ったことも同じです。
目的が変わっても、チームから得られる充実感は変わらない。であればチームの目的や目標は、チームが活き活きとあり続けるために補給する燃料のように見えます。
これはもう「手段の目的化」どころか、「手段と目的が真っ逆さま」です。
「手段が目的化してない?」とツッコまれるかもしれません。
でも、そんなことが個人の心の中にあってもいいと思うんです。
お花が好きだから手入れする。歌いたいから歌う。食べたいから食べる。
「なんのために?」がないうちからやり始めていることに、日々たくさん満たされているじゃあないですか。
今の僕のチームは仕事のチームですから、手段が目的にあってるかなーという視点は失いたくありません。一方で、大好きな手段でワクワクできるチャンスがあるなら、そこは思い切りワクワクしたいんです。
他の人にとっての手段が目的だから、ときに無駄なことをしているかもしれない。
でも他の人にとっての手段が目的だからこそ、みんなの目的を大いに助けるかもしれない。
それこそまさに、チームのおもしろみですね。
こういう考えに至ったから、いろんなミーティングでチームワークの話を熱めに語るようになってしまったこの頃です。
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