【バイヤーのコラム】お財布は革のものと決めている理由
商品プランナー 加藤
はじめて自分のお小遣いで買った財布は、革の長財布でした。それから財布といえば、革と決めています。
高校生の頃、学校帰りに通ったショッピングモール。
そこにテナントで入っていた革製品専門の店は、天然素材を使いながらも、当時高校生の私が持ってもきっと渋すぎない、ほどよくカジュアルなデザインが効いたアイテムが多くて私の憧れでした。
行くたびに素敵だなぁと眺め続けていたのが、茶色の長財布。ある日、えいっと思い切って買った思い出がとても心に残っています。
そのとき合皮と本革の違いすら、よく知らなかった私。店員さんに革について詳しく話を聞いて、色々と目からウロコでした。
とくに革は経年変化を楽しむもの、それまで経年=劣化という概念しかなかった私は、そう言われた途端に目の前の革財布が全然違う存在に見えてきたんです。
使ううちに柔らかくなる、持ち主の手に馴染んで丸みを帯びる、使ってつく傷も味わいのひとつ。丁寧に使いたいと思うものほど、ひょんなことで傷や汚れをつけてしまうことが多いおっちょこちょいな私も、がっかりしなくて良いんだ。そう思えた瞬間、これなら付き合えそう!とワクワクしたのが購入の決め手でした。
お値段も含めて学生にとっては、なかなか背伸びな買い物でしたが、それだけ思い入れもひとしおに。ボロボロになっても、これが味だわーと思いながら(笑)しっかり使い倒した、心から気に入ったお財布でした。
それは私にとって、数あるお買い物体験のうちの嬉しかったランキング上位。少し大げさだけど、おっちょこちょいな自分でもいいんだよと肯定できたと思える買い物だったのかも。だから今でも、しみじみ心に残っています。
それからは、財布を買い替えるときは、ブランドやサイズは変えるけれど、素材は革ということだけは変えません。今つかっているお財布も、このところいい味がでてきました。一層、愛着をもって使っています。
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