【44歳のじゆう帖】40歳からのコンディション術
ビューティライターAYANA
外へ向けていた目を、一旦閉じてみる
40代になって思うのは、10代・20代のときとは明らかに「美しさ」への姿勢が異なること。そのころは、美ってまだまだ表面的なものでした。
当時の私が聞けば「そんな風に思ってないし。美は内面から来るものだってちゃんと知ってますよ」と怒るだろうけど、それでもやっぱり形式的なものとしてしか捉えてなかったなぁ、と。
こんなスタイルでこういう服が似合うとか、こんなメイクでこんな表情をするとか、こんな場所に出掛けてこういうことに感動しているとか。
若いときに目指していた「美しさ」をあらわすそれらは何かの模倣でしかなかった、と思います。
私は模倣については肯定的で、素敵なものや人からじゃんじゃんセンスを盗むことを推奨しています。
それらの積み重ねで自分というものが出来上がっていくのだし。だから若いころの私に対してはそれでいいじゃん?と言ってあげたいし、別に40代の今でも模倣はしまくっていると思う。
ただ、外側だけに答えを求めるという姿勢に限界を感じているのもまた事実。
外へ向けた目を一旦閉じて、自分という器のメンテナンスをしてあげる必要があるんですよね。
目的地だけリストアップするんじゃなくて、そこへ行くための車をちゃんと掃除して、油を差して、って手入れしていかなくちゃいけない。この車は買ったばかりの新品ではないのだから。
逆に手入れ次第でマシンの性能って上がっていくわけで。つまり健康状態ということなんですが。元気があってはじめて、安心して美しさを追い求められる、なんて思います。
自分のクセを受け入れられるのが40代
40代ってすごく絶妙な時代で、人生のちょうど中間地点というか。若い頃に思いを馳せることと、未来に向けて思いを馳せることが同じ熱量でできる。その距離が等しい。
「もう若くない」と冷静に思ってるけど、若い頃と完全には決別できてない、みたいな時代じゃないでしょうか。先輩たちからみたらまだまだ未熟な若造ではあるわけだし。
だから、なんだかいつも腰が痛いとか、疲れやすくなった、風邪をひきやすくなった、なんてことになると、「こんな不調、若い頃はなかったのに」「昔は徹夜しても大丈夫だったのに」みたいに、若いときと比べて嘆いてしまうこともある。
でも、そういった不調を経験していくからこそ、自分の体のクセがわかってくる。
体だけじゃなくて精神にも言えるのですが、考え方とか、感情のクセみたいなものがようやく掴めてくる。これは中年の醍醐味のひとつだと思います。
クセが分析できれば対処もしやすくなる。自分との相性でケア方法をみつける、という視点が持てます。体もそうだし、心もそう。筋トレとヨガとランならどれが合ってるのか。自分は短距離走派か長距離走派か?性善説派か性悪説派か?
こうでありたいという理想をひとまず横において、自分の素質との相性だけで考えてみることができる、それが中年だと思うんです。
自分を俯瞰できるととてもラクですよね。
自分は神様からの借り物かもしれない
私は自分のことをコンプレックスの強い人間だと思っていて、顔も体も性格も、イヤだな〜ってところがいっぱいあります。でもあるとき思ったんです。「果たして、どこまでが自分なんだろう?」と。
めちゃくちゃ極端な話、死ぬと肉体は崩れて消えていき、精神はどうなるのか知らないですけど、輪廻転生とかするのかな? だとしたら自分じゃなくなっちゃうわけだし。
そうしたら、自分がコンプレックスを持っている範囲のものって、なんか今は自分の所有物みたいにおこがましくも思っているけど、意外とそうではなくて誰か(神様とか)からの借り物だったりするのでは?みたいな。
なんてふつふつと考えていると、妙に冷静になってしまって。この借りてる素材を丁寧に扱ったほうがいいのでは?自分の子どもとか、飼ってる猫とか、なんなら好きなタレントとかを見るような目で自分を見たほうがいいのでは?と少しだけ思うようになりました。
自分を慈しむこと。これが大切なのは間違いないのですが、根拠のない自己肯定とかではなく、「自分は借り物」的な目線でそれができれば、結果自分がぐんとバージョンアップできるのではないかな、なんて思います。
【写真】本多康司
AYANA
ビューティライター。コラム、エッセイ、取材執筆、ブランドカタログなど、美容を切り口とした執筆業。過去に携わった化粧品メーカーにおける商品企画開発・店舗開発等の経験を活かし、ブランディング、商品開発などにも関わる。instagram:@tw0lipswithfang http://www.ayana.tokyo/
▼AYANAさんに参加してもらい開発した、オリジナルのメイクアップシリーズ
KURASHI&Trips PUBLISHING
メイクアップシリーズ
▼AYANAさんも立ち会って制作した、スタッフのメイク体験スペシャルムービー
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